グルメ・情報

2008年03月07日 紙面より

デパ地下で名店食す〜老舗のふぐからミシュラン星の和食まで

日本橋高島屋「春帆楼」

美味がそろうデパ地下でも最近の注目は、老舗や有名店のイートインだ。伊藤博文がひいきにし、日清講和条約締結の舞台にもなった老舗割烹旅館のふぐ料理、明治28年創業のすきやきの名店、ミシュランで星を獲得した和食店のほか韓国料理、ロシア料理、スイーツ、はては日本酒やワインが試飲できるバーまで多彩な味が手軽に楽しめる。他店との差別化と集客アップを目指してデパート側も力が入るイートイン。グルメ体験はイートインから始めよう。

各デパートが競い合うデパ地下のイートイン。最近は老舗、名店の出店も目立つ()。デパート関係者にとって、こうしたイートインは「集客の目玉になる」「他店との差別化には、いかにいい店を入れるかが勝負」という重要な存在だ。

その中でも話題は日本橋高島屋の「春帆楼」(山口県下関市)=写真右。伊藤博文が明治21年に同店でふぐ料理を食べ、その味に感激。豊臣秀吉によって禁止されていたふぐ料理を解禁したというふぐ料理“発祥”の地。明治28年には日清講和条約調印式も行われた老舗だ。

橋正弘料理長によると、「素材は毎日下関から空輸。本店と品質が変わらないとらふぐを使っています。出張や旅行のたびに地元からお見えになる方もいますよ」。

人気はとらふぐの刺身やふぐの巻きずしなどがセットになった「春帆楼セット」(3045円)。「本店は、宿泊と料理だけで3万円ほどかかる」(同)という老舗の味が気軽に楽しめる。

日本橋高島屋「人形町今半」

同じく、日本橋高島屋の「人形町今半」(東京都中央区)=写真左=も毎日80〜90人が来店。昼時には行列ができる人気店だ。明治28年創業のすきやきとしゃぶしゃぶの老舗だけに、自慢は「すき焼弁当」(1575円)。

「『今半』の肉のおいしさを知ってもらおうと始めた」(石井政幸マネージャー)もので、隣接の精肉売場の100グラム1000〜1200円の黒毛和牛を約80グラムも使用しているという。

一方、東武百貨店池袋店の韓国料理イートイン「妻家房」では、「ビビンバ(スープ、キムチ付き)」、韓国風のお好み焼き「パチヂミ」がともに715円と、レストランの6〜7割の料金。

ロシア料理店「ロゴスキー」(本店は渋谷)のイートインでは、ロシア風スープのボルシチとピロシキセットが599円。ロシア大使館でも出されている「肉ピロシキ」も、店頭と同じ263円で座って食べられる。

この魅力のイートイン。高島屋広報・IR部の三尾まゆみさんは「お手頃価格が一番の魅力。カウンターだけの小さな店が中心なので、本店は敷居が高いと感じる人も気軽に楽しめます」。

また、東武百貨店広報担当の西口美穂さんは、「最近は、料理や食材にこだわる40〜50代の男性が増え、食料品売り場に行くことに抵抗がなくなった。イートインなら1人でも入りやすく、おいしくて本格的な料理がさっと食べられる。働き盛り世代の男性の昼食にもぴったりなんです」。

老舗や名店の味を楽しむならデパ地下が一番だ。

【イートインで本格的なスイーツやお茶を味わう】

日本橋高島屋「アンリ・シャルパンティエ」

フランベ台から上がる青い炎。立ちこめるオレンジリキュールの香り。

日本橋高島屋食料品売り場の一角にある洋菓子店「アンリ・シャルパンティエ」のイートイン「サロン・ド・テ」=写真上=では、客の前で仕上げる本格的なフランス菓子「クレープ・シュゼット」(1575円)が味わえる。40、50代に人気で、同店の井上祐子さんによると、「東京でお出ししているのは、銀座本店とここだけ。仕上げるとき、近くまで見に見える方も多いですね」。

