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2008年01月25日 紙面より

魅力に富んだJazz Life ビッグバンドで熱いライブ

「ジャズバンドコース」の受講者が熱いライブを繰り広げた

昨年12月、「ジャズバンドコース」の受講者が熱いライブを繰り広げた=東京・六本木

大人世代の間でジャズ人気が再燃している。この数年、1960〜80年代の日本人ジャズメンの復刻CDが続々と登場。40〜50代男性を中心に売れ行きも好調だ。また、ヤマハの大人向け音楽教室でもジャズがじわじわと人気を集め、受講生が老舗ライブハウスでビッグバンドのライブを開催するほど。FMラジオでは、臨場感たっぷりのジャズライブが楽しめる番組が注目を集めている。大人の間で、いまジャズが熱い!

約2万枚のジャズCDがそろう山野楽器本店(東京・銀座)のジャズフロア。ここ1、2年で急増したのが、1960〜80年代のLPレコード時代の、日本人が演奏する“和ジャズ”の復刻CDだ。「一番人気は、ジャズドラマーの白木秀雄の『祭りの幻想』。40〜50代の男性の購入が多いですね」と同店ジャズ担当の神尾孝弥さんは話す。

売れ行き好調な60〜80年代の復刻CD

売れ行き好調な60〜80年代の復刻CD=東京・銀座

同CDは、2005年11月にディスクユニオン(東京都千代田区)から発売。同社DIWプロダクツ制作担当の谷口慶介さんは、「当初のプレス枚数は500枚。あちこちで売れないといわれました」。それが現在の販売枚数は6倍の3000枚。今なお根強く売れ続けているという。

この“ヒット”をきっかけに、同社が一昨年4月に、「昭和のジャズ復刻シリーズ」の発売を開始(現在約50作品)。BMGジャパン(東京都渋谷区)も同10月と昨年5月に「日本のジャズ・ジャイアンツ」シリーズ20作品を発売。ソニー・ミュージックジャパン インターナショナル(東京都千代田区)でも、昨年6月から3カ月連続で「昭和ジャズLegend」シリーズ15作品をリリースした。

BMGジャパン洋楽本部クラシック&ジャズグループの生明恒一郎さんは、「クラブシーンで若者たちに昭和のジャズが注目されていたことで発売しましたが、実際には大人世代が購入した。当時を懐かしむだけでなく、メロディー中心でわかりやすく、気持ちいいと人気です」と話す。

ジャズを演奏したいという大人世代も増加。全国11万4000人の受講者がいる「ヤマハ大人の音楽レッスン」では、「ヤマハジャズセミナー」を実施。ヤマハ(静岡県浜松市)広報部の萩原一晶さんは、「中心は50代男性。独自の『ジャズバンドコース』を用意する教室もあります」。昨年12月には、東京・六本木の老舗ライブハウス「サテンドール」で、ヤマハ銀座アネックス「ジャズバンドコース」の受講者19人による熱いライブまで繰り広げられた。

「昭和のジャズの復刻CDが続々と発売され、当時はアメリカの模倣と考えられていた日本のジャズに独自のオリジナリティーがあると見直されたことが大きい」とソニー・ミュージックジャパン インターナショナルの渡辺康蔵制作部長。あなたもジャズの魅力に、はまってみませんか?

白木秀雄
美空ひばり
ちあきなおみ
松尾和子
日野皓正
青江三奈
松本英彦
マリーン
笠井紀美子

【意外な歌手のジャズ名盤の人気が上昇中】

山野楽器本店(東京・銀座)の神尾さんは、「『青江三奈さんのジャズのCDはありますか』という問い合わせが多い。口コミで人気が高まっている」。昨年8月に復刻された「passion mina in N・Y・」(DIW/Think!、2520円)は、ニューヨークのトップジャズメンを起用し、「伊勢佐木町ブルース」や「長崎ブルース」など自身の楽曲をジャズアレンジで歌ったものだ。

