2017.1.14 20:52

【畑史進コラム】あぁ素晴らしきかなTVゲーム(突発番外編)『ニンテンドースイッチ』プレゼンテーション終了! 据え置き型ゲーム機の未来は如何に?

【畑史進コラム】

あぁ素晴らしきかなTVゲーム(突発番外編)『ニンテンドースイッチ』プレゼンテーション終了! 据え置き型ゲーム機の未来は如何に?

特集:
畑史進
ニンテンドースイッチ

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 1月13日13時より東京ビッグサイトにて任天堂が最新据え置き型ゲーム機『ニンテンドースイッチ(以下スイッチ)』の詳細な発表会「Nintendo Switch プレゼンテーション 2017」が行われ、発表された本体に関する内容は次の通りだった。

 ・本体発売日 2017年3月3日(全世界同時発売)

 ・希望小売価格 希望小売価格は2万9980円(税別、税込みだと3万2378円か?)

 ・オンラインサービスは発売から2017年秋まで無料

 ・リージョンロックは原則としてゲームソフトには無し。

 ・同梱されるものは、本体、コントローラー、ストラップ2個、コントローラーグリップ、本体ドック、ACアダプタ

 ・バッテリー駆動時間はゲームタイトルにより2.5時間~6.5時間だが、USB給電が可能

 ・本体の画面は静電容量式タッチパネル

 ・ホームボタンにはアミーボへのデータの読み込み・書き込みを行うNFCが搭載

 ・シェアボタンも搭載され、ゲームの画像はSNSで共有可能に、将来的には動画撮影にも対応

 ・右のコントローラーには距離や物の形を図る「モーションIRカメラ」を搭載

 ・繊細な振動を起こす「HD振動」を搭載

 ・分離した左右のコントローラーにはそれぞれ、LRボタンが搭載。

 といった内容だったが、ニンテンドースイッチの最大の魅力は本体がドックに接続されて従来通りにTV画面で遊ぶ「TVモード」、本体に収納されているスタンドを立てて遊ぶ「テーブルモード」そして、コントローラーを本体に接続して「WiiUゲームパッド」のように遊ぶ「携帯モード」の3パターンで遊ぶことができ、生活スタイルやその場の状況に合わせてゲームを遊ぶことができるところだろう。

 据え置き型ゲーム機を持ち運べるようになっただけという見かたもできるが、これはそんなに簡単にまとまることではない。これまで携帯ゲーム機は外に持ち運んで遊ぶ際には、操作している本人しか画面を見ることができず、携帯ゲーム機1台で多人数プレイをする際には本体を受け渡すという動作を挟んでプレイしていた。当然他人のプレイは見ることができない。また多人数プレイをする際はTV画面が必要であるという概念を崩して、持ち込んでその本体の画面だけで遊べるということも画期的だ。

 次に注目するべきポイントは「ジョイコン」と呼ばれるスイッチ独自のコントローラーだが、以前話したときにあまり気にしなかった部分だったが、1つのゲーム機のセット内に2つのコントローラーが一応入っているという点だ。ニンテンドー64以来コントローラーを1つしか入れてこなかったスタイルを崩し、コントローラーが小さくなれど、分割することによってゲーム機の購入だけで最大2人まで遊べるという点は大いに評価しなくてはならない。また前回「コントローラーの分離は、ボタンの数が減っているのではないか?」と不安視したのだが、これも分離後のコントローラーにLRボタンが設置されているのを今回確認できたので、杞憂(きゆう)終わり一安心した。これでサードメーカーも積極的にソフト開発に乗り出すことができるので、ソフトの充実化に大きな期待ができる。

 さらに良いポイントが「リージョンロック」が原則、設けられていないという点だ。この発表が何を意味するのかというと、以前「未翻訳のゲームを遊ぼう!」という回で現状任天堂のゲーム機では、海外のゲームタイトルは「リージョンロック」がかけられていて遊べないと話したが、これがかけられていないと公で発表したのは、ゲーマーに向けて「その国でしか発売しなかった任天堂オンリーのゲームタイトルが遊べますよ」という告知に他ならず、ファミリーだけではなくより多くのゲームユーザーを視野に入れているという何よりの証拠である。

 またこのほかの「モーションIRカメラ」に関しては現状どの程度の性能か、計り知ることができないので何とも言えないが、Kinectに近い性能を持った機械をここまで小さくすることに成功しているという驚きがあり、「HD振動」はどれほどのものなのか想像がつかないので期待も不安もできないというのが率直な感想だ。ただしHD振動はどこかの変態的なクリエイターがきっと新しい仕掛けを考えてくれると信じている(バイブ的な何か)。

 「静電容量式タッチパネル」とはなんぞやという人に向けて簡単に説明すると。従来のDS、3DS、WiiUゲームパッドに採用された「タッチパネル」は「加圧式」つまり押している強さで認識していたもので、今回の「静電容量式」はスマートフォンなどに採用されているタッチパネルと同じなのだ。

