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【高橋信之コラム】さらば鬼才よ! 韮沢靖遺稿画集、刊行に思う

【高橋信之コラム】

さらば鬼才よ! 韮沢靖遺稿画集、刊行に思う

特集:
高橋信之
『BLOOD of NIRA’S CREATURE』韮沢靖追悼画集【出版記念展示会】

『BLOOD of NIRA’S CREATURE』韮沢靖追悼画集【出版記念展示会】【拡大】

 人生なにが辛いって自分より若いヒトが亡くなることが、一番辛い。

 まして亡くなったヒトが数多くの作品を生み出し、さらにこれからの活動も楽しみなクリエーターだとしたら、あまりにも惜しい。

 怪人クリーチャーデザイナーとして長らく数多くのデザインを手掛けた韮沢靖(故人)の訃報を聞いたのは、去年の今頃だった。

 始めに思ったこと、それは不謹慎ながら韮沢氏に仕事を頼みそびれたことだった。

 そう、この鬼才とは、僕は二度も仕事を仕損じていたのだ。

 始まりは2001年頃、縁あって僕と韮沢氏は「インリン・オブ・ジョイトイ」のフィギュア化の仕事を請け負っていた。写真集の刊行に合わせて韮沢デザインで我が社(サイバーダイン)ブランドでアクションフィギュアを限定生産する計画で、写真集の版元とのコラボとなるはずだった。

 やがて韮沢デザインが仕上がり、別の原型工房作のワックス原型も出来上がったところで版元とのコラボが難しいと云われ、インリンの事務所がペンディングを伝えてきた。

 宙ぶらりんのまま、誰にもギャラが払われないパターンだ。とりあえず、我が社がデザイン費と原型費を立て替えて支払い再開を待ったが、結局、インリンの事務所とは話が立ち消えになった。

 そのドタバタの最中、別の企画を振ってみたら、韮沢氏の目が輝いた。

それは『仮面ライダー』のサイクロン号外伝の企画で、本郷猛が乗ってショッカー基地から逃げたサイクロン号は未完成プロトタイプで、本物はライダーと対になって戦闘力を発揮するサイボーグバイクだったというもの。

 その頭脳はスーパーモデルから取り出されていて、彼女は対となるはずだった本郷猛を抹殺すればもとの身体に戻して貰えると言われ、本郷猛抹殺の刺客になるという外伝。

 女性のセクシーなフォルムをもつバイオメカは韮沢デザインがピッタリだと思った。

 「うわー! それ描きたいっすねー」と僕の話に乗っている瞳は、まさに少年そのもの。

 「うん、今度、石森プロと東映さんにプレゼンして二次創作の許可貰うから、ちょっと待ってて」と返した僕だったが、その約束は果たせなかった。

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  • 『BLOOD of NIRA’S CREATURE』韮沢靖追悼画集
  • 第1部 司会は雨宮慶太監督
  • 数多くの韮沢デザインを立体化した竹谷(シン・ゴジラ』隆之が語る。
  • 最近はライブドローイングでも活躍する寺田克也も熱く語る。左から雨宮慶太、寺田克也、ヒロモト森一、内藤泰弘、竹谷隆之、桂正和。
  • 演者打上げは、かって韮沢靖の工房があったあたり。
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