グルメ・情報

2007年06月01日 紙面より

銀座産純粋はちみついかが? 今が旬!採取の最盛期

大都会の真ん中の養蜂場で生産される純粋はちみつから作られた“銀座スイーツ”は、今が旬の味だ

「お堀一番のお江戸蜜」

健康志向を背景に人気の高いはちみつ。古くから不老長寿の薬として親しまれ、今も健康食品として料理やデザート、飲み物など幅広い分野で使われ人気が高い。そんなはちみつが東京のど真ん中で作られていることをご存知でしたか? 巷では「偽はちみつ」が騒動になっているが、こちらは正真正銘の純粋はちみつ。実は4月から5月ははちみつ採取の最盛期で、採れたてのはちみつが出回る時期。旬のはちみつのさまざまな楽しみ方を紹介する。

銀座で育ったミツバチが集めたはちみつを、銀座の街で楽しんで−。

銀座3丁目の自社ビル屋上(地上45メートル)でミツバチの飼育に夢中なのは、紙パルプ会館の田中淳夫さん。銀座の街が元気になればと考える市民団体の有志らよる「NPO銀座ミツバチプロジェクト」の副理事長だ。

岩手県の養蜂家、藤原誠太さんの指導のもと、昨年から同所に巣箱を3つ置き、養蜂を始めた。昨年の採蜜量は約150キロ。今年は約10万匹のミツバチを飼育し、6月上旬までに200キロ以上の採蜜を見込んでいる。

春のソメイヨシノに始まり、菜の花、マロニエ、ユリノキ、そしてミカンなどの柑橘類まで。花の種類によって色や香り、糖度が異なるはちみつが採取できるという。

とはいえ1日に40万人が行き交う街中で蜂を飼うなんて…。

「苦情はありませんでした。銀座の街が成熟しているからか、街と自然が共生する新しい街の価値として受けとめてくれた」と田中さん。

同プロジェクトは銀座で生産、収穫、加工したものを、銀座で消費する“地産地消”がテーマ。一般販売はせずに、プロジェクトに賛同した店に利用してもらい、さまざまな形で消費者に提供される(別表)。どれも銀座でしか味わえないものばかりだ。

東京のはちみつといえば、永田町にある社民党本部屋上も有名。平成14年に前出の藤原さんとはちみつ専門店「花めぐみ」を営む吉田幹夫さんが、都心の緑に目をつけたのがそもそもの始まり。「事実、皇居や赤坂御所、浜離宮、明治神宮、新宿御苑など、蜜原の宝庫だった」と吉田さん。こちらは「お堀一番のお江戸蜜」として桜、マロニエ、ユリノキ、ミカンの4種類が販売されている。吉田さんは「花それぞれの自然な味わいが楽しめる癖のないはちみつ。毎年完売する人気商品です」という。

1匹のミツバチがその生涯をかけて作るはちみつは、わずかにスプーン1杯程度。しかし、そこには人間のエネルギー源になる糖分や健康維持に有効なビタミンやミネラルが豊富に含まれている。また、昆虫の少ない都会でハチを飼うことは、自然サイクルの正常化に役立ち、ミツバチの黒いものを攻撃する習性は、増えすぎたカラス対策としても注目されている。銀座や永田町で育ったミツバチから得るものは想像以上に多いのかもしれない。 

★箱根ではちみつ風呂はいかが?

お風呂の大遊園地「箱根小涌園ユネッサン」(写真=神奈川県箱根町)では、7月11日まで「はちみつ風呂」が楽しめる。小田原市曽我で養蜂場を営む神保義光さんの協力で実現した。

1日2回、10時30分と14時にはちみつ(各450ミリリットル)を浴槽に投入。はちみつは、古くから皮膚病や傷の手当ての薬として重宝し、美容効果も期待できる。併用するオリジナル入浴剤にもローヤルゼリーエキスを配合し、1個150円で販売もしている。

「はちみつの収穫時期により、レンゲやミカンといった花の香りも楽しめます。いつもと違ったはちみつの楽しみ方を体験してほしい」と企画課の興津実佳さん。

自宅の風呂でも楽しめるが、その際には風呂釜の取り扱い説明書などを確認しよう。問い合わせはTEL0460・82・4126。

★ミツバチからオペラ誕生

「銀座ミツバチプロジェクト」は今年、採蜜作業と並行して、銀座生まれの新作オペラの上演をしようという企画を進めてきた。

「パリのオペラ座の屋上テラスで養蜂していることを知り、銀座でもできると思った」と前出の田中さん。ミツバチとオペラが銀座とパリを結ぶわけだ。

物語は江戸時代からタイムスリップした若者「新八」と現代の銀座ミツバチプロジェクトの「世話人」を案内役とし、銀座の街を巡りながら都市と自然、いのちの共生へ思いを広げる。6月4・5・6日の3日間、銀座王子ホールで「オペラthe銀座 銀ぱち物語」を公演する予定。19時開演。4500円。問い合わせはhttp://www・gin−pachi・jp

