Olympic NEWS 98/02/15
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【スピードスケート】岡崎、500mの日本初メダル手に

朋美“銅スマイル”!世界を魅了

岡崎朋美 トモミのブロンズスマイルが、日本を、世界を魅了した。スピードスケート女子500mの2回目が行われ、1回目3位の岡崎朋美(26)=富士急=は、前日に自身が出した日本記録と並ぶ38秒55をマーク。合計1分17秒10で、銅メダルを獲得した。日本の同種目でのメダル獲得は初めて。岡崎と第18組で同走した島崎京子(26)=三協精機=は、38秒93の1分17秒93で5位に入賞した。

 もう、泣かない。栄光のゴールを駆け抜けた岡崎は、心の底から笑った。手を振って、日の丸を大きく振って、観客席に笑顔を向けた。

 「辛いことがたくさんあったから、喜びが人一倍、大きくなるんですね。本当に嬉しいです」

 力強かった。一世一代の晴れ舞台で、これ以上ない滑りを見せた。得意の弾丸スタート。決まった。100mのラップは10秒43。同走の島崎を0秒07上回った。イケる―。

 7月だった。遠征先のカナダ・カルガリーで、本当の気持ちを吐露したことがある。
 「嫌な噂、陰口。誰を信じていいか、今でもわからない…」
 釧路星園高時代は、全くの無名選手だった。ただ、スケートが好きで滑っていた。長田照正・全日本コーチ(富士急監督)にスカウトされて富士急に入社した直後は、橋本聖子(現参議院議員)の練習パートナー。偉大な先輩の後ろを、ひたすら滑るだけだった。初めて代表入りした世界スプリントでも、土壇場になって出場枠を聖子に譲ることになり、唇をかんだ。

 それが、聖子の引退で一躍、名門・富士急のNO・1に押し上げられた。96年3月、カルガリーで500m38秒92の日本記録(当時)を樹立。名実ともに日本のトップ選手となった。すると今度は…。

 出る杭は打たれる。根も葉もない噂、陰口、中傷…。耐えられない“痛み”だった。
 「こんな気持ち、島ちゃん(島崎京子)にしかわからないかも…」
 この日、奇しくも同じ組で滑った同期の島崎。プライベートで遊ぶことはないが、心のどこかでつながっている。互いに認めあってもいる。支えになったことも多々あった。

 「今日はバックストレートで島崎さんを追った。何が何だかわからないうちにゴールしていた」

 大歓声が、自分に送られる。日の丸が揺れる。母の顔が見えた。笑った。つらいこと、切なさを全て、笑い飛ばしてきた。そうやって、自分を守ってきた。

 ゆっくりゆっくり、栄光への道のりを、休まず歩き続けてきた。栄光の輝きの中で、ようやく全ての苦しみから解放された。笑った。清々しい笑顔だった。


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