2008年05月08日 更新

3の3で全打席出塁!松井秀がメジャー自己新15戦連続安打

昨年手術した右ひざも問題なし。四回、松井秀はジアンビの左翼線二塁打で、一塁から一気に生還=撮影・小倉元司

昨年手術した右ひざも問題なし。四回、松井秀はジアンビの左翼線二塁打で、一塁から一気に生還=撮影・小倉元司

 【ニューヨーク6日(日本時間7日)】ヤンキースの松井秀喜外野手(33)がインディアンス戦に「4番・DH」で先発出場し、今季2度目となる1試合3安打をマーク。同一シーズンの大リーグ自己記録となる15試合連続安打とした。打率.342はア・リーグ2位、出塁率.430は同1位に立った。チームは3−5で逆転負けを喫したが、結果だけでなく内容を追求するゴジラの勢いは止まらない。

 夕日の明るさが残るヤンキースタジアムの中前に、松井秀の打球が抜けていった。“ヒット”と“ヒデキ”をかけた「HIT−DEKI」の黄色い文字が電光掲示板に躍る。一回一死一、二塁から15試合連続安打。大リーグ自己記録をあっさりと塗り替えてみせた。

 「3本ともしっかり振れていました。芯でとらえていたし、いいバッティングだったと思います。(連続試合安打が)続くといいですね」

 数字を見れば確かに好調だ。3安打1四球と全打席出塁し、出塁率はリーグトップの.430まで上昇。打率.342はインディアンスのビクトル・マルティネス捕手(29)に5厘差の2位。この調子なら、05−06年をまたいだ16試合連続安打や、巨人時代の18試合連続安打を更新するのは簡単?

 しかし、松井秀の中では、結果とは裏腹に内容に不満を感じている。14試合連続安打をマークし、自身初の月間MVPを獲得した昨年7月の状態と比べると雲泥の差というのだ。では、絶好調時とどこが違うのか?

 「今年は凡退の仕方が良くないのです。フォームを崩されることが多い。すなわち自分のスイングで打てていない時が多いのです。そこが昨年との差。あのときのような“はまった感覚”がいまだにないのです」

 3割の成功よりも7割の失敗に納得がいかない。昨年7月は14試合で6本塁打をマークしたが、今年は15試合で本塁打は1本だけ。結果的に安打は続いているが、技術やフォームの確固たる裏付けがない。より高いレベルを目指す松井秀だからこそ、表情も今ひとつさえない。

 「負けたら…。負けは負けですよ。活躍しようがしまいが…」

 チームは逆転負けで、5割へ逆戻りし、ア・リーグ東地区では首位レッドソックスと4.5ゲーム差の3位。主軸打者としては安打の数だけでなく質も大切。チーム、そして自らの苦悩を吹き飛ばす価値ある一撃を求めていく。

★ゴジラに聞く

 ――中、右、左と安打を打ち分けて15試合連続安打とした

 「3本ともしっかり振れていました。芯でとらえていたし、いいバッティングだったと思います。内容も全体的にいい。球も見えている。(連続試合安打が)続くといいですね」

 ――四回の四球は粘った末に勝ち取った

 「2−1からファウルを打ちながら粘れた。いい内容の四球だったと思います」

 ――全4打席出塁もチームは敗れた

 「負けたら…。負けは負けですよ。活躍しようがしまいが…」

■連続試合安打アラカルト

 ◆メジャー記録 J・ディマジオ(ヤンキース)が1941年5月15日−7月16日に記録した「56試合連続」
 ◆メジャー日本選手 イチロー(マリナーズ)が2007年5月7日−6月1日に記録した「25試合連続」が最長。次いで同年6月1−26日の田口壮(当時カージナルス、現フィリーズ)の「18試合連続」
 ◆松井秀は 巨人時代の1996年6月15日−7月10日の「18試合連続」が最長。メジャーでは2005年9月26日−10月2日(7試合)と06年4月3−13日(9試合)の「16試合連続」が最長。単年の「15試合連続」は昨年の14試合連続を上回る自己新
 ◆日本記録 高橋慶彦(広島)が79年6月6日−7月31日に記録した「33試合連続」

■GODZILLA in USA

 試合後、松井秀は急いでニューヨークのマンハッタンにある寿司屋に向かいインディアンスの小林雅英投手(33)と“1974年会”を行った。午前0時過ぎから始まった宴は2時間近くも盛り上がった。
 2人は74年生まれの同級生。日本ではほとんど面識がなかったが、4月のヤンキースのクリーブランド遠征を機に親しくなった。今回はニューヨークに住む松井秀が小林を招待した。「来年、クリーブランドに行ったときは、どこへ連れて行ってくれるかな」。松井秀は早くも1年後を楽しみにしていた。