★純粋はちみつの「純粋」とは

5月14日、新聞紙上で「人工甘味料などを混入した疑いのある商品が『純粋はちみつ』として販売されている」と報じられ起きた「偽はちみつ」騒動。全国はちみつ公正取引協議会によると、はちみつの割合が60%以上のものにオリゴ糖、ブドウ糖果糖液糖などを加えたものは「加糖はちみつ」と呼んで区別しているが、それを「純粋はちみつ」と偽ったのが問題になっている。

手を加えていない意味の「純粋」も、同協議会がはちみつの容器や包装に表示する文言を「純粋」または「Pure」で統一しようと定めているだけのこと。

国内で消費されるはちみつの約95%を占める輸入品の場合、生産国の公的機関で検査した分析表を通関時に提出する義務や抗生物質の検査も必要だが、日本でびん詰めをする際に手が加えられる可能性はある。前出の吉田さんは、こう話す。

「ミツバチが植物の花蜜を集め、巣に貯えたものは、“純粋”で“天然”に決まっている。最終的には消費者に信用してもらえるように努めていくしかありません」

◆銀座ミツバチプロジェクトはここで味わう◆
★松屋銀座(中央区銀座3の6の1TEL03・3567・1211)=6月末(採蜜状況によって変更される可能性あり)まで、地下1階食品売場の限定店舗でオリジナルスイーツを販売中。「ミクニ ギンザ」は銀座のはちみつを生地にもコーティングにもふんだんに使用したパウンドケーキ「銀座のはちみつケーク」(1260円)や「銀座文明堂」の「銀座はちみつカステラ」(1260円)など
★BAR5517/LA VIOLA(同区銀座5の5の17三笠会館本店TEL03・3571・8181)=地下1階の「BAR5517」ではオリジナルカクテル各種(各1470円)を、1階のイタリアンバール「LA VIOLA」では「銀座のはちみつカプチーノ」(800円)などを用意
★アンリ・シャルパンティエ銀座本店(同区銀座2の8の20TEL03・3562・2721)=フランス式オリジナル前発酵バターを使用したマドレーヌに、銀座はちみつを後から注入した「銀座ハチミツ・マドレーヌ」(210円)を6月下旬まで個数限定販売
★タリーズコーヒー銀座店(同区銀座4の7の11銀座イレブン たきんビル)TEL03・3561・0135=30日まで、銀座はちみつを使った「銀座ハニーミルクラテ」(370円〜)を販売
※いずれもはちみつがなくなり次第終了

◆こだわりのはちみつ専門店◆
★店名(所在地、電話番号、営業時間・定休日)=特徴
★花めぐみ三軒茶屋本店(世田谷区三軒茶屋2の6の7TEL03・5486・8383、10時〜18時、月休、第3火休)=都内で社民党本部屋上で採蜜した「お堀一番のお江戸蜜」(100グラム1050円、250グラム2625円)が買えるのはここだけ。他に厳選した国産はちみつ、ジャムなどのはちみつ加工品も扱う。店頭販売のはちみつ焼も人気。ネットから通販可
★シェイラ アンド ロコ(目黒区自由が丘2の9の20河津ビル地下1階TEL03・5729・2277、11時〜19時30分、火休)=ショ糖0%という世界一の品質を誇るスコットランド特産「へザーヒルズ・スコティッシュ・ハニー」を輸入・販売。オーナーのつやつや肌をみれば品質のよい天然はちみつの効果は一目瞭然。ニュージーランド産ハーブティーとの相性も抜群
★ハニーファーム(目黒区東山1の17の4TEL03・5725・0841、10時〜19時、日休)=藤井養蜂場のはちみつのほか、カナダ、ニュージーランド、アルゼンチン、ブラジル、スペインなどのはちみつも多数揃える。甘味としてはちみつだけを使ったケーキ、焼き菓子も人気。産地、生産方法、トレーサビリティにこだわったローヤルゼリーもおすすめ
★神楽坂ピービーズ(新宿区箪笥町18の3TEL03・3235・7858、10時〜19時、不定休)=ニュージーランドの養蜂家による完熟はちみつを直輸入。養蜂の段階から無農薬にこだわったもののみを取り扱う。栄養満点の「コムハニー(巣蜜)」、ピロリ菌撃退として有名な「マヌカ蜂蜜」、珍しい黒ブナの樹液を集めた「ハニーデュー蜂蜜」などが売れ筋
★ポコ ア ポコ(世田谷区豪徳寺1の54の2TEL03・5450・2338、10時〜18時、水休)=今年咲いたソメイヨシノの花から採れた新蜜「桜・ソメイヨシノはちみつ」(採蜜地・千葉県)や愛媛県から届いた透明感のある「初夏の花はちみつ」など、花別に50種類以上を揃える。ラベルも凝っていてギフトにも人気。ネットから通販可