2006年07月13日 更新

殊勲打のヤングがMVPに輝く!ア・リーグ逆転で球宴9連勝!

ヤング

1点を追う九回二死二、三塁の好機で、右中間に逆転の2点タイムリー三塁打。鮮やかな流し打ちでヤングは文句なしのMVPをゲット(共同)

ヤング

MVPのヤングは贈られたトロフィーを掲げて鼻高々(共同)

ピッツバーグ(米ペンシルベニア州)11日(日本時間12日)】第77回オールスター戦は、ア・リーグが九回二死からの3連打で逆転して、ナ・リーグを3−2で下した。MVPには逆転の2点適時三塁打を放った昨季ア・リーグ首位打者のマイケル・ヤング内野手(29)=レンジャーズ=が輝いた。ア・リーグは02年の引き分けを挟んで9連勝。ワールドシリーズの本拠地開幕権を獲得した。通算成績はナ・リーグの40勝35敗2分けとなった。来年はサンフランシスコ(AT&Tパーク)で開催される。

三塁へ滑り込むと右手の拳を突き上げた。ヤングが九回、中堅右を抜く逆転の2点適時三塁打。ア・リーグを9連勝に導く劇的な一打でPNCパークを沸かせた。

「ウソをつかずに言うよ。野球人生のハイライトのひとつになった。この試合の重要性も分かっているからね。球宴に出るだけでも十分なのに、MVPを獲得できて興奮しているよ」

昨季のア・リーグ首位打者に続く“ビッグタイトル”に声を弾ませた。1点を追う九回二死からポール・コナーコ内野手(30)=ホワイトソックス=が左前打。続くトロイ・グラース内野手(29)=ブルージェイズ=は左越え二塁打。二死二、三塁のチャンスで打席に入った。

マウンドには歴代2位の通算460セーブを誇るパドレスの守護神・ホフマン。カウント2−0と追い込まれたが、昨季まで3年連続200安打のヤングに焦りはなかった。

「いい場面で、最高の打者に打席が回った。ヤングはア・リーグで最も過小評価されている選手だと思う」と手放しで喜んだのは、ア・リーグを率いたオジー・ギーエン監督(42)=ホワイトソックス=だ。

現役時代は遊撃手だったこともありヤングにぞっこん。6月中旬にテキサスへ遠征した際、「成績は関係ない。打率・220でも選ぶ」と球宴出場を打診していたという。

あと一死からの3連打で逆転勝ちしたア・リーグは、97年から02年の引き分けを挟んで9連勝。2年連続でナ・リーグ王者を4タテで下しているワールドシリーズの本拠地開幕権も手に入れた。

交流戦でも154勝98敗と圧倒したア・リーグから、今季も世界王者が生まれそうな気配。前半戦中地区2位のギーエン監督が率いるホ軍と、ヤングが所属する西地区同率首位のレ軍が、秋にはワールドシリーズ進出を賭けて対決するかもしれない。

■マイケル・ヤング(Michael Young)

1976年10月19日、米カリフォルニア州生まれ、29歳。カル・サンタナ・バーバラ大から1997年ドラフト5巡目でブルージェイズ入団。2000年レンジャーズに移籍し、同年9月にメジャーデビュー。昨季は打率・331で首位打者を獲得。今季成績は88試合に出場、打率・316、7本塁打、57打点。通算成績は831試合に出場、打率・299、87本塁打、430打点(現地11日現在)。1メートル85、86キロ。右投げ右打ち。年俸約300万ドル(約3億4200万円)。背番号10。

★リベラ球宴記録並んだ!貫禄3S

ア・リーグ1点リードの九回、マリアノ・リベラ投手(36)=ヤンキース=が登板。無失点に抑えて球宴通算3セーブ目を挙げ、殿堂入りしているデニス・エカーズリー(元アスレチックスなど)の球宴記録に並んだ。歴代2位の通算460セーブを誇るトレバー・ホフマン投手(38)=パドレス=が土壇場で逆転を許したのとは対照的な好投。クローザー対決を制し「ここには勝ちに来た。シーズン中と同じように仕事をすることを心がけたよ」と汗をぬぐった。

