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2008年0 4月05日 紙面より

サプリメントを賢く選ぶ 働き盛りのサビた体に喝!

サプリメントがブームだ。中でも、働き盛り世代におすすめなのが、亜鉛や銅といった、体を活性酸素によるサビから守るために必要な微量元素類を含むもの。また、動脈硬化や認知症、がん予防には、オメガ3系脂肪酸の摂取が役立つという。サプリメントに含まれる健康効果が期待できるといわれる成分は、主なものだけでも120種類以上。サプリメントは自分にあった種類を選べば、健康作りの強い味方になる。

「補給」という意味を持つサプリメントは、食事で不足しがちな栄養素を補う栄養補助食品。問題は何を選ぶかだ。

臨床栄養学に詳しい東京都保健医療公社大久保病院の丸山道生外科部長は「働き盛り世代に不足しがちな栄養素は、必須微量元素と呼ばれるミネラル」という。人間にとって、微量ながら欠かせないものだ。外食が多く、スナック菓子やインスタント食品を好むなど偏った食生活の人は不足している可能性が高い。

その中でも「亜鉛や銅は、多くの人が摂取量が規定量に達していないことが多く、これらを含むサプリメントがおすすめですね」(同部長)。

亜鉛は、タンパク質やホルモン合成など、多くの新陳代謝にかかわる。1日摂取推奨量は、成人男性で9ミリグラム、成人女性で7ミリグラム。また、糖や脂質の代謝にかかわる銅の1日摂取推奨量は、成人男性が0・8ミリグラム、成人女性が0・7ミリグラム。いずれも、体を守る働きを持つ酵素の中核になる。不足すれば代謝が衰え、「体の中の酸化を促進し、血管壁などの細胞膜を傷つけて動脈硬化を進行させる活性酸素『スーパーオキサイド』を中和する酵素が作れなくなってしまう」(同部長)。

さらに、亜鉛不足は味覚障害や免疫力の低下、うつ状態、皮膚疾患などを引き起こし、銅不足は、高脂血症を生じさせる。ストレスが多く、メタボが気になる働き盛り世代には欠かせないミネラルなのだ。

また、働き盛り世代の今後の健康を考えるなら、「DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)など、オメガ3系脂肪酸を摂取するとよい」と丸山部長。青背の魚の脂に含まれるこれらの必須脂肪酸は、「動脈硬化予防や抗アレルギー、抗がん・がん転移予防、認知症予防につながる」(同部長)という。

とはいえ、「サプリメントで大量に摂取すればよいというわけではない」と丸山部長。例えば亜鉛の1日摂取量の上限は30ミリグラムで、銅は10ミリグラム。この上限を守ることが大切で「もし亜鉛か銅のいずれかだけを大量に摂取すると、もう一方が体内で減少してしまう。両方を少量ずつバランスよく摂取することが大切」と同部長は注意をうながす。

その他の大人世代におすすめのサプリメントはの通り。自分に合ったサプリメントを健康作りに上手に役立てよう。

【サプリメントを選ぶポイント】

★基本はマルチビタミン・ミネラル=体調を整えるために重要な数種類のビタミンやミネラルをバランスよく含む。ただし、「一般的な食生活をしていれば、ビタミン類が不足することはあまりない」(丸山部長)ため、外食が多いなど食生活に偏りがある場合に摂取するといいだろう。

★必須微量元素や必須脂肪酸=亜鉛や銅、DHAやEPAなど、人間が生きる上で必要な栄養素で不足していると考えられるもの。その上で、カテキンなどのポリフェノール類やコエンザイムQ10など、健康作りに役立つ機能性成分を含むサプリメントを加える。

★1〜2種類に絞る=あれこれ摂取すればよいというわけではなく、「組成がはっきりした機能性成分を含むサプリメントでも、安全を考えるなら1〜2種類に絞った方がよい」(同部長)。

【サプリメント購入の際の注意点】

名前が知られた企業の製品を選ぶことが重要で、「問い合わせしたときに、成分に関する説明ができ、サプリメントアドバイザーなどがていねいに対応する会社を選ぶとよい」(丸山部長)。

