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【山田将史の鉄道コラム】「山田将史の出発進行!」第9回 さよなら特別快速・東京湾一周の旅

【山田将史の鉄道コラム】

「山田将史の出発進行!」第9回 さよなら特別快速・東京湾一周の旅

特別快速館山行きの行き先表示

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 3月4日、JRグループでは今年もダイヤ改正が行われました。北海道では今年も駅が廃止され、広島では廃線が一部復活し、各地でさまざまな変化が起こっています。そんな中、関東近郊でひっそりと消えていった列車がありました。最終日の3月3日、消えゆく列車の最期を追ってきました。

 ■東京8:02発総武快速・内房線特別快速館山行き

 東京駅、総武快速・横須賀線の地下ホーム。平日朝ラッシュのここにはE217系という総武快速・横須賀線でしか使われていない車両が多数行き交い、時折成田エクスプレスや銚子方面に向かう特急列車が姿を見せます。そんな中、発車案内には1本の不思議な列車が表示されます。8時2分発特別快速館山行き。東京駅の発車標では快速列車と特急列車が別々に案内されているのですが、なぜかこの「特別快速」は快速列車ではなく特急列車のところに表示されています。しかし、この列車に乗るには特急券は必要ありません。一体この列車はなんなのでしょうか。

 千葉から房総半島の先へ伸びる路線には、東京湾側を通る内房線と太平洋側を通る外房線の2つがあります。ともに安房鴨川駅を終点としており、この2路線が房総半島の外周を結んでいます。内房線、外房線ともに東京から特急列車が走っているのですが、東京湾を横断する高速道路、いわゆる「東京湾アクアライン」の開通によって鉄道は大きな打撃を受けます。特に内房線は壊滅的なほど利用者が激減しており、これまで内房線の特急「さざなみ」は本数の削減を重ねてきました。そしてついに、今から2年前の2015年3月のダイヤ改正で内房線君津~館山では、それまで1日に下り4本・上り3本あった特急列車が全廃されてしまいます。

 そして、特急列車廃止の穴を埋めるように、平日のみ1日1往復の運転で東京から館山までの快速列車が設定されます。それがこの「特別快速」で、館山行きは東京を朝出発し、上り列車は夕方に館山を発ちます。平日のみのこのようなダイヤ設定から、館山方面への出張のためのビジネス利用が想定されます。しかし、使い勝手が悪かったのでしょう。たった2年での廃止が決まってしまいます。実際、最終日に私が乗ったときも、ビジネスとおぼしき利用者は君津で降りた1人しか見かけませんでした。定年退職した行楽客の利用が圧倒的に多かったです。そんな事情から、この列車は発車標では「特急列車」側に表示されています。車両は快速列車と同じですが、停車駅が異なるため(快速列車がとまる新小岩、市川、稲毛にはとまらない)誤乗防止という意味もあるようです。

【続きを読む】

  • 東京駅の発車標では、特別快速は特急列車の欄に表示されている。
  • 最終日、終点館山に到着した特別快速。多くのファンが詰めかけた。
  • 横須賀線久里浜駅の先にある八幡第二踏切。手前側のレールがさびていることが分かる。レールのさびは列車が通っていない証。
  • 毎年恒例両国駅のひな人形。ホームへの階段をひな壇にして展示している。
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