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2008年04月12日 紙面より

丸の内で気軽に クラシック音楽の祭典「ラ・フォル・ジュルネ」

ラ・フォル・ジュルネ

(c)久保靖夫

ルネ・マルタンさん

(C)Marc ROGER

シューベルト

(c)TOKYO INTERNATIONAL FORUM CO., LTD.

丸の内のオフィス街が音楽の都ウィーンになる−。ゴールデンウイーク恒例のクラシック音楽の祭典「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」が今年も5月2日〜6日の5日間、東京国際フォーラムを中心に開催される。4回目となる今年のテーマは「シューベルトとウィーン」。街角に活気と音楽があふれ、人々が踊っていた19世紀のウィーンさながらに、丸の内エリアが盛り上がる。気軽にクラシック音楽を楽しめるこの音楽祭。連休の1日、ぶらりとのぞいてみるのもいい。

フランスの港町ナントで始まった「ラ・フォル・ジュルネ」。ベートーベン、モーツアルトなどテーマとなる作曲家を設定し、その作品を話題のアーティストらが演奏する音楽の祭典だ。

 

特徴は、大小合わせて公演数が多いことと、低料金。企画したアーティスティック・ディレクターのルネ・マルタンさん=写真(中)=は「一流の演奏を低料金で提供することで、明日のクラシック音楽を支える新しい聴衆を開拓したい」という。

 

日本には平成17年に上陸。一流の演奏が1500円から楽しめるとあって 第1回が32万人、2回目が70万人、昨年は106万人と、年々動員記録を伸ばし、クラシックになじみのない人たちも巻きこんで、社会現象になった。

 

4回目の今年のテーマは「シューベルトとウィーン」。“未完成”交響曲や「魔王」「野ばら」などの歌曲で知られるシューベルトを中心に、同時代のベートーベン、ロッシーニ、シューベルトの影響を受けたメンデルスゾーン、リストなど、ウィーンで活躍した大作曲家の作品をずらりとそろえた。

 

マルタンさんは、有名曲からまれにしか演奏されない曲まで、220もの意欲的なプログラムを組み、「シューベルトは実はとても親しみやすい作曲家。歌曲などのポピュラーなメロディーは、歌好きの日本人に必ず身近に感じられるはず」と自信をのぞかせる。

 

注目は、現代の作曲家によるシューベルトへのオマージュ作品の日本初披露や、国別アーティストによるシューベルトの「ます」の聴き比べ、トリニダード・トバゴのスチールドラム(ドラム缶の底をハンマーで叩いて音程をつけた楽器)の演奏家約20人によるシューベルト作品の演奏など。

 

期間中は午前9時から夜の11時まで、約45分の公演、関連プログラムなど計400以上も開催される。音楽祭事務局では「好きな公演をハシゴするのもいいですが、有料チケット(または半券)があれば、無料で楽しめる公演や映画なども多数予定しています。チケットがなくても、広場や周辺ビルのミニコンサートで、ウィーンの風を感じてください」という。

 

19世紀のウィーンの人々はみな踊り好きだったとか。シューベルトも500曲あまりのダンス音楽を作曲している。GWの丸の内は活気溢れるウィーンさながらに歌い、踊る、熱狂が渦巻きそうだ。

【丸の内ワーカーが参加するイベントも】

期間中は、丸の内で働くOLやサラリーマンが出演する公演も話題だ。

出演するのは、平成17年、丸の内地区に勤務する人たちを中心に結成された「丸の内合唱団」、18年の歴史のある「丸の内交響楽団」など。今年初の試みとしては、今年2月に行った「発掘!!丸の内OLピアニスト」。丸の内地区のOLを対象にしたオーディションで、合格した6組のアマチュアピアニストがステージに登場する。顔見知りの意外な姿、晴れ姿に出会えるかも。

期間中は東京国際フォーラムの地上広場でプロ・アマチュアの演奏家によるライブが行われ、ヨーロッパの街角コンサートのような雰囲気に。さらに、丸ビルや丸の内オアゾ、東京駅前(丸の内側)特設会場など、周辺の9カ所では、29日から先行して音楽イベントを開催。5月6日まで計94公演で音楽祭を盛り上げる。観覧はすべて無料。


◆「ラ・フォル・ジュルネ」ならではの注目の公演◆
★公演名または出演者/日時(会場)と料金=聴きどころ
★シンフォニア・ヴァルソヴィア、ヤツェク・カスプシク(指揮)/5月2日13時〜(111ホールA)、5月3日22時〜(248ホールC)、5月4日17時〜(314ホールA)・指定席1500円、2000円(3日のみ)=“ウィーンの舞踏会”を再現。シューベルト、ヨハン・シュトラウス二世、ブラームスなど、ヒット舞曲の歴史をたどる旅。
★天羽明惠(ソプラノ)、仲道郁代(ピアノ)/5月2日20時30分〜(172相田みつを美術館)・自由席1500円=「野ばら」や「ます」など、シューベルトの名曲づくしを日本人ふたりの演奏で。
★庄司紗矢香(バイオリン)、ボリス・ベレゾフスキー(ピアノ)、シンフォニア・ヴァルソヴィア、ヤツェク・カスプシク(指揮)/5月2日22時15分〜(115ホールA)・指定S席3000円、A席2500円=シューベルト「バイオリンと管弦楽のためのロンド」とベートーベンのピアノ協奏曲「皇帝」は普段ではあり得ない組み合わせ。
★レネゲイズ・スティール・バンド・オーケストラ/5月3日10時15分〜(211ホールA)、5月5日10時〜(411ホールA)・いずれも指定席1500円=ドラム缶型楽器で奏でるシューベルトの有名曲の数々。
★ベトナム国立交響楽団、本名徹次(指揮)/5月3日12時15分〜(212ホールA)、5月6日10時〜(511ホールA)・いずれも指定席1500円=シューベルト19歳の時の作品「交響曲第5番変ロ長調」には、モーツァルトから影響を受けたことが伺える。モーツァルト「交響曲第40番ト短調」と2曲続けて演奏。どこがどう似ているのか聴き比べてみよう。
★フランク・ブラレイ(ピアノ)、コレギウム・ヴォカーレによる男声合唱、クリストフ・ジーベルト(指揮)/5月3日15時〜(234ホールB5)、5月4日18時30分〜(336ホールB5)、5月5日20時15分〜(437ホールB5)、いずれも自由席2000円=シューベルトの「つらい悲しみは過ぎ去り」「若々しい五月の生気」など、ベルギーの古楽界が誇る男性だけの合唱で45分!
★プラジャーク弦楽四重奏団、トリオ・ショーソン、コレギウム・ヴォカーレ、ローザンヌ声楽アンサンブル、Mコルボ(指揮)/5月6日18時45分〜(546ホールC)、指定S席3000円、A席2500円=生前唯一のシューベルトの作品のみによるコンサートとなった1828年3月26日のプログラムを再現。
★フィルハーモニア台湾、ヨハネス・ヴィルトナー(指揮)/5月4日14時30分〜(344ホールC)、5月5日9時15分〜(441ホールC)、いずれも指定S席2000円、A席1500円=有名なベートーベンの「運命」とシューベルトの「悲劇的」。同じハ短調から生まれた2つの交響曲を聴き比べる。