2006/10/27(金) MLBポストシーズン ワールドシリーズ第5戦
| ▼カージナルス−タイガース (カージナルス4勝1敗、ブッシュ・スタジアム、19:27 日本時間:28日 09:27) | ||||||||||
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| デトロイト・タイガース | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 |
| セントルイス・カージナルス | 0 | 1 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | X | 4 |
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田口壮 8番レフト先発出場 [成績] | ||||||
| 打数 | 得点 | 安打 | 打点 | 四球 | 三振 | 打率 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 3 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | .182 | |
| 打席別結果 | ||||
| 打席 | 回 | 状況 | 投手 | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| 第1打席 | 2回裏 | 無死一塁 | バーランダー(右) | 三前犠打 |
| 第2打席 | 4回裏 | 一死一塁 | バーランダー(右) | 中前打(得点1) |
| 第3打席 | 6回裏 | 一死一塁 | バーランダー(右) | 遊ゴロ |
| 第4打席 | 8回裏 | 一死走者なし | ズマヤ(右) | 空振り三振 |
| 7回表よりライトへ守備変更 | ||||
ワールドシリーズ優勝を決め、ガッツポーズで喜ぶカージナルスの田口=ブッシュ・スタジアム(共同)
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【投手】
(タ)バーランダー、ロドニー、ズマヤ−ロドリゲス
(カ)ウィーバー、ウェインライト−モリーナ
【責任投手】
(勝)ウィーバー1勝1敗
(S)ウェインライト1S
(敗)バーランダー2敗
【本塁打】
(タ)ケーシー2号2ラン
(カ)
【戦評】
カージナルスが4―2で勝った。
二回、田口の犠打、エクスタインの内野安打などで1点を先制。逆転された直後の四回にはモリーナ、田口の連続安打と悪送球などで2点を奪い3―2と逆転。七回は内野安打と四球のあとローレンが右前打して1点を加えた。
「8番・左翼」で今シリーズ3度目先発の田口は、3打数1安打。犠打、中前打、遊ゴロ、空振り三振。
タイガースは、四回にケーシーの2点本塁打で逆転したものの、この日も守備が乱れ、第3―5戦と3連敗した。
ワールドシリーズで優勝を決め、笑顔で息子を抱き上げるカージナルスの田口=ブッシュ・スタジアム(共同)
★田口、師との約束果たす
試合後にグラウンドで行われた優勝セレモニー。2歳になる長男の寛君を肩ぐるました田口は、いつまでも鳴りやまない拍手と無数に光るフラッシュに包まれた。「これからの野球に自信が持てると思う」
2本の本塁打をはじめポストシーズンは打率4割と印象的な活躍が目立った。だが、ワールドシリーズでこそ3度、先発に起用されたが、7月以降はダンカンら若手の先発起用が増え、控えに回ることが多くなった。
気持ちが折れそうになった時期もある。それがシーズン後半に入ったある日、気が付いた。「守備固めやバントでも感謝してくれるファンがいる。自分を信用してくれる監督がいる」。控えであることを恥じていた自分と真摯(しんし)に向き合い、一歩前進した。
昨年12月。師と慕う仰木彬元オリックス監督が亡くなる1週間ほど前、見舞いに行った。そのときに2004年のリーグ優勝のチャンピオンリングを見せると「次はもう1つ上を」と言われたという。「ようやく取りました」。最後の約束を果たした。(共同)
ワールドシリーズを制覇、祝勝会でシャンパンを浴びるカージナルスの田口=ブッシュ・スタジアム(共同)
★田口、家族と喜び分かち合う
試合後のセレモニーでは、恵美子夫人と長男の寛君、西宮市から駆けつけた田口の両親もグラウンドに出て、喜びを分かち合った。