また、コロムビアミュージックエンタテインメント(東京都港区)は、一昨年秋に美空ひばりの「ナット・キング・コールをしのんで」(3990円)を発売し、ひばりファンだけでなく、ジャズファンにも好評。昨年3月、ビクターエンタテインメント(東京都港区)がリリースしたちあきなおみの「THREE HUNDREDS CLUB」(2500円)は、「ゴールデン・イヤリング」などのスタンダードジャズに、来生えつこや荒木とよひさらが新たに日本語の歌詞をつけているのが特徴だ。

【雑誌の特集も人気】

50代男性がターゲットの「男の隠れ家」(あいであ・らいふ刊)では、昨年11月号でジャズを特集。山野楽器などのレコード店には、雑誌の切り抜きをもってCDを購入しに来る40〜50代の男性も多いという。「一昨年に組んだジャズ特集号が、今までで一番売れたことから、再度特集を組みました」と、奥紀栄副編集長。18日には、この2つの特集を合わせた別冊「ジャズを巡る旅」も発売された。奥副編集長は、「若いころジャズを聴いていた人が大人世代になって、ジャズをもう一度楽しむ時間の余裕ができた。昔を懐かしむだけでなく、今を楽しもうという気持ちで聴いているのだと思います」。

【FMラジオでジャズを楽しむ】

ガタンゴトンという列車の音と汽笛で始まるJ−WAVE(東京都港区)の「ミッドナイト・トレイン」(月〜木曜24時〜24時30分)は、昨年10月にスタートした、ライブハウスでのライブ音源だけを放送する音楽番組だ。同社編成局の斎藤日出夫編成局長によると、「旅での偶然の人との出会いと、その会場でその時だけに楽しむライブには一期一会という共通点がある。旅情をかきたてる番組作りを目指しています」。ライブの収録先は東京・丸の内の「コットンクラブ」をはじめ国内外さまざまで、「ほとんどが外国人ミュージシャンの演奏で、ジャズライブは4割。『旅に出たくなった』など、リスナーにも好評です」と斎藤さん。

おすすめの昭和のジャズ復刻CDあれこれ
<昭和のジャズ復刻シリーズ(ディスクユニオンDIW/Think!)>
★松本英彦「松本英彦のモダン・ジャズ」(2520円)=戦後の日本のテナーサックス奏者を代表する松本英彦の演奏が満喫できる。世良譲(ピアノ)や沢田駿吾(ギター)など、そうそうたるメンバーが参加。「五つの銅貨」「テンプテーション」などを収録
★松尾和子「夜のためいき」(2520円)=八木正生クインテット、小原重徳とブルーコーツが伴奏をつとめる本格的ジャズアルバム。「イパネマの娘」「いとしのヴァレンタイン」などを収録
<昭和ジャズLegend(ソニー・ミュージックジャパン インターナショナル)>
★渡辺貞夫「SADAO WATANABE」(2730円)=日本ジャズ界の大御所、渡辺貞夫がアフリカに傾倒し始めたころの作品。オリジナル楽曲「ササ」「ムトト」などを収録、1972年度のスイングジャーナル誌ディスク大賞「日本ジャズ賞」に輝いた。
★日野皓正「トランス・ブルー」(2730円)=世界を舞台に活躍するトランペッター日野皓正のCBSソニー時代の代表作。「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」などに加え、作曲家としての出世作「アローン、アローン・アンド・アローン」も収録
★マリーン「ファースト・ラブのように」(2730円)=アジアの歌姫マリーンのファーストアルバム。「ユーヴ・ガット・ア・フレンド」など不朽の名曲を数多く収録
★笠井紀美子「TOKYO SPECIAL」(2730円)=笠井紀美子が全曲日本語オリジナル曲を歌う名盤。作詞は安井かずみ。筒美京平、山下達郎、矢野顕子らが作曲を手がけた
<日本のジャズ・ジャイアンツ(BMGジャパン)>
★渡辺貞夫「渡辺貞夫とシャープス&フラッツ」(2310円)=日本のトップバンド、シャープス&フラッツとの共演。「ケベック」「酒とバラの日々」など、スケールの大きな演奏が楽しめる
★鈴木章治とリズム・エース「アニヴァーサリー・アルバム」(2310円)=ファンのリクエスト上位10曲をレコーディングした結成35周年記念盤。「サマータイム」「ミスティ」などを収録