2008年04月22日 更新

ロイヤルズ戦力外の野茂は引退濃厚…GM補佐「マイナー契約しない」

 【オークランド(米カリフォルニア州)20日(日本時間21日)】 ロイヤルズは20日(日本時間21日)、野茂英雄投手(39)=写真上=に戦力外通告したと発表した。ロ軍には再契約する考えはなく退団が確定。現状では獲得の意思を示す米他球団、日本球団はなく、このまま現役引退となる可能性が高いが、あくまで現役続行にこだわるのか、パイオニアの決断は?

 野茂が使っていたロッカーには、入れ替わりでマイナーから昇格したルーク・ホチェーバー投手(24)のユニホームが掛けられていた。

 昨季まで日本ハムを率いたトレイ・ヒルマン監督(45)は「(野茂は)静かに聞いていた。(今後の去就については)尋ねなかった」と語った。球速は85マイル(約137キロ)程度で、宝刀フォークボールも切れを欠く。3試合で計4回1/3を投げ、3本塁打を含む10安打9失点、防御率18.69では敗戦処理要員としても居場所はない。同監督は「球速が戻らなかった」と決断の背景を厳しい顔で口にした。

 ディーン・テイラーGM補佐(57)が「マイナー契約はしない」と明言。これで、ロ軍のマイナーから再びメジャーを目指すという選択肢は消え、「トレードがダメなら自由契約ということになる」(同GM補佐)と退団が決定した。

 昨オフ、ロ軍からしかオファーがなかった野茂に、他球団から声がかかる可能性は低く、トレードについても「話はない」(同GM補佐)という。球団のホームページや地元メディアは「野茂の長い(野球の)経歴は終わりになるだろう」としている。

 野茂は常々「メジャーでやることしか頭にない」と日本球界復帰を否定している上、現状では獲得に手を挙げる日本球団はない。引退か、それでもあくまで現役続行にこだわるのか。野茂の決断が注目される。

★日本での優先交渉権保有

 オリックス・中村勝広球団本部長(58)=同下=が21日、野茂について獲得に消極的な姿勢を示した。「現時点で興味はない。あれだけ(実績ある)の選手だし、日本ではやらないんじゃないかな」。当時近鉄の野茂が94年オフにメジャー移籍した際、自由契約とはせずに、任意引退扱いとして近鉄が保有権を得た。球団合併したオリックスに日本球界復帰の際の優先交渉権がある。仮に日本の他球団入団を目指す場合は、オリックスが自由契約手続きを踏まないといけないが、日本復帰の可能性は低い。

★薮田ショック…

 春季キャンプから野茂と過ごしてきた薮田安彦(34)は「昨晩、一緒に食事にいって(戦力外を)知らされました。『がんばれ』と言われました」と話した。クラブハウスではロッカーの位置も近く、メジャー1年目の薮田にとっては、学ぶことが多い2カ月だった。薮田は「右も左も分からない中で、すごい大きな存在でした」と、しみじみと振り返った。

◆ソフトバンク・王監督

「向こう(米国)でずっとやってたもんな。直球のキレがなくなっているんだろう。こっち(日本)でプレーする気があるのかな」

■野茂の選択肢

現時点では、トレード、ウェーバー公示と、他チーム移籍の道は残されているが自由契約が濃厚。現役続行を望むならメジャー、マイナー問わず、他チームと契約することができるが、それがかなわなかった場合、独立リーグ、メキシコリーグなどでプレーしつつ、復帰の機会を待つという選択肢もある。夏場になると、どのチームも故障者が出たりして経験のある投手を求めるのでチャンスとなる。そこを逃すと、10月のトライアウト(入団テスト)を受けるということになる。