恵美子さんは「チームの勝ち負けに1番こだわる人なので、あんなに突き抜けた表情は初めてみました」と感慨深げ。寛君は風邪気味のためにテレビ観戦も考えていたというが、恵美子さんは「2歳なりに今夜のことを覚えていてくれれば。あしたからは倒れてもいいんで」と笑顔だった。(共同)
ワールドシリーズで優勝、先発投手ウィーバー(左)と抱き合って喜ぶカージナルスの田口=ブッシュ・スタジアム(共同)
★田口、好条件より思い貫く−「名将の下でプレーしたい」
雨上がりの夜空に紙吹雪が舞う。プロ野球選手となって15年、大リーグに来て5年。あこがれ続けた舞台で、田口は喜びに包まれた。
「お金のことだけを考えたら、正反対の選択ばかりしてきた」。そう言って笑ったことがある。日本に残っていれば、すべてが保証されていた。移籍先を選ぶときにも、ヤンキースはカージナルスよりも好条件を示していた。
それでも「ラルーサ監督の下でプレーしたい。野球のことをもっと勉強したい」。ずっと抱いてきた自分の思いを優先して選んだ。
カージナルスでの1年目はほとんど大リーグでプレーできず、2年目は開幕直前にマイナー行きを通告された。精神的につらいときもあった。その時に恵美子夫人と約束をした。「絶対に弱音は口にしない」。必死に2人で前を向いた。
4年前の夏、3Aの試合で、右狙いの打撃をしていた姿が印象に残る。メジャー昇格のため自分の成績を優先させがちな環境の中で、チームプレーに徹していた。「それで損をしても、変えたくない。それが自分のスタイル」
確かに遠回りの連続だった。それでも貫き続けた思いは今、ワールドシリーズ優勝という形で結実した。(共同)
タイガース戦の4回、中前打を放つカージナルスの田口=ブッシュ・スタジアム(共同)
★田口、巧者ぶり発揮!得点に絡む
モリーナがウイニングボールを捕ると、マウンド後方に駆け寄った選手たちの大きな輪ができた。田口も、右翼からはじける笑顔で加わる。カージナルスが24年ぶりのワールドシリーズ制覇を本拠地で成し遂げた。
負ければ終わりとの思いからか、浮足立つタイガースとは対照的に、落ち着いた攻めで得点を重ねた。まずは二回無死一塁。田口が初球、冷静に犠打を決め、二死後エクスタインの適時内野安打で先制した。
1点を追う四回はモリーナ、田口の連打で一死一、二塁の好機を演出。ここで相手投手がバント処理を焦って三塁悪送球し、同点に追いつく。さらにエクスタインの内野ゴロで、田口が勝ち越しのホームを踏んだ。この日は3−5番が2安打とマークされたが、下位打線が要所で得点に絡んだ。
レギュラーシーズン83勝は、今回のプレーオフ進出チーム中最少。だが、短期決戦になると試合巧者ぶりを発揮し、頂点まで駆け上がった。
4連敗した前回ワールドシリーズ出場から2年を経て、たくましさを増したカージナルス。本拠地で歓喜するナインに、球場を赤く染めたファンから終わることのない祝福が降り注いだ。(共同)
ワールドシリーズ優勝を決め、投手ウェインライト(50)に駆け寄るカージナルスナイン=ブッシュ・スタジアム(AP)
★全員役割果たしたカ軍−すき見逃さず畳み掛けた
ミスを重ねたタイガースに対し、小さなすきも逃さず、畳み掛けたカージナルス。全員が役割を果たしての、ワールドシリーズ制覇だった。
ラルーサ監督が推進したのは全員野球。この日は七回の攻撃が象徴的だった。追加点がほしい場面で、5番ローレンは右前適時打した。左方向への豪快な長打が持ち味の右打者でも、状況によってはこだわりを捨てる。指揮官の求める野球が、浸透している証しだった。
大リーグ屈指の強打者プホルスを擁しながら、スター選手だけに頼らず、堅守の田口ら脇役陣も要所で起用。序盤の先制と中盤の逆転は、田口ら下位打線の奮起もあって、もたらされた。MVPのエクスタインは「このチームは、全員が勝利のために、役に立とうとする。その姿勢がすごい」。エンゼルス在籍時にも頂点の味を知る遊撃手は、そう評して胸を張った。
故障者が続出したレギュラーシーズンは83勝。過去の優勝チーム中最少の勝ち星だが、プレーオフでは本来の勝負強さが存分に発揮された。プホルスは言う。「2年前のシリーズ4連敗は、もう過去のことだ」
名将が就任した1996年以降、7度の地区優勝に2度のリーグ優勝を果たしているカージナルスにとっては、悲願の王座獲得だった。(共同)
★ラルーサ、監督では2人目の快挙
ラルーサ監督は1989年にアスレチックスを優勝に導いている。レッズとタイガースで優勝したスパーキー・アンダーソン氏に続き、ア、ナ両リーグからワールドシリーズを制覇した2人目の監督となった。
ラルーサ監督は「試合中にも、最高の結果を望みつつ、最悪のシナリオも考えていた」。3連勝で、本拠地優勝を果たし、感無量の様子だった。(共同)


