高級車がズラリと並ぶパイレーツの本拠地・PNCパーク(米ペンシルベニア州)の選手駐車場。取材で訪れた際、異彩を放つ黒い日本車が目にとまった。
日産のスカイラインGT−R(R32型)。あの“スカG”だった。
車の持ち主はパ軍のエース格、イアン・スネル投手(27)。周囲にちょっかいを出しまくるいたずら好きな男は、スカGフリークだった。
「この車じゃなきゃダメ。米国で販売されている日産車ではなく、日本で販売されているGT−Rが好きなんだ。わざわざ日本から輸入した」
こだわりがある。米国は右側通行で左ハンドルが一般的だが、スネルの車は右ハンドル。車内に装備されたカーナビも日本製。車のナンバーまで日本式のデザインだった。
『長野』ナンバー? と思ってよく見ると『野長』ナンバー。「漢字が逆さまだよ」と指摘しようと思ったが、今回は遠慮しておいた。
車ってそんな簡単にいろいろと変えられるものなのか。私は渡米10年目だが、走行している右ハンドルの車を見たことがない。ニューヨーク州ベイサイドにあるクライスラー正規代理店に問い合わせた。国内では、一般ユーザーに右ハンドルの車両は販売していないという。
「このケースは、少し解体した状態で日本から輸入し、米国内で部品を組み立てた可能性がある。車検や車両登録など、書類上の許可さえおりれば、一般道路での走行は可能ですね」
スカGは米国でも圧倒的な支持を誇る。それを日本から輸入しただけでなく、日本仕様に“チェンジ”した男。「何もそこまで…」と思うなかれ。
私事だが趣味は海釣り。ヒラメなどが釣れるニューヨークで、時間を見つけては糸を垂らす。愛用の道具は「高価だが高性能」と好評の日本製。スネルの「こだわり」には共感できる。
米国では日本製は立派なブランドだ。日本のサラリーマンのみなさん、自信をもってください。今年も一年、頑張りましょう!!
(広岡浩二)