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2008年01月11日 紙面より

駅弁大会のシーズン到来!全国のご当地グルメが大激突!

東京・新宿の京王百貨店の「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」

東京・新宿の京王百貨店の「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」

奥羽本線米沢駅「牛肉どまん中」(1000円)

奥羽本線米沢駅「牛肉どまん中」(1000円)

今年もデパートの駅弁大会の季節がやってきた。首都圏では10日に開幕した東京・新宿の京王百貨店の「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」を皮切りに、あちこちで続々と開催される。人気駅弁の“対決”シリーズで知られる京王百貨店では、今年は牛肉を使った駅弁が激突する。また、五輪誘致に燃える東京で、44年前の東京五輪当時の駅弁が復刻されるなど話題も豊富だ。正月明けは故郷や旅への思いが色濃い時期。郷愁誘う駅弁の味は、まさにこの季節の風物詩でもある。

山陰本線和田山駅「但馬の里 牛肉弁当 牛王」(1100円)

(上)山陰本線和田山駅「但馬の里 牛肉弁当 牛王」(1100円)。(下)山陰本線松江駅「およぎ牛(うし)弁当」(1200円)

山陰本線松江駅「およぎ牛(うし)弁当」(1200円)

22日まで開催中の京王百貨店「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」。昭和41年に始まった“老舗”で、47都道府県から約200種類の駅弁が集結、日本一の規模を誇る“駅弁の甲子園”だ。

同店によると「今年の注目は、ここ数年、男性を中心に人気が急上昇している牛肉系の駅弁です」。毎年、実演販売のブースの周囲に長い行列ができる恒例の対決シリーズは、「『牛肉』三つ巴対決」と銘打ち、8年ぶりに牛肉を使った駅弁の戦い。前回(平成12年)、初登場ながら1万6000個を売り上げて大勝、その後も牛肉系駅弁の王座に君臨する奥羽本線米沢駅の「牛肉どまん中」(1000円)に、山陰本線和田山駅の「但馬の里 牛肉弁当 牛王」(1100円)と山陰本線松江駅の「およぎ牛(うし)弁当」(1200円)が挑戦する。

前回、「牛肉どまん中」に敗れた福廼屋総合食品(兵庫県朝来市)の福井好二社長は、「実演のやり方や関東のお客さんの好みを研究して、『牛王』で再挑戦」という。前回の焼肉風の2段重ね弁当から、関西のすき焼き風の1段弁当に変え、兵庫県産の牛の薄切り肉と玉ねぎ、地元和田山のたまり醤油を使用。肉のうまみと甘味、醤油のまろやかな風味が絶妙に絡み合う。同社長は「ボリュームもあり、味も納得がいくものができた。『牛肉どまん中』は横綱やけど、肉のおいしさ対決なら負けない」と自信を見せる。

一方、「1日1200個を目標に、体が続く限り作り続ける」と話すのは、「およぎ牛弁当」で初挑戦する一文字家(島根県松江市)の景山直観専務だ。とろけるような柔らかさの知夫里(ちぶり)島(島根県隠岐諸島)生まれの島根和牛「潮凪牛」の薄切り肉を奥出雲で醸造された醤油と、松江の老舗酒蔵が料理用に開発したアミノ酸たっぷりの日本酒で甘辛煮し、島根県産コシヒカリの上にのせた。

ユニークな名前は、「知夫里島の牛が牧草を求めて島から島へと泳ぐ古くからの風習にちなんで名付けた」(同専務)ものだ。地元食材と郷土の味へのこだわりも強く、「この弁当で地元自慢がしたい。島根県代表という気持ちで臨みます。食べた人が松江や隠岐の魅力を感じ、訪れてみたいと思ってくれれば最高です」(同専務)。小さな箱に、その土地ならではの食材や料理法、故郷への郷愁、旅の記憶などがぎっしり詰まった駅弁。駅弁は、永遠のトレンド商品でもある。


■京王百貨店の駅弁大会あれこれ

★売り上げ=人気は想像を絶し、同店によると、「昨年は、13日間の会期中、約6億6000万円、約36万6000個の駅弁を販売しました」。
  ★来店者数=1日の最高来店者数予測は11万人以上で「例年、正月の初売りを抜いて年間1位になる」(同店)という。
  ★魅力=現地と同じ日に、同じ価格での販売。毎朝、明け方に現地を出発した出来たての駅弁が、航空便やトラック便で会場に到着する。
  ★担当者の声=「ちゃんと届くかどうか会期中の天候が一番の心配事」と同店。約30業者による店内での実演販売は、毎年、長蛇の列ができる人気ぶりで、「ずっと下を向いて作業をしていて、お客さんの顔をみる暇もなかった」と話す業者も多い。ひたすら弁当を作り続け、実演販売中に貧血を起こした人もいたという。

昨年の京王百貨店「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」
実演販売駅弁売上個数ベスト10
1位 いかめし(470円) 北海道/函館本線・森駅 5万8874個
2位 牛肉どまん中(1000円) 山形県/奥羽本線・米沢駅 2万3697個
3位 氏家かきめし(950円) 北海道/根室本線・厚岸駅 1万3440個
4位 甲州かつサンド(550円) 山梨県/中央本線・小淵沢駅 1万3396個
5位 飛騨牛しぐれ寿司(1050円) 岐阜県/高山本線・高山駅 1万3119個
6位 たらば寿し(1350円) 北海道/根室本線・釧路駅 1万2872個
7位 神戸牛100%ミンチカツ港町レストラン(1050円) 兵庫県/山陽新幹線・新神戸駅 1万2834個
8位 ふくめし(1800円) 福岡県/鹿児島本線・小倉駅 9805個
9位 やまゆりポーク2豚弁当(980円) 神奈川県/東海道本線・大船駅 9521個
10位 いわしのほっかぶり寿司(990円) 北海道/根室本線・釧路駅 9409個
※7位の「神戸牛100%ミンチカツ港町レストラン」、8位の「ふくめし」、9位の「やまゆりポーク2豚弁当」は前回大会期間中だけの限定販売

