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2007年10月27日 紙面より

睡眠時無呼吸症候群 「うつぶせ寝」で予防

40〜60代の太り気味の男性に多い「睡眠時無呼吸症候群」。睡眠中、一時的に呼吸が止まった状態を何度も繰り返す病気だ。ほとんどの場合、本人は呼吸が止まっていることに気がつかず、騒音のようないびきを指摘されるぐらいだが、日中の眠気や集中力の低下を招き、脳卒中や心筋梗塞などのリスクをも高めてしまう。運転中の眠気などから、大事故も招きかねない「睡眠時無呼吸症候群」。その実態と、最近注目の予防&治療法とは。

いびきがうるさい、たっぷり眠ったはずなのに日中の眠気がとれない、朝起きたときに頭痛や頭重感がある。こうした症状がある場合、「『睡眠時無呼吸症候群』の疑いがある」と、豊橋メイツクリニック睡眠医療センターの小池茂文センター長は警告する。

主な原因は、肥満や加齢による筋肉のゆるみなど。ただし、「日本人は鼻が低く、顔に奥行きがないなど『睡眠時無呼吸症候群』になりやすい骨格をしている。面長の人などは、やせていても無呼吸は起こる」(同センター長)というから、「太っていないから大丈夫」と思うのは早計だ。

「睡眠時無呼吸症候群」が起こるメカニズムはこうだ。仰向けになると、下あごのオトガイ舌筋という筋肉がゆるみ、眠ると、重力の影響で舌がのどの奥に下がってきて気道が狭くなる。そこでいびきが発生し、さらに気道が閉塞され、一時的に空気が通らなくなると、無呼吸になる。

この無呼吸状態を1時間に5回以上繰り返すのが「睡眠時無呼吸症候群」で、「呼吸が止まることで脳が起き、睡眠が浅く、眠っていないのと同じ状態になる」と小池センター長。呼吸が止まった時間が長くなればなるほど、体内の酸素は不足。血液中の酸素飽和度は、日常話しているときは97〜98%程度で、1分間息を止めて苦しいと感じるのが88〜90%。80%以下になると、5000メートル級の山の上と同じ酸素レベルになる。

「呼吸が止まった状態で、酸素飽和度がヒマラヤ山頂並みの50%以下になる人も少なくない。本人に自覚はありませんが、眠っている間に気絶している可能性さえあり、本当は大変なこと」(同センター長)。

その結果、日中も眠気が続き集中力が低下。仕事の能率低下を招くばかりか、運転中などは大事故につながる危険も。また、糖尿病などの全身疾患も誘発する(関連)。

予防・治療には、空気の通り道である気道を確保することが不可欠。鼻マスクを利用して空気を送り込み、圧力で気道が閉じないようにする経鼻的持続陽圧呼吸法「CPAP(シーパップ)」が有効だが、小池センター長が簡単にできる予防&治療法として勧めるのが「うつぶせ寝」だ。

「うつぶせに寝れば、重力で舌がのどの奥に下がって気道を狭くすることがなくなる」と同センター長。クッションなどを利用するほか、うつぶせ寝に適したベッドなども販売され、実際、うつぶせ寝用ベットを使用した結果、「中等症・重症者の無呼吸の回数が、痩せた人で約半分、肥満者で約4割減少した」(同センター長)という。

ただし、すべての人に効果があるとは限らないため、早めに専門医を受診することが大切だ。

【「睡眠時無呼吸症候群」予防のための生活習慣】

同症候群を予防し、悪化を防ぐには、「まずは、やせることが大切」と小池センター長。やせてあごの中が広くなることで、気道の閉塞も防げ、いびきの改善にもつながる。また、深酒も無呼吸の回数を増やす要因となるので、注意が必要だ。ほかにも、タバコの本数を減らすことも大切。喫煙は呼吸機能を衰えさせ、無呼吸の低酸素状態が強くなるからだ。食生活では、睡眠の質を悪くする夜遅い時間の脂っこい食事は極力避けるなどがある。

【睡眠時無呼吸症候群が引き起こす病気】

「睡眠時無呼吸症候群」は、生活習慣病の発症や悪化に関係する。  「成長ホルモンの分泌の低下や、インスリンの効き目が悪くなる」(小池センター長)ことから、やせにくくなり、糖尿病の発症や悪化につながるのだ。また、自律神経の活動が活発になるため血圧が上昇する。
   一方、胸腔内の圧力が胃よりも低くなり胃液が吸い上げられ逆流性食道炎になる。血液中の酸素不足や睡眠不足の影響で、動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクが何倍にもはねあがる。
   ほかにも、EDや痛風など、さまざまな病気を引き起こす。「自分では気がつかないことがほとんどなので、隣で寝ているパートナーの指摘も大切です」。

◆「睡眠時無呼吸症候群」チェックリスト◆
(1)よくいびきをかく、またはいびきが大きい(★☆)
(2)睡眠中に呼吸が止まる、あるいは苦しそうと言われたことがある(★☆)
(3)睡眠中に息苦しさを感じ、目が覚めたことがある(★☆)
(4)きちんと睡眠時間をとっているのに、仕事中など、昼間に眠気に襲われることがたびたびある(★)
(5)十分眠ったのに、起床時に疲れた感じがある(★)
(6)大事な仕事中や車の運転中に居眠りしたことがある(★)
(7)夜中によく目が覚める(☆)
(8)睡眠中によく動く(寝相が悪い)と言われる(☆)
(9)よく寝汗をかく(☆)
(10)夜中に2回以上トイレに行く(前立腺肥大の人は除く、☆)
(11)朝起きたとき、頭が重い、あるいは頭痛がする(☆)
(12)高血圧、肥満、高脂血症、糖尿病のいずれかがある(☆)
(13)夜間、あるいは朝起きたときに胸やけがする(☆)
(14)肥満、糖尿病、ストレスなどがないのにED(勃起障害)がある(☆)
(15)尿酸値がいつも高めである(☆)
※該当する項目の★と☆の数を計算。★印が1つ以上あり、かつ★と☆の合計数が3つ以上なら「睡眠時無呼吸症候群」の疑いあり