グルメ・情報

2006年11月18日 紙面より

大人世代の健康作りのエースだ「Aヨガ」

多忙な大人世代の健康作りのコツは、手軽にできて長続きする健康法を知ること。こんな条件にぴったりと注目を集めているのが、「Aヨガ」だ。プロ野球福岡ソフトバンクホークスの選手のヨガ指導者として活躍する山本邦子さんが考案したもので、起床後と就寝前にポーズを取るだけで、脳と体の活性化につながるという。基本は、体が本来持つ潜在能力を引き出して、健康作りにつなげようという理念。自然志向の時代にもふさわしく、トップアスリートたちもトレーニングに取り入れているという。

米国でアスレチック・トレーナーとしてMLBやNBAなどのプロスポーツ選手の健康管理をしている山本邦子さんが考案した「Aヨガ」(別項)

山本さんがヨガに出会ったのは米国留学中。西洋的なトレーニング方法に限界を感じていたときに、東洋的な神秘であるヨガの効果を心身のケアに応用できたら、と思ったのが「Aヨガ」誕生のきっかけだ。

その効果は米国だけでなく、ソフトバンクの斉藤和巳投手ら日本のアスリートにも知れわたり、劇団四季の俳優たちもウオーミングアップに「Aヨガ」を取り入れている。

こう聞くと、プロ選手向けのトレーニング方法のように思えるが、「実は、大人世代が抱えているストレスや生活習慣病対策にも効果を発揮するんですよ」と山本さん。

特に、起床時と就寝前に行う7つのポーズ(表と写真)は、脳をリフレッシュさせ、運動不足解消に最適だ。実践する時は、7つのポーズすべてを行う必要はない。毎日できなくても週に2〜3回でもいい。

「効果を考えて起床後と就寝前に分けていますが、それにこだわる必要もありません。仕事中でも時間の空いた時、7つのポーズのうち、どれかを職場の自分の席でやってみてもいい。その目安は、自分が一番気持ちよく感じるものを優先することです。自然に心と体の安定が実感できるはずですよ」(山本さん)

大事なことは、あせらず、先を急がず、日常生活の中に少しずつ「Aヨガ」を取り入れていくこと。通勤電車で座っている時、座骨に左右均等に体重を乗せるといった小さなことからスタートすることが重要なのだ。さらに、「例えば、エレベーターやエスカレーターに乗るのをやめて、階段を使ってみる。それを継続させれば、70歳になった時、きっと体の違いが実感できるはず」と山本さんは力説する。

日米のトップアスリートたちもトレーニングに取り入れている「Aヨガ」。ポイントをつかんで実践すれば、大人世代の脳と体を活性させてくれる。

■山本邦子(やまもと・くにこ)

アスレチック・トレーナー(全米アスレチックトレーナー協会公認)。(有)トータルらいふけあ代表。カンザス大学教育学部運動科学科アスレチックトレーニング学専攻で学士を取得。米国で、NBA、WNBA(女子プロバスケット)などのアスレチック・トレーナーとして活動。現在は「Aヨガ」を主宰し、ソフトバンクホークスの選手のヨガ指導者をはじめ、劇団四季のアスレチック・アドバイザーを務める。

■「Aヨガ」とは

(1)自分自身の今の体の状態を理解すること(Awareness=気づき)(2)正しいやり方で刺激を与え、自分の体が持つ潜在能力を引き出すこと(Awakening=覚醒)(3)生き生きと前向きになり細胞が活性化し若さが保てる(Anti−Aging=抗加齢)(4)ケガや病気になりにくい健康な体に鍛えられる(Athletic=運動)、の4つの英語の頭文字をとって付けられたヨガの種類。
 考案した山本邦子さんは、「9年前、卒業生のプロスポーツ選手に誘われヨガを初体験。その時、体はきつく感じたんですが、想像以上のスッキリ感があり、西洋式トレーニング法に組み入れるとさらなる効果が…、と直感した」という。以来、ヨガ教室に通ったり、文献を読み、さらに選手にも実践させ、そのデータを分析して完成させた。

(1) (2) (3)
Aヨガ Aヨガ Aヨガ
(4) (5) (6)
Aヨガ Aヨガ Aヨガ
(7)    
Aヨガ    
脳と体のリフレッシュに役立つ7つのポーズ
【起床後】
(1)椅子に座って胸の下に両手を置き、背筋をしっかり伸ばす。座骨の上に均等に体重を乗せ、鼻から息を吸い、ゆっくりと吐き、肋間を開閉させる。体の中の空気を入れ替えることで、細胞を覚醒させて脳をリフレッシュし、1日のスタートを意識させる効果が得られる。
(2)椅子に座って座骨の上に均等に体重を乗せ、手の平に意識をおいて、5本の指を大きく開いて天井に向かって伸ばす。足の裏から上に向かっていくような感じで、息を吸ったり吐いたりするとよい。
(3)一般に、人間は前後の動きは多いが、左右の動きは少ないため体側が硬くなっている。それを解消するために椅子に座って上半身を左右に曲げる。その時、お尻は浮かないように注意すること。脊髄神経の通りがよくなり、腰痛や肩痛の予防にもなる。
(4)胸を開き、上半身を後ろに反らすことで体の代謝を促進させる。ヨガでは、胸を開くことで心も開かれるという考えに基づいて考案。ひざを曲げ後ろに反ると、腰に負担がかかってしまうため注意する。床をグッと踏みしめ、内腿を捻り肩甲骨を寄せて反るように立って行う。
【就寝前】
(5)つま先を立て、足の土ふまずの外側に手を添え、少し腹筋を使って、自分のおへそを見るようにする。そして、添えた手で足を引っ張るようにして額をひざにつけたら、ゆっくり呼吸する。吐く時は吸う時の倍ぐらいかけて行う。(ひざに額がつけられない時は近づけるだけでもよい。首の前の甲状腺を刺激して代謝もアップ)
(6)あぐらをかき、座骨の上に均等に体重を乗せ、背筋を伸ばし、左右にねじる。片手はひざに置き、もう片手は後ろの床に置く。顔は後ろにある肩と平行になるのが理想。ゆっくり呼吸をし、吐く時は倍の時間をかける。首の緊張がほぐれ、睡眠を促進する効果が得られる。
(7)血圧の高い人はこのポーズは避け、椅子もしくは床に座って行うとよいでしょう。お腹と太腿がくっつくように前屈し、顔はふくらはぎのあたりまで持っていく(難しい場合は、できる範囲でも可)。吐く息は吸う時より倍の感覚で長くする。背中はリラックスさせ、足は閉じた方がいいが、無理ならば少し開いても構わない。
「Fromシアトル アスリート新化論」

★解説書で知る「Aヨガ」

「Aヨガ」のすべてが分かるのが「Fromシアトル アスリート新化論」(山本邦子著、発行・産経新聞出版、発売・扶桑社、税別1500円)。「Aヨガ」は、NBA選手やプロ野球選手らの日米のアスリートからミュージカル俳優までトレーニングに取り入れている。従来のヨガをベースにアスリートたちとの交流から得た経験を交え、完成させた独自のヨガだ。同書は、この「Aヨガ」の理念、実践方法などを豊富な写真と分かりやすい文章で解説。誰でも手軽に、「Aヨガ」を日常生活に取り入れられるような手引き書になっている。