グルメ・情報

2008年01月04日 紙面より

上方落語で初笑い!「なにわ探検クルーズ」が大人気

落語家と行く なにわ探検クルーズ

落語の“本家”を船でめぐる「落語家と行く なにわ探検クルーズ」。若手落語家の柔らかくて調子のいい浪速トークに、船内は盛り上がる

笑う門に福来たる。大人世代なら、文化の香りがする上質な笑いで、福を招きたい。おすすめは上方落語。漫才のイメージが強い大阪だが、実は、古典落語の7〜8割は上方生まれ。噺の中には、さまざまな大阪の橋や寺も登場する。“本家”大阪で催行中の「落語家と行く なにわ探検クルーズ」なら、そんな落語ゆかりの地を船から眺められる。また、大阪天満宮の境内にある「天満天神繁昌亭」で、上方落語にどっぷり浸かるのもいい。初笑いは落語で、今年の運をつかまえよう。

大阪を代表する繁華街ミナミの難波・湊町船着場から道頓堀川、木津川、堂島川、土佐堀川など、市内の河川をロの字に周遊。「玉江橋から南に天王寺の五重塔が見える。本当は南東にあるのに、なんで南に見えるんやろ。これが大阪の七不思議や…」。若手落語家の、柔らかくて調子のいい大阪言葉のガイドに船上がわく。大阪観光の目玉としても人気の高い「落語家と行く なにわ探検クルーズ」の船内は、笑いが絶えない。

「落語家が、上方落語に登場する大阪の名所を案内するのが、『落語家と行く なにわ探検クルーズ』。落語の場面をちらりと切り取って披露しながらガイドするから、飽きささへんのです」。そう話すのは、同クルーズを運航する一本松海運(大阪市北区)運航管理者の一本松英三さん。所要時間は約1時間30分(料金大人2500円)で平成15年に就航。昨秋にはのべ乗船者数10万人を超えた人気クルーズだ。

「難波橋を通るときは『船弁慶』、玉江橋では古典落語の『さぎとり』。こうした噺が随所に登場する。ふつうの人がガイドしたんじゃおもろくないただの橋も、落語を使って紹介すると意味がでてくる。大阪の歴史や文化、人情が肌に伝わってくるんです」と一本松さん。ツアー途中には、水門や船の屋根がついてしまいそうな低い橋が待ち構えている。道頓堀の有名な看板や飛び込み名所でも“おもろい”浪速トークが炸裂する。

東京周辺からの参加者も多く、「上方落語のエッセンスがいっぱい入っているので、上方落語入門編としてもいい」(同)という。

上方落語を観光にも役立てようと、大阪観光コンベンション協会では、「『大阪まちあるき』音声観光ウォーキング」も用意。「上方落語の舞台を歩く」では、桂春之輔さんが、落語の舞台となった名所やゆかりの地を大阪の歴史や文化をまじえながら、軽妙な語りで案内。古き良き庶民の生活模様を追体験することができる。

ちなみに、落語を楽しむには「むずかしいことを考えないのが一番」というのは、平成18年9月に約60年ぶりに復活した上方落語の定席「天満天神繁昌亭」(大阪市北区)の恩田雅和支配人。

複数の人物をひとりで演じ分け、言葉と仕草で笑わせ、泣かせる落語。お客の想像力に訴える話芸は、人生経験が豊富な大人世代の初笑いにぴったりだ。

【上方落語の定席「天満天神繁昌亭」で本物を楽しむ】

天満天神繁昌亭

どっぷりと上方落語の世界を楽しみたいなら、平成18年9月に約60年ぶりに復活した上方落語の定席「天満天神繁昌亭」(大阪市北区)=写真=がおすすめだ。

昔ながらの浪速の下町情緒が味わえる大阪天満宮の中にあり、オープン以来、連日満員の大人気ぶりだ。

高座には、江戸落語にないひざ隠しと見台(演者の前に置く小さな机)があり、ここぞという場面では、噺家が小拍子(小さな拍子木)で見台をたたく。噺の途中に、三味線や太鼓などの鳴りものも入る。恩田雅和支配人は、「上方落語は派手で賑やか。お客さんを飽きさせない工夫がされている。初めてきいても、ひきこまれていく面白さがあります」と話す。

【新宿「末廣亭」で落語を楽しむ】

寺社造り風の外観にずらりと並ぶ寄席文字の招木、落語家の名前を大書したのぼり。東京・新宿の「末廣亭」には、昭和21年の建築当時のままの風情がただよう。年末の2日間以外は毎日落語が楽しめるが、人気は現在公演中の「寿正月初席」(〜10日、3000円)。14時30分からの第2部には、春風亭昇太、桂米助、三遊亭小遊三、桂歌丸ら、そうそうたる顔ぶれがそろい、開演前に、300人以上の長蛇の行列ができるほどだ。「初笑いを楽しもうと、毎年地方から上京してくる常連のお客さんも多い」と真山由光専務。演目は、「初天神」や「七福神(かつぎや)」など、正月らしいおめでたい噺ばかり。「楽しくてわかりやすい噺が多いので、初めて寄席で落語をきく人にもおすすめ」(同)

◆東京周辺の落語の定席◆
★浅草演芸ホール(東京・浅草)/TEL03・3841・6545=昭和39年に誕生した、下町を代表する笑いの殿堂。10日まで行われる「1月初席」1・2部には、林家きく姫、林家木久蔵、林家いっ平、橘家圓蔵ら。3・4部には、林家正蔵、三遊亭金馬らが出演
★鈴本演芸場(東京・上野)/TEL03・3834・5906=昨年創業150年を迎えた老舗の定席。7〜10日の「正月初席後半」の昼の部には林家正蔵らが、夜の部には柳家小三治らが出演
★池袋演芸場(東京・池袋)/TEL03・3971・4545=席数93席とこぢんまりとした寄席。高座と客席が近く、マイクを使わないため、落語家の肉声をきくことができる。10日まで行われている「1月上席」には、三笑亭笑三、三遊亭小遊三、春風亭小柳枝らが出演
★国立演芸場(東京・隼町)/TEL03・3265・7411=歌舞伎の上演などで知られる国立劇場の裏手にある。7日まで、桂歌丸ら演芸界のトップが勢ぞろいする「新春国立名人会」を実施。11〜20日の「1月中席」には、三笑亭夢太朗らが出演
★横浜にぎわい座(横浜・野毛町)/TEL045・231・2515=テレビ・ラジオでおなじみの名司会者で落語通でもある玉置宏さんが席亭をつとめる。6日まで、「新春特選演芸会」を実施。11〜15日の「有名会」には、三遊亭小遊三らが出演