究極MYごはん! 好みの食感や味、高級炊飯器も人気

好みの食感や味、料理との相性にこだわって米を選ぶ人が訪れる日本橋高島屋の米売場

店頭で精米してくれるので、鮮度もよくおいしい(日本橋高島屋)
おいしいごはんにこだわる大人世代が増えている。百貨店の米売り場では、甘みやうまみ、食感などにこだわり、料理にあった米を探す人が増加。5万円以上する高級炊飯器の人気もうなぎのぼりだ。一昨年秋に東京・有楽町に誕生した米の博物館「ごはんミュージアム」に併設された「ごはんカフェ」は、ごはん目当てにやってくるサラリーマンやOLで連日長蛇の列ができている。炊きたてのつやつやとしたごはんは、日本人の味覚の原点。日本人はやっぱりお米なのだ!
◇
「最近、知名度やブランドイメージではなく、自分の好みの食感や味、料理との相性にこだわって米の産地や品種を選ぶ人が増えています」。こう話すのは、老舗米穀店「スズノブ」(東京都目黒区)の社長で、“米のソムリエ”として知られる西島豊造さんだ。
同店で扱っているのは、「自分で産地に行き、味や育成方法など納得いくものだけを仕入れている」という52種類の米。高島屋日本橋店(東京都中央区)にある支店では、なかでも人気の高い長野県産コシヒカリ「幻の米」(精白時2キロ・1880円)や、北海道産の「ななつぼし」(同・980円)など、約15種類の玄米を、その場で精米してくれる。
これらの米の購入者は、30代後半から40代の主婦が中心。店頭では、「甘みがあって粘りの少ない米は?」「ツブツブ感がしっかりしたものは?」など、「甘みやうまみ、食感、作る料理に合う米について質問されることが多い」と西島社長。2種類の米を自分でブレンドしたり、朝と夜では米の種類を変える人も増えているという。

人気の高級炊飯器。ごはん党の強い味方だ(ビックカメラ)
5万円以上する高級炊飯器(表)を購入する大人世代も急増中だ。昨年度の炊飯器市場は全体で655万台(前年比100%)と横ばいに対し、希望小売価格5万円以上の高級品は、前年比130%の65万3000台。希望小売価格10万円以上の品も登場している。
ビックカメラ池袋本店(東京都豊島区)では、炊飯器購入者の10人に1人が高級炊飯器を選択。同店の吉岡道悦さんによると、「2年前の発売当初から昨年の夏ごろまでは団塊の世代、今は30代から40代の購入者が増えている」。1番人気は約10万円の三菱電機(東京都千代田区)の「本炭釜」で、「食感がよく噛んでいるうちに口の中に甘みが広がる。本当においしい」と吉岡さん。三菱電機広報部の水野和彦さんは、「当初の月間目標の1000台を超え、毎月1600〜1700台売れている」と話す。
おいしいごはんにこだわる大人世代。西島社長は、「高級総菜ブームなどで、食材にこだわる人が増えた。そんな中で、産地や品種によって米の味や食感が違うことに気づき、米を自分の好みの食感や味で選ぶ嗜好品と考えるようになったのだと思う」という。
ごはんは日本人の食文化の原点。おいしいごはんは、幸せな気分にしてくれる。
【ごはんの博物館】