【毎日が駅弁大会「駅弁屋 極」】

東京駅「GranSta(グランスタ)」内の「駅弁屋 極(きわみ)」

昨秋、JR東京駅地下コンコースに誕生したエキナカ商業施設「GranSta(グランスタ)」内の「駅弁屋 極(きわみ)」=写真。各地の駅弁約45種類が常時並び、毎日、駅弁大会気分が楽しめる店だ。

運営する日本レストランエンタプライズ(東京都港区)によると、「有名駅弁だけでなく、名前は知られていないけれどおいしい駅弁を発掘し、紹介する提案型の店」。たとえば、今月は東海道線の熱海、小田原駅の「橙ずし」(1100円)を用意。「だいだいの上品な香りと酸味にこだわった、知る人ぞ知る駅弁です」(同)。

同店限定駅弁もあり、「日本初のもちの駅弁『東京もちべん』(900円)は、多い日には1日200個販売する人気商品です」と同社広報室の近藤昌昭次長。おにぎりのかわりに塩味のもちが入っており、「おもちの柔らかさを保つのに試行錯誤を繰り返し、2年越しで完成させました」(同)という自慢の弁当だ。さらに、「東京駅の新しい名物駅弁を作る」と企画、開発されたのが「銀の鈴幕の内弁当〜日本ばし〜銀幕」(1800円)。「銀にちなんだ食材と日本橋の老舗料理店の味にこだわっている」(同)という。

【東京オリンピック当時の駅弁が復刻】

東京オリンピック、東海道新幹線開業の昭和39年。日本食堂(現・日本レストランエンタプライズほか)初の洋風弁当「チキン弁当」が東京駅に登場した。同弁当はその後、リニューアルを重ねながら、現在も販売される人気長寿弁当。今回は京王百貨店の駅弁大会限定で、内容、味付け、容器まで、発売当時そのままの「復刻チキン弁当」(800円)が並ぶ。

素朴なケチャップライスにちょこんとのったグリンピース。醤油味の鶏のから揚げ、ショウガの甘酢漬け。洋食が“ごちそう”だった時代の味が再現されている。

「駅弁には、その時代の自分に時間を戻してくれる不思議な力がある。そういう力がないとヒットしないし、ロングセラーにはならない。(『復刻チキン弁当』は)洋食を食べたときの誇らしげな気持ちがよみがえってくると思いますよ」と日本レストランエンタプライズ(東京都港区)広報室の近藤昌昭次長。

首都圏で開催されるその他の主な駅弁大会
上野松坂屋「全国有名駅弁大会」/地下鉄上野広小路駅前/30日〜2月5日=昭和34年に初開催の関東最古参の大会。約100種類の駅弁がそろう。氷見線氷見駅の「ぶりかまめし」(950円)。常磐線水戸駅からは器の形にもこだわった「印籠弁当」(1100円)も登場。奥羽本線米沢駅の「牛肉どまん中」(1000円)や函館本線森駅の「いかめし」(470円)、高山本線高山駅の「飛騨高山 牛しぐれ弁当」(1050円)などが人気。懐かしい駅弁の立ち売り実演も行われる予定
西武百貨店池袋本店「全国有名寿司・弁当とうまいもの会」/JR池袋駅前/16〜22日=江戸前、大阪すしの老舗、ご当地自慢のお弁当や全国有名駅弁・空弁、スイーツが大集合。46種類の駅弁・空弁のうち40種類が新登場。総武本線千葉駅「勝浦鰹漬け炙り盛り」(920円)、小田急線小田原駅「花めぐり弁当」(1000円)などの東京近郊の駅弁や、人気の東北本線八戸駅「貝焼きうにの大漁浜めし」(1400円)や同仙台駅の「南三陸松島かきめし」(1000円)も並ぶ
小田急百貨店町田店「全国うまいものと有名駅弁まつり」/町田駅前/30日〜2月5日=全国各地の話題の店や有名駅弁など、約60店が出店。小田急線「ロマンスカー弁当」(900円)も登場。東京・恵比寿の人気店「キムカツ」のトンカツなども販売
さいか屋藤沢店「全国有名駅弁とうまいもの会」/JR・小田急線藤沢駅前/〜15日=約70種類の駅弁が集結。注目は、懐かしの復刻弁当特集。高崎線高崎駅に昭和35年登場して以来ロングセラーの陶製のだるまの容器入り駅弁が当時の姿の「復古だるま弁当」(1300円)に。平成元年廃線の旧名寄本線興部駅のほたて弁当も「廃線駅弁当復刻・ほたてしめじ弁当」(750円)として登場する。明治32年、日本初のサンドイッチを駅弁として発売した東海道本線大船駅の「大船軒・復刻サンドウィッチ」(380円)も人気
西武百貨店所沢店「全国の有名駅弁とうまいもの会」/西武線所沢駅前/〜20日=全国の有名駅弁60種が登場。初登場は5種で、焼きふぐやから揚げなどが入る大阪駅の「ふぐづくし弁当」(1000円)や、青森県大間産本マグロの切り身とそぼろが楽しめる東北本線青森駅「大間のまぐろまっしぐら」(1200円)。実演には、ウニ、カニ、イクラがたっぷりの函館本線旭川駅の「三色弁当」(1381円)など