2017.3.20 17:26

お金を出すとタダになる?!野外アニソンDJフェス『リアニメーション』はなぜ“無料”開催を目指すのか?

お金を出すとタダになる?!野外アニソンDJフェス『リアニメーション』はなぜ“無料”開催を目指すのか?

リアニメーション10のクラウドファンディングの画面

リアニメーション10のクラウドファンディングの画面【拡大】

 アニメ×ダンスミュージックの超都市型野外DJフェス『リアニメーション』のオーガナイザー、ちへこと杉本です。

 『リアニメーション』は、2010年12月に有志が集まって初開催したフリーレイヴ(無料の野外DJイベント)で、新宿歌舞伎町のど真ん中という立地や、当時はまだ珍しかったアニソンDJというスタイル、そして無料という気軽さが話題になり、インターネット配信のUSTREAMでリアルタイムアクセスランキング世界1位を獲得。都心の高アクセスも助けとなり、配信を見た人が現地に駆けつけ、第1回から1000人近くが集まりました。

 それ以来、2度の有料化を挟みつつ、原則的には“入場無料”の誰もが参加できるDJフェスとして昨年までに9回開催、3500人規模まで拡大しています。先週、ついに第10回目の開催を目指すクラウドファンディングを開始しました。

 【CAMPFIRE】リアニメーション10-お台場2DAYS!無料の野外DJフェス開催プロジェクト!

 [リンク](http://camp-fire.jp/projects/view/21807

 ■確立からおよそ10年、「アニソンDJイベント」はまだ生まれたばかり。

 本コラムで主に取り上げている「アニソンDJイベント(通称“アニクラ”)」シーンの起源は諸説ありますが、ディスコとコスプレが融合した90年代の「ダンパ」シーンや、独特のアンダーグラウンドダンスミュージックと結びついた2000年前後の「ナード」シーンと異なる、現在の“アニクラ”シーンの端緒は、およそ2007年頃、SNSを中心に人が集まるパーティーが始まった時期です。

 それから10年、年間数千のイベント(多くが50人未満のプライベートパーティー)が日本中で開催され、延べ数十万人を動員しているとの試算もあります。都内ですら月に数個あれば多い方だった時期を知る身としては隔世の感があります。でも、個人的にはこのシーンはようやく下地が整ったばかりで、「まだまだこれからが本番」だと思っています。

 アニクラだけ見ていると気づかないものですが、他のジャンルに目を向けると、テクノ・ハウス・ヒップホップなど歴史の長いクラブミュージックには専門の小箱が無数にあり、中規模パーティーがあり、数千人を集める大規模なフェスも定期的に開催され、シーンが重層的に形成されています。さらに落ち着いてきたとはいえ、EDMを軸としたメインストリームに目を向けると毎週末、数百~千人以上を集めるDJパーティーがどこかで開催されています。そのフェスティバルとなると、数万人が集まる規模となります。

 おかげさまで『リアニメーション』は“アニソン系のDJイベントとしては”最も多く来場者数があり、そのせいでこのコラムのように発信の機会をいただけるわけですが、そういった場で“アニクラ最大”、“3500人”という数字を掲げる度に思うのは、「このジャンルはこれから伸びる余地しかない」ということなのです。

 ■アニソンがかかるDJイベントは本当に楽しい。

 『リアニメーション』はアニメ×ダンスミュージックを標榜(ひょうぼう)することもあり、アニメやアニソンのことをほとんど知らない、クラブ界隈(かいわい)の住人が遊びに来てくれることが珍しくないのですが、彼らは必ず「アニメを見ていないから不安だったけど、楽しかった」と言って帰ります。

 1つにはフロアの熱気が普段のイベントと全く異なるということがありますが、より大きな理由は生まれてから一度も「アニメを見ていない」日本人なんていないからだと思います。音楽を音楽として楽しむジャンル(クラブミュージックは機能に特化している側面が強い)と、音楽にアニメ作品への思い入れや思い出を乗せて楽しむアニソン系DJは根本的な楽しみ方の種類が違います。語弊を恐れずに言えば、アニソンDJは“音楽が楽しめなくても楽しめる音楽イベント”です。

 『リアニメーション』はその中でもあえて音楽の楽しさを重視して、多ジャンルに渡るダンスミュージックを取り入れているDJフェスですが、そんな私たちの起源こそ、アニメファンのオフ会=音楽のない飲み会であり、たまたま集まった人たちが音楽好きだっただけの話でもあります。

 ただ、この楽しさというのはなかなか口で説明できません。一度、体験してもらう方が早い。専ら声優やアニソン歌手のライブ、大型のアニソンフェスに行く友達に「DJも楽しいよ!おいでよ!」と声をかけるとき、ハードルになるのは“入場料”です。安い方が参加しやすいのは当たり前。でも、例え500円でも、1000円でも、有料と無料の間には果てしなく高い壁があります。だから、現在の『リアニメーション』は“無料”開催を目指しています。

 ■楽しい場所を守り、広げよう!“チート技”を使ってでも!

 シーンを守り、広げられるかどうかは、どれだけ友達を誘って遊びに来てくれるか、興味を持った人が一歩踏み込んできてくれるか、それ次第です。

 「試しに1回行ってみようよ!無料だから!」

 これは、1人では参加しづらいなあ…と思っている誰かが、アニクラをもっと大勢で楽しみたい誰かが、今度自分のパーティーに同僚を連れてきたい誰かが、友達を誘うときの最強の殺し文句ではないでしょうか。ある意味では、“チート”ワードです。

 その一言のために、クラウドファンディングまでして、無料開催を目指すシーン最大のイベント(シーン最大のイベントだからこそ?)というのも、あってよいのではないかと思います。

 中小規模のシーンやイベントで、SNSで一番盛り上がりやすい話題の1つが「集客」です。水掛け論は尽きませんが、結局のところ、大勢集まると楽しいというのは1つの真理であるし、そのためには、できるだけ大勢の常連ができるだけ大勢の友達を誘えるかどうかであるし、誘いやすくなるきっかけをどう作るかではないかと思います。

 私にとってのそれは、こうやってシーンの外でものを書くことも、クラウドファンディングをして、無料のイベントを開催することもその1つの手段です。他にも色んな方法があると思いますので、シーンの中の人たちで試行錯誤していきたいですね。

 興味をもった方はぜひこちらをご覧ください。

 【CAMPFIRE】リアニメーション10-お台場2DAYS!無料の野外DJフェス開催プロジェクト!

 [リンク](http://camp-fire.jp/projects/view/21807

杉本 真之(ちへ)

「杉本 真之(ちへ)」イメージ画像都内を中心に活動するアニソン系DJイベントのプロデューサー兼オーガナイザー。2005年頃、アニソン系DJイベント(通称"アニクラ")の黎明期における"伝説的"イベントとなった「GEKKO NIGHT」を開催。2010年には、新宿歌舞伎町で超都市型野外DJイベント「Re:animation」を旗揚げ。繁華街の中心やターミナル駅の至近距離での野外レイヴ、クラウドファンディングによるイベント入場料無料化など、思いもよらないコンセプトがヒットした。7月10日には第4回開催以来となる歌舞伎町での帰還公演「Re:animation 9」を計画している。

  • リアニメーションの様子
今、あなたにオススメ
Recommended by