つやつや、ふっくらと炊きあがったごはん。ごはんは日本の「食」の原点だ(東京・有楽町の「ごはんミュージアム」)
一昨年秋に東京・有楽町にオープンした米の博物館「ごはんミュージアム」。人気は併設された「ごはんカフェ」で、ランチタイムにサラリーマンやOLで長蛇の列ができる。同店の石塚秀男さんによると、三重県産の「伊賀米コシヒカリ」をはじめ、2週間ごとに使用する米の種類がかわり、北海道産「ななつぼし」など、東京では珍しい米も登場。ディナータイムには、目の前で炊きあげる「土鍋ごはん」(単品500円、20食限定)があり、炊きあがるまで約25分かかるが、毎日完売する人気だ。「約1・5合と量は多めですが、女性でも1人で食べきる人がほとんど」と石塚さん。「土鍋ごはん」がセットになった「究極のごはん御膳」(1600円)を頼み、「卵かけごはんが最高においしかった」と感想をいう女性客もいるという。
【おいしいごはんの炊き方】
「たなごころ(親指の付け根のふくらんだ部分)を使ってキュッキュッと米を研ぐのは昔のやり方。今の米はやわらかいので、割れてしまう」とスズノブの西島豊造社長。現代流の正しい米の研ぎ方は、以下の通り。
〔1〕ボールなどに正確に量った米を入れ、勢いよく水を注ぎ込んで素早くかきまぜてから2回すすぐ
〔2〕水を捨てた状態で、指をひろげて50回かきまぜ、2回すすぐ
〔3〕さらに25回かきまぜて3回すすぐ。「少し水が白く濁っていてもいい。お米のうまみは実と皮の間にあるので研ぎすぎは禁物」と同社長。
その後は、ザルあげせずに、炊飯器のかまに移して分量の水を加える。吸水時間は20〜30分。ただし、「圧力タイプの炊飯器の場合は吸水せずにすぐスイッチを入れる。最近の炊飯器は、炊飯時に吸水ができるようになっています」(同)。ちなみに米の保存は、冷蔵庫の野菜室が、酸化を防いで表面の汚れがとれやすくベストという。
| ◆食べたことある? 主な米の銘柄と特徴◆ |
|---|
| ★ななつぼし(北海道)=さっぱりした味で、炊いたときの粘りは強くないが、さめてもパサつかない。雑穀を加えてもおいしい |
| ★まっしぐら(青森県)=粒が大きく、やわらかな食感で、ササニシキと似た味わい。モチモチ感は少なく、すしに最適 |
| ★つがるロマン(青森県)=炊き上がりは甘く艶があり、さめてもおいしく、硬くなりにくい。酢飯によく使われる |
| ★あきたこまち(秋田県)=1粒1粒がはっきりし、モチモチした粘りがありながら、味わいはさっぱり。雑穀との相性もよい |
| ★はえぬき(山形県)=粘りや甘みが強く、すき焼きや照り焼き、トンカツなど味の濃い料理との相性がよい。おにぎりや弁当も |
| ★夢ごこち(山形県)=粘り、甘味が強く、口当たりはしっとり。香りもよくボリューム感があるので、ステーキなどに |
| ★ひとめぼれ(宮城県)=コシヒカリについで、作付面積および流通量が多い。粘りが強く、味や香りのよさでも知られる |
| ★ミルキークイーン(茨城県)=コシヒカリを超える米として作られた。粘りが強くモチモチ、甘みが強く味が濃い |
| ★彩のかがやき(埼玉県)=粘りが強く柔らかい。さっぱりした味だが、ほのかな甘みも。大根おろしなどと一緒に食べると美味 |
| ★ちば28号・ふさこがね(千葉県)=大粒でキラキラと艶がある米。ハンバーグ、トンカツ、中華料理との相性がよい |
| ★コシヒカリ(新潟県)=食事用の米の約7割を占める「米の王様」。粘りや甘みが強く、新潟県魚沼産のものが最上とされる。長野県産「幻の米」や千葉県産「国吉米 万喜コシヒカリ」も注目 |
| ★花キラリ(福井県)=モチモチとしたしっかりした食感で、艶があり、さっぱりした味わい。おかずの味を引き立てる |
| ★ひのひかり(佐賀県)=炊きあがりの光沢や粘り、うまみはコシヒカリに似ている。硬めで味がある米が好きな人向き |
| ◆人気の高機能炊飯器◆ |
|---|
| ★三菱電機「本炭釜(NJ−WS10A)」/11万5500円(9万8000円)=純度99.9%の炭素材料を削り出して仕上げた内釜を採用。直火に負けない強い沸騰と炭釜ならではの遠赤外線効果でしっかり加熱。放熱板(内ぶた)にも炭がコーティング |
| ★松下電器産業「スチームIHジャー炊飯器SVシリーズ『大火力竃(かまど)釜』(SR−SV101)」/オープン(10万8000円)=1日発売。かまどで炊いた香ばしいおこげができるごはんの再現にこだわった。全方位から加熱する6段全面IH |
| ★三洋電機「匠純銅 おどり炊き(ECJ−XP10)」/13万1250円(9万5000円)=かまどに近い炊飯が実現できる、熱伝導にすぐれた純度99.9%の銅板使用の内釜を採用。加圧と減圧を繰り返す「可変圧コントロール」で、豪快なかき混ぜ沸騰を発生 |
| ★タイガー魔法瓶「炊きたて『土鍋釜・黒』(JKF−S100)」/9万4500円(6万5000円)=土が熱をためこむ性質や遠赤外線効果で米をふっくらと炊きあげる土鍋釜を内釜に使用。土鍋がじっくり熱をため込みIHやヒーターが一気に加熱 |
| ★日立アプライアンス「『打込み鉄釜』圧力スチーム 極上炊き(RZ−GV100J)」/オープン(6万9800円)=約2000度に溶かした鉄を超高速で射出した「溶射打込み鉄」を採用した内釜を使用。発熱効率がよく、高温でじっくりと蒸らす |
| ★東芝コンシューママーケティング「真空圧力炊き(RC−10VSA)」/オープン(6万9800円)=釜の中を真空状態にして米の芯までしっかり吸水。水温や炊飯量を測りながら、真空ポンプをコントロールする。圧力の高温沸騰で芯まで加熱 |
| ★象印マホービン「極め炊き『パワー圧力』(NP−LS10)/9万7650円(7万5000円)=沸騰する前(70度)から加圧できる「パワー圧力」が特徴。米のデンプンを分解して、甘み、うまみを引き出す |
| 【注】価格は希望小売価格。かっこ内は実勢価格 |