◆ア・リーグの指揮を執ったオジー・ギーエン監督(42)=ホワイトソックス

「九回にリベラを送り出すのは夢。一度やってみたかった」

★41歳ロジャース、ロケットに次ぐ高齢先発

ベテランらしい緩急をつけた投球を披露したのはア・リーグ先発のケニー・ロジャーズ投手(41)=タイガース。04年のロジャー・クレメンス投手(43)=アストロズ=の41歳11カ月に次ぐ41歳8カ月での球宴先発。2回1失点で切り抜け「私の長い野球生活の中でも貴重な経験だったし、誇りに思う。いい勉強にもなったよ」と声を弾ませた。

◆九回二死一塁で左越え二塁打を放ち、ヤングの右中間三塁打で逆転のホームを踏んだブ軍のグラース

「球宴に限らず、公式戦でもワールドシリーズでも最後の打者になるのは嫌だからね。チェンジアップをうまく運ぶことができた」

■米球宴データBOX

〔1〕ア・リーグが逆転で勝ち、97年からの連勝を「9」とした(02年の引き分けを挟む)。ア・リーグ記録を更新中で、全体でもナ・リーグが72−82年にマークした11連勝に次ぐ。また、ピッツバーグでの球宴開催は5度目で、ア・リーグの勝利は今回が初。
  〔2〕メッツのライトが球宴初打席で本塁打。03年のハンク・ブレーロック(レンジャーズ)以来3年ぶり、史上13人目。ナ・リーグの打者では97年のハビエル・ロペス(当時ブレーブス、現オリオールズ)以来、9年ぶり9人目。
  〔3〕MVPはレンジャーズのヤング。レ軍選手のMVP獲得は90年のフリオ・フランコ(現メッツ)、04年のアルフォンソ・ソリアーノ(現ナショナルズ)に次いで3人目。

★ホフマン投入もまさか…強がるガーナー監督 

ナ・リーグ1点リードの九回に満を持してホフマンを送り出したフィル・ガーナー監督(57)=アストロズ=だったが、二死無走者からまさかの逆転負け。10年ぶりの勝利はならなかった。試合後は「ホフマンはすばらしい抑え投手。きょうは運がなかった。いい試合だったよ。落胆はまったくない」と強がってみせた。

★ベルトラン、フル出場

ナ・リーグのカルロス・ベルトラン外野手(29)=メッツ=が97年のケン・グリフィー外野手=レッズ、当時マリナーズ=ら以来9年ぶりのフル出場。一回には三塁線を破る二塁打、同点の三回には中前打。二進後に98年のロベルト・アロマー内野手=当時オリオールズ=以来の三盗を決め、ア・リーグ2番手のロイ・ハラデー投手(29)=ブルージェイズ=の暴投で勝ち越しのホームを踏んでいた。勝てばMVP確実だっただけに「いい試合だが、最後は残念だった」と悔しがった。

★ライト、球宴初打席弾

左翼席にライナーで突き刺した。1点を追う二回一死からナ・リーグのデービッド・ライト内野手(23)=メッツ=が球宴初打席で本塁打。03年のハンク・ブレーロック内野手(25)=レンジャーズ=以来、史上13人目の快挙となった。「子供のころからの夢がかなったよ」と父の見守る前での一発に笑顔。前日の本塁打競争でも決勝まで勝ち上がるなど、“メッツのジーター”は夢舞台でさらに存在感をアピールしていた。

ベラ夫人

★地元の英雄クレメンテ氏をたたえ、イチローら金色リストバンド着用

パイレーツの往年のスター、故ロベルト・クレメンテ氏をたたえ、イチローや多くの選手が金色のリストバンドを着けてプレー。試合中にはセリグ・コミッショナーによる表彰が行われた。プエルトリコ出身のクレメンテは、通算3000安打を記録するなど活躍する一方で社会奉仕活動にも取り組んだが1972年、ニカラグア地震の救援物資を空輸中に事故死した。ベラ夫人=写真(ロイター)=は表彰式で「彼が今でも天国からすべての人たちを愛していることを知っていてほしい」とあいさつ。同じ中南米出身のオジー・ギーエン監督は「わたしたちにとっての英雄」と、ア・リーグのベンチで涙をぬぐった。