2008年04月02日 更新
背番号「1」にシカゴ総立ち!福留、衝撃の開幕デビュー弾!


早くもカーテンコール。同点のメジャー1号3ランを放った(写真左)福留は地元ファンの声援に応えた(共同)
【シカゴ(米イリノイ州)3月31日(日本時間4月1日)】衝撃デビューだ。カブスの福留孝介外野手(30)がブルワーズとの開幕戦に「5番・右翼」で出場。二回の初打席で初安打となる中越え二塁打を放ち、九回には初アーチとなる同点3ランを中堅右へ運んだ。バットを振った3度がすべて安打になった3打数3安打3打点に1四球。三塁打が出ればサイクル安打だった。試合は3−4で敗れたが「フクドメコール」を早くも本拠地に定着させた。
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弾丸ライナーが中堅右へ伸びていった。メジャー1号3ラン。球場が揺れるほどの「フ・ク・ド・メ!!」コールの中、淡々とダイヤモンドを駆け抜けた背番号「1」は、ベンチに戻るとカーテンコールに右腕を高々とあげて応えた。
「厳しい(目を持った)ファンだと聞いていた。声援を受けたことは非常にうれしかった」
日本人選手のデビュー戦本塁打は3人目だが、ただの一発ではない。03年に55セーブでサイ・ヤング(最優秀投手)賞を獲得したブ軍の抑え、エリク・ガニエ投手(32)からの同点3ランだ。九回無死一、二塁。カウント1−3からの5球目、91マイル(約147キロ)の速球を完ぺきなタイミングでたたいた。
雨で試合開始が41分遅れ、三回途中にも49分間の中断。気温は4度。そんな悪条件の中、本拠地に詰めかけた4万1089人のファンに、4年総額4800万ドル(当時のレートで約53億円)で入団した黄金ルーキーの実力をみせつけた。
「打順が5番で球筋をベンチでみる時間があった。ビデオではわからない部分も(実際に)見てタイミングがとれた」
第1打席は昨季12勝5敗のエース、ベン・シーツ投手(29)からメジャー初安打となる中越え二塁打。第3打席も中前打。バットを振った3スイングはすべて安打だった。
簡単にたどり着いたわけではない。キャンプ地アリゾナではバットを9本折った。通常920グラムのバットが、独特の乾燥した気候で10グラム以上軽くなっていた。それがバットの折れる原因のひとつ、オープン戦の打率.270という不調の原因でもあった。
この日は日本から直送してもらったバットを使用した。試合前、1本ずつ梱包(こんぽう)されたビニールをはがした。「922グラム」。測ってみると予想はドンピシャリ。いつもの重さが“いつもの福留”に戻した。
「この活躍が一日で終わらないよう頑張る」
目指すは100年ぶりの世界一。衝撃のメジャーデビューにも浮かれるつもりはない。
■福留 孝介(ふくどめ・こうすけ)
1977(昭和52)年4月26日、鹿児島県生まれ、30歳。PL学園高では3度甲子園に出場。95年のドラフトで近鉄入団を拒否し、日本生命へ。99年ドラフト1位で中日入団。1年目からレギュラーとして出場し、首位打者2度、最高出塁率3度獲得。2006年にはMVPに輝いた。昨オフにFAでカブス入団。日本通算成績は1074試合に出場、打率.305、192本塁打、647打点。1メートル82、85キロ。右投げ左打ち。既婚。背番号1。
★福留TALK
――1号3ランを振り返って
「3点を追う展開でカウントも有利だったので引っ張れる球を待った。ただ、僕の本塁打で同点になってもチームが勝たなければ意味がない」
――打席ではイメージ通りのタイミングで打てたか
「打順が5番で(球筋を)ベンチでみている時間があった。(相手投手の)ビデオではわからない部分も(実際に)見てタイミングがとれた」
――3スイングすべてが安打になった
「いい状態で打席には入れていた」
――キャンプとは違う打撃になったか
「開幕なので気持ちが入った」
――雨天中断があったが
「朝(自宅を)出たときからそういうつもりで心の準備をしていた」
――カブスのファンが温かく迎えてくれた
「厳しい(目を持った)ファンだと聞いていたので、声援は非常にうれしかった」
――いきなり結果が出て自信になったか
「一年間やらないと分からない。きょうはきょうで終わり。これが一日や1回で終わらないように続けたい」
■データBOX
カブス・福留のメジャーデビュー戦は3打数3安打1四球だった。
〔1〕第1打席は二塁打。日本人選手の初打席初安打は05年のドジャース・中村紀洋以来5人目。
〔2〕第4打席で中越え本塁打。デビュー戦アーチは04年のメッツ・松井稼頭央(第1打席)、06年のマリナーズ・城島健司(第2打席)に次いで3人目。
〔3〕デビュー戦(先発)での猛打賞(1試合3安打以上)、3打点、全打席出塁はいずれも04年の松井稼に次いで2人目。また、この日はパドレス・井口も3安打。開幕戦で複数の日本人選手が猛打賞を記録したのは初めて。
◆カ軍の4番、アラミス・ラミレス内野手(29)
「(福留は)球をよく選んで、強くたたけている。日本で活躍していても、違う環境で結果を残すのは大変なことだと思う」
【参りました】
◆福留についてブルワーズのネド・ヨースト監督(52)
「キャンプで対戦した福留とは別人だった。対策を立てたがうまくいかなかった」
◆福留に中越え二塁打を含む2安打1四球のブルワーズ、ベン・シーツ投手(29)
「これだけ打たれたのだから、なにか攻略法を考えないといけない」
■裏話
★TV電話の愛息にデレデレ
日本で応援してくれた家族が心の支えとなった。福留は春季キャンプ中、夫人の和枝さんと毎日のようにインターネットのテレビ電話で会話。昨年12月に生まれたばかりの颯一(はやと)くんの成長ぶりを、オンタイムで伝えてもらった。 「赤ちゃんは本当にかわいいです」とデレデレ。開幕戦の爆発は、そんな家族の“アシスト”も大きな要因だった。

★「さあ、起こるぞ」を誤訳!?
リグリー・フィールドのスタンドに「FUKUDOME」の横断幕が広がるなど、ファンも懸命の声援。しかし、おかしなボードも出現した=写真(AP)。「It’s Gonna Happen(さあ、起こるぞ)」という、米国ではよく使われるフレーズが書かれた裏側に「偶然だぞ」の日本語。福留が安打を放つ度にこれが振られた。シカゴ・トリビューン紙(電子版)は、これが誤訳であると指摘した上で「福留の活躍は偶然じゃない」。
(共同)
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◆カ軍のルー・ピネラ監督(64)
「なんというスタートなんだ。(寒さや雨など)厳しい条件下でヒットを打つことさえ簡単ではないのに…。(オープン戦のように)苦しまず、これだけ打っても驚くことはない」