 この採用がどういう効果をもたらすのかというと、これはあくまで仮設だが、任天堂がこれからスマートフォン向けにゲームタイトルを開発していることを考えると、同じタイトルをスマートフォンのみならず、この「スイッチ」にリリースする可能性が出てきたといえるのだ(つまり『スーパーマリオラン』がでる!?)。またこれは同時にスマートフォンで発売されているタイトルを「スイッチ」に移植する可能性があるということで、基本プレイ無料のゲームの拡充でゲーマーの裾野を広げることにも繋がると考えられるのだ。

 アミーボの対応は当然だとしか言えない。3DSやWiiUの一部のゲームのみにしか使えなかった一体1200円程度するフィギュアを新ハードで採用しなかったらそれこそ日本の購入者からすればブーイングものだろう。ちなみに海外ではアミーボは広く受け入れられているので、別の味方をすればこの採用は日本向けというより、海外向けの意味合いのほうが強い。

 「シェアボタン(仮)」は時代がそうさせたとしか言えないが、一番の驚きは今回の任天堂ハードには「十字キー」が搭載されていないことに気がついた人はいるだろうか?実際には「携帯モード」で音のボリュームを調整するボタンとして「十字のボタン」が設置されているが(おそらく)、あくまでメインのボタンとしての「十字キー」が搭載されていないことに大変なショックを受けたのだ。ファミコン以来全ての任天堂ハードに当たり前のようにあったボタンがついにお役御免となってしまったのは、分離という未知に進んだゆえの結果であるが、20年以上ゲームを遊んできた身としては心にくるものがある。

 ■「ゲーム機」としては面白いが・・・

 とまぁここまで「スイッチ」の“本体”に対して思ったことを上げたのだが、これが日本でどう受け入れられるのかと訊かれれば、率直に答えると「駄目でしょう」とはっきりいう。こう言うとまるで「スイッチ」をただコケにしていると思われてはしゃくなので、あくまで僕個人の心の中では「ゲーム機としてはもったいないほど有り余る機能を有し、かつゲーマーに訴えかけたゲーム機なので今後のソフトに期待している」と思っているとはっきりさせておく(楽しみなんですよ!)。しかしこれが全体の意見として向けるとなると確実に違ってくる。「スイッチ」発表時のPVから見ても思ったことだが、「子ども」が楽しそうに遊んでいる映像が映っていないという所が気になったのだ。

 これまでファミリー向けに市場を展開してきた任天堂が、大人ばかりを映すPVをはじめ、今回発表のタイトルや、任天堂が主にターゲットにしてきたゲームとは真反対のゲームを専門にしている、SEGAの名越氏やグラスホッパー・マニファクチュアの須田氏が登壇して挨拶や現状を話す様子もおかしいと思ったのだ。

 そうなってくると、今回のマリオの新作PVがコンクリートジャングルの都会から始まったことや「ゼノブレイド2」や「スカイリム」等のティーンエージャー向けにソフト紹介をしていることにも、違和感が確信に変わってくるのも自然なことのように思えてきたのだ。

 ただ本当に今回の「マリオ」はステージの絵柄が新鮮でかつ、実写映画をほうふつさせてくれたので楽しみにしている!(クッパがスーツ着ていたけどデニス・ホッパーのクッパに見えたわ)。

 またオンラインサービスの有料化も大いに支持をしたいが、やはり日本のファミリーという従来のターゲットに狙いを定めていないように思えるのだ。

 また任天堂が絶対にやるべきサービスとして、ソニーがかつて行った「UMDパスポート」のようにWiiUのゲームソフトを少額で「スイッチ」に対応させることだろう。これは僕個人の訴えだけではないはずで、これを行わないと日本の市場で任天堂に逆風が吹くのではないかと心配しているのだ。たった4年しかソフトの供給をおこなわず、早期に「スイッチ」に業務を移行するという姿勢は「WiiU」が任天堂として大失敗でしたという証明に他ならず、日本のファミリー層を顧客として迎え入れるには避けては通れない問題のはずだ。

 以上が『ニンテンドースイッチ』に関する本日の発表を受けての僕個人のファーストインプレッション、第一印象だった。このゲーム機は紛うことなく、任天堂の新型据え置きゲーム機で、まだまだ据え置き市場を撤退しないという明確な意志が見えたので一安心した。僕個人非常に最新作の「マリオ」をはじめ楽しみにしているゲーム機なので、発売日が待ち遠しくてたまらない。まだまだゲーム機に対する情熱を失っていないという再確認にもなったので良い一日だったとも言える。

 最後に・・・実は任天堂の携帯ゲーム機の最新ハードって2DSだったんじゃないの?だったら3DSシリーズは後3年戦わせるのでは?

畑 史進

「畑 史進」イメージ画像フリーランス声優・ナレーター フリーランスライター。日々、ゲームネタを漁りながらニコ生放送にも出演。スター・ウォーズ解説員、TVゲーム解説員としても活動中。

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