40歳過ぎたら肺の老化を防げ! 自分の「肺年齢」を知ろう

5月9日は、「呼吸の日」。増加傾向にある肺や気管支など呼吸器系疾患予防を目指して昨年、日本呼吸器学会が制定した。この呼吸器の病気を防ぐための指標が「肺年齢」だ。肺の健康状態を“年齢”で表し、呼吸機能の低下が一目で分かるもので、40歳以上の日本人の1割が罹患しているといわれる肺の生活習慣病「COPD」の早期発見に役立つ。初の「呼吸の日」を迎える今年は、東京や横浜で「肺年齢」が測定できるイベントなども開催される。肺の若さをチェックして健康維持に役立てよう。
◇
肺は、風船のように伸び縮みすることで空気を出し入れし、体に酸素を取り入れる臓器。この肺の呼吸機能を“年齢”という形の指標に置き換えたのが「肺年齢」だ。
「肺年齢」は、呼吸機能検査による「1秒量(最初の1秒間に吐ける息の量)」と身長などから算出する。久留米大学医学部内科学講座
呼吸器・神経・膠原病内科の相澤久道主任教授は「実年齢との差で肺の健康度がわかる。肺の働きはレントゲンによる画像検査だけではわかりません。自分の『肺年齢』を知ることが、肺の生活習慣病『COPD』(慢性閉塞性肺疾患)の早期発見にも大切です」と話す。
「COPD」は40歳以上の1割が罹患しているといわれる病気だ。
自分が罹患しているかどうかを知るには、別表の質問票でチェックし、さらに「呼吸機能検査で『肺年齢』を調べましょう」(相澤教授)。
ここで「肺年齢」が実年齢より10歳高いという結果の人の約3分の1の人に「COPD」の疑いがあるという。ちなみに検査結果には「COPD」の疑いの有無などのコメントも表示される。
「COPD」は放置すれば肺胞の破壊が進み、自力呼吸が困難になる。一番の問題は「息切れなどの症状があっても年のせいと考え、放置していることです」と同教授。それを防ぐためにも「肺年齢」の測定は重要だ。
「COPD」は、タバコの煙などで息の通り道となる「気道(気管支)」に慢性的な炎症が起こり、ゆっくりと呼吸機能が低下していく。初期症状は、せきやたん、息切れなどありふれた症状で、見過ごされがち。そのため潜在罹患者数は約530万人にも及びながら、実際に治療をしている人は約22万人にすぎない。大半が罹患に気付いていないのが現状だ。
40歳を過ぎたら「肺年齢」を知って、継続的にチェックしよう。肺の若さは健康につながるのだ。
【「肺年齢」を知るには】
5月9日の「呼吸の日 記念フォーラム2008」(別項)や、5月10日に横浜・みなとみらいのクイーンズスクエア横浜「クイーンズサークル」で行われるイベントなどで測定できる。
また、肺年齢普及推進事務局のホームページ「肺年齢.net」(http://www.hainenrei.net/)には、呼吸器科の検診や人間ドックなどで行われる「スパイロメトリー」による呼吸機能検査の数値と身長、体重、年齢などを記入すると「肺年齢」がわかる「肺年齢オンライン計算機」もある。
【「COPD」の治療法】
「COPD」は進行性の病気。破壊された肺胞は元の状態に戻せないものの、早期治療で呼吸機能低下が食い止められ、健康な人と変わらない生活を送れるようになる。治療には禁煙が必須だが、「発症してしまうと禁煙しても1年間に健康な人の約3倍の60ccぐらいずつ『一秒量』が減ってしまう。チオトロピウムなどの気管支を広げる作用がある抗コリン薬(吸入薬)を使用すると、健康な人の老化同様の呼吸量の減少に抑えることが期待でき、息切れせずに運動できる時間も増えます」と相澤教授。
さらに、肺の中の空気を出し切る呼吸訓練や、運動効率をよくし、体力の低下を防ぐために下肢の筋力トレーニングなどを併用すると「呼吸困難→運動しない→筋力がなくなる→体力低下→呼吸困難がさらに悪化、という悪循環を断ち切ることができます」(同教授)。
【「呼吸の日」イベント】
5月9日、東京・有楽町の有楽町朝日ホールで、「呼吸の日 記念フォーラム2008」が開催される。日本呼吸器学会と結核予防会の主催で、テーマは「家族を守れ!肺の健康を考える〜急増する肺の生活習慣病を予防するには〜」。
バルセロナ五輪女子マラソン銀メダリストの有森裕子さんの特別講演、長崎大学大学院医歯薬学総合研究科の千住秀明教授ら専門家によるパネルディスカッションを予定、参加無料(13〜16時、定員600人)。また、会場ロビーでは「肺年齢」の測定会も実施。
参加希望者は「呼吸の日 記念フォーラム2008」参加希望と書いて、郵便番号、住所、氏名、電話番号、参加希望人数(1通につき2人まで)、同行者の氏名を記入の上、はがきかファクス、メールで申し込む。30日必着。はがきの宛て先は、〒150−0047 東京都渋谷区神山町4−14 第3共同ビル NHKエンタープライズ内「呼吸の日 記念フォーラム」事務局。ファクスはTEL03・3481・2087、メールはkokyu2008@nhk−ep.co.jpまで。問い合わせは、TEL03・3481・8154。
| 「COPD」チェック |
|---|
| □ 40歳以上である |
| □ 痩せている |
| □ 毎日タバコを吸っている、または過去に10年間以上タバコを吸っていた |
| □ 身近にヘビースモーカーがいる |
| □ 風邪をひいていないのにせきがでる |
| □ せきは、天気が悪いほどひどくなる |
| □ 風邪をひいていないのにたんがからむ |
| □ 同年代の人に比べて息切れしやすく、同じペースで歩くとつらい |
| □ 駅の階段を周りの人と同じペースで上れない |
| □ ゴルフや山歩きなどのスポーツで、息切れが原因で、ほかの人についていくのがつらくなった |
| ※「はい」の数が多いほど「COPD」の可能性が高い |