また、恵比寿三越には香港の名門ホテル「ザ・ペニンシュラホテル香港」で人気を集める中国茶や紅茶が楽しめる「ザ・ペニンシュラブティック」のイートインが一昨年12月にオープン。

お茶は50種類以上(630円〜)がそろい、「お茶の入れ方の技や茶器を披露。スタッフとお茶についての会話も楽しめます」と同店。お茶に合うお菓子も用意されている。


【日本酒やワインをテイスティング】

東武百貨店池袋店「バー楽」

東武百貨店池袋店酒売り場横の「バー楽」=写真下。「六歌仙 さらり旨口」「竹鶴のにごり酒(お燗用)」など、季節に合わせた約20種類の日本酒(60ミリリットル304円〜)をはじめ、焼酎やワインなどの試飲ができる。

黒塗りの壁と木製のカウンターに並ぶ10席のいす。壁には大きなマンボウの魚拓が飾られ、大人の隠れ家の雰囲気だ。多い日には100人以上が訪れ、「会社帰りの40〜50代の男性も多いですね」と渡邊元康店長。

同じくテイスティングが楽しめるのが伊勢丹新宿店に一昨年12月にオープンした「グランド カーヴ」。こちらはワインやウイスキーなどの洋酒の試飲ができる立ち飲み風イートインだ。

量も値段もボトルの10分の1というワインは、1杯500円〜1500円程度で、「味を確認してからワインを購入したいというお客様のご要望にこたえて始めました。バーにいる気分で、ソムリエとの会話が楽しめると好評です」と同店は話す。

◆人気のデパ地下イートインあれこれ◆
★東麻布 万歴(ばんれき)/日本橋三越本店=2008年東京版「ミシュランガイド」で星を獲得した「万歴龍呼堂」の和食がカウンターで気軽に楽しめる。人気は煮物、焼き物、刺身などがセットの「応量器膳」(2940円)
★広味坊(こうみぼう)/同=本店(世田谷区)は、ランチタイムには常に行列ができる人気の創作中国料理店。麺類のほか、「北京ダックプレート」(スープ付き1365円)などを用意
★Rバーガー/プランタン銀座=海洋性コラーゲン配合のヘルシーな蒸しバンズ、国産ブランド肉のパティ、新鮮野菜や天然塩など素材にこだわったオリジナルハンバーガー。八丁味噌ソースの「アールバーガー」(390円)、マーボーソースの「豆腐バーガー」(430円)など
★コム・フォー/同=野菜たっぷりのヘルシーなベトナムの麺料理フォー(米麺)の専門店。定番の「鶏のフォー」(731円)、オリジナルのミネストローネ風に仕上げた「トマトのフォー」(781円)など
★味噌元/東武百貨店池袋店=「温野菜と豆腐のすりごま仕立て」「季節の味噌汁」など4種類のみそ汁(420円〜)を用意するみそ汁専門店。具もたっぷりでボリュームも満点。サラリーマンのファンも多い
★キッチンステージ/伊勢丹新宿店=全国の人気シェフのレシピで作った料理が2週間ごとに登場。材料や作り方も紹介しており、30〜40代の女性に人気。19日まで長崎県のフランス料理の第一人者、「長崎ペリニィヨン」の園田進郎シェフの味が楽しめる
★すみ多/シブヤ西武=東京・向島の老舗料亭「すみ多」のイートイン。「烏骨鶏卵かけご飯セット」(1260円)や「お茶漬け三昧」(1050円)など、シンプルで素材にこだわったオリジナル料理が味わえる
★崔(ちぇ)さんのキッチン/そごう横浜店=定番メニューは、野菜がたっぷりでヘルシーな「石焼ビビンパ」(893円)。石鍋が作るおこげが絶妙な味わいで、ナムルや温泉玉子をよくかき混ぜ、さらにわかめスープをスプーンで数杯加えて食べるのがおすすめ