グルメ・情報

2007年01月13日 紙面より

「アーユルヴェーダ」を取り入れて免疫力アップ

自然治癒力を高めるアーユルヴェーダは大人世代の健康作りに役立つ

インドやスリランカでは日常的に使われているアーユルヴェーダ。薬草やハーブオイルなどを使って、体全体のバランスを整えつつ患部に働きかけて、自然治癒力を高めながら完治へと導いていく伝統医療だ。病気の治療だけではなく、“病名がつけられる状態直前”である「未病」予防にも役立つ。毒素排出や栄養のバランスなどにもこだわっており、日常生活に上手に取り入れれば、大人世代の健康維持に有効だ。

東京都目黒区のハタイクリニックは、アーユルヴェーダを取り入れた統合医療を行っている珍しい医院。同院長で、日本アーユルヴェーダ学会の前理事長幡井勉・東邦大学名誉教授によると、「アーユルヴェーダでは食事の取り方を非常に重要視しています。体内に毒素をためないようにすることが肝心です」。実は、最近注目の毒素排出や解毒といった健康法も起源はアーユルヴェーダなのだ。

この「毒素をためない食事の取り方」は、食べ過ぎないこと、あるいは消化力にあった食事をすることがポイント。

「食べ過ぎれば、消化できなかったものは体内に蓄積されて毒素となり、やがて病気の原因になる」と同教授は指摘。

それを防ぐには、場合によっては食事を抜くことや週末のプチ断食も効果的だ。1日の中で最も重たい食事は、消化力の強い昼食に持ってくるのが理想。消化力の弱い人なら、コショウや唐辛子などの香辛料を積極的に調理に取り入れたり、食前にショウガのスライスを食べるといい。

ちなみに、食品の中で一般的な食べ方と異なるのがヨーグルト。日本では朝に食べることが多いが、実はヨーグルトは消化に時間がかかる。アーユルヴェーダで、朝はやめた方がいいとされる。

一方、たまった毒素を排出するためには白湯をたくさん飲むことが有効だ。同教授は「飲むのは冷たい水やジュースではなく、白湯にすると便秘症の人にも効果が現れる」という。

朝起きた時には、口の中にたまった毒素を吐き出すために、まずはうがいを。舌を白く覆うコケも毒素の一種なので、タングスクレイパーなどで洗浄するのもいい。

こうした方法なら、日常生活に取り入れやすい。毒素をためない生活を心がけて、免疫力を高め、健康とパワーを維持しよう。

【アーユルヴェーダとは】

4000〜5000年前のインドを起源とする伝承医学。薬草や木の根、葉、茎を煎じた薬や、ハーブオイルなどを用いて、治療する。患部だけを治すのではなく、体全体のバランスを整えつつ患部に働きかけて、自然治癒力を高めながら完治へと導いていく。治療以外にも健康維持、回復、未病予防にも重きを置く。食事の取り方を重要視し、日々の軽い運動や、精神的安定を求めるための瞑想も勧めている。

★免疫力アップに役立つパンチャカルマ

ハタイクリニック院長の幡井勉・東邦大学名誉教授は「当院の患者さんの7割はアーユルヴェーダを受けます」という。

これまでの治療例で効果を上げているのは、アーユルヴェーダ治療のうちパンチャカルマと呼ばれる療法の一種、瀉血療法を用いたアトピー性皮膚炎の治療。本来はヒルを使って行うが、同院では注射器で20cc程度の血液を採る。よい血液を作る作用を活性化させるに役立つとされ、これを何度か繰り返すことで症状の改善を図るというものだ。

また、うつ病患者に対しては、額にハーブオイルをたらすシロダーラを行い、全快した人も少なくない。

★精製バターのギーを常備

アーユルヴェーダの施術では、ギーと呼ばれる精製バターをよく使う。ギーは体のバランスを整え、コレステロールを抑制するとも言われており、消化器疾患に適用される。

簡単に作れるので、冷蔵庫に常備しておくと便利。無塩バターを鍋に入れ、弱火で加熱。溶けたら中火に。大きな泡が細かい泡になったら再び弱火に。泡がなくなり、いい香りが出てきたら火を止める。きれいに漉してビンなどにあければ出来上がり。炒め物などの調理に使ってもいいし、温めた牛乳に、茶さじ1〜2杯のギーを溶かして就寝前に飲むと便秘に効果があるとされている。

アーユルヴェーダの体質判断
 アーユルヴェーダでは、人の体質を大きく3種類に分けて考える。体内にはヴァータ、ピッタ、カパと呼ばれるドーシャ(エネルギーのようなもの)を持っており、どの傾向が強いかによって体質が決まる。下の通り身体的なことだけでなく、性格も体質に加味して考えるのが特徴。実際には、ヴァータとピッタなど、2つ以上の傾向を持っているケースが多く、厳密には全部で7種類の体質に分けられる。
ヴァーダ★特長=痩せ型、乾燥肌、ごわごわした髪質、体力がなく疲れやすい、睡眠が浅い、食欲が変則的、行動的だが長続きしない、気分がー変わりやすく心配性、記憶力はいい方だが忘れるのも早い/軽性、タ乾性、冷性
★注意した方がいい季節や食べ物=晩秋〜冬。渋味、辛味、苦味
★かかりやすい疾患=神経疾患、循環器疾患、神経痛、冷え性
ピッタ★特長=中肉中背、敏感肌、若白髪・若ハゲ傾向、適度に体力がある、適度な睡眠、食欲旺盛で食事を抜くのが嫌い、情熱を持ってやるべきことを追求、怒りっぽい、記憶力に優れる/軽性、乾性、熱 性
★注意した方がいい季節や食べ物=夏〜秋。辛味、塩味、酸味
★かかりやすい疾患=胃・十二指腸疾患、肝・胆・膵疾患、皮膚病
カパ★特長=ぽっちゃり型、脂性、髪にツヤがあって量も多い、体力も免疫力もある、睡眠が長く深い、消化力が低い、行動力に欠ける、包容力がある、理解は遅いがなかなか忘れない/重性、油性、冷性
★注意した方がいい季節や食べ物=冬〜春。甘味、塩味、酸味
★かかりやすい疾患=気管支炎、ぜんそく、鼻炎、糖尿病、腫瘤性 疾患