さらに、インターネットなどで、含有成分の機能について科学的な根拠(ヒトを使った具体的な研究データ)や検証方法などを調べる。とくに、「抽出物を使ったサプリメントは、産地による性質や健康効果の違いがあるので注意が必要です」(同部長)。

パッケージでは、成分内容とその含有量(1粒あたりか1日あたりかもチェック)、原材料、カロリー、摂取量の目安や使用上の注意、疑問がある場合に連絡できる相談窓口が記されているかどうかをチェックする。

店頭で購入するなら、東京・新宿の小田急百貨店8階「健康プラザ」のように、常駐する薬剤師がサプリメント選びの相談にのってくれる店で購入するのもいい。

ちなみに、糖尿病や高血圧などの治療中の人は「医師に相談してから利用すること」(同部長)。疾患内容や服用薬によっては、症状の悪化も考えられるからだ。

【サプリメントを摂取するときの注意点】

「バランスのよい食生活を心がけた上で、自分に何が足らないかを考え、それを補うために利用するのが絶対条件。頼りすぎてはいけません」と丸山部長。

ブルーベリーやイチョウ葉エキスなど抽出物を使ったサプリメントは、「相互作用が科学的に検証されていないため、複数を同時に利用するのは、あまりおすすめできない」(同部長)。

働き盛り世代におすすめのサプリメントとその健康効果
<★名称/期待される健康効果=特徴>
★ビタミンC/抗酸化作用、かぜの初期症状緩和、上部消化管がんなどの発症リスク軽減、高血圧の予防・改善など=骨や皮膚を丈夫にするコラーゲン合成を促進。ストレスに適応するためのホルモン合成も助ける
★ビタミンE/抗酸化作用、動脈硬化予防、心臓病や脳卒中の予防など=強い抗酸化作用がある。動脈硬化性疾患予防、血流を改善、肩こりや冷え症解消に役立つ。ビタミンCとの併用が望ましい
★クロム/インスリンの働きを正常に保つ、糖尿病の耐糖能異常の改善=糖や脂質の代謝に欠かせない必須微量元素。加工食品を多く食べている人は不足しがち。不足すると糖尿病や動脈硬化を引き起こす。糖尿病を治療中の場合は、必ず主治医に相談すること
★コエンザイムQ10/抗酸化作用、狭心症や心筋梗塞(こうそく)などの予防・改善、高血圧や糖尿病の予防・改善=体内のエネルギー源であるATP(アデノシン3リン酸)を作り出すために必要な補酵素で、細胞や組織の生命活動を補助する働きがある。強力な抗酸化作用と、生活習慣病の予防効果が期待されている
★カテキン/抗酸化作用、胃粘膜保護、メタボリックシンドローム対策、高脂血症改善、口内炎予防=緑茶に含まれる抗酸化成分でポリフェノールの一種。内臓脂肪や皮下脂肪の減少、高脂血症の改善などに役立つとされる。抗がん作用も期待されている
★グルコサミン/変形性関節症や関節炎に伴う症状の予防や改善=ムコ多糖類の一種で、関節軟骨などの構成成分。消化管から吸収、間接の軟骨を修復し再生を促す
★イチョウ葉エキス/抗ストレス作用、抗酸化作用、アルツハイマー病や脳血管性認知症の症状の改善、末梢血管障害の改善、高血圧の改善=健康補助食品の1つ。血流をよくし、脳機能の改善に役立つとされる
★ブルーベリー/眼精疲労、視力回復=有効成分はアントシアニンという青紫色の色素。加齢性白内障の予防や夜間視力の改善も期待されている
★ノコギリヤシ/前立腺肥大、排尿障害=北米に自生する低木のヤシの一種。紫色の果実に含まれる脂肪酸が前立腺肥大の原因となる男性ホルモンのジヒドロテストステロンの生成や働きを抑え、ひん尿や残尿感といった前立腺肥大の初期症状を抑える
★セントジョーンズワート/軽症から中等度のうつ病、ストレスによるイライラの改善=ドイツなどでは、処方箋が必要な医薬品として扱われる薬用ハーブ。有効成分と考えられているヒペルフォリンが脳内のセロトニン濃度を高め、うつ症状を抑えるとされる。米国では、気持ちを明るくする“ハッピーハーブ”として人気。