2008年05月15日 更新

【国内男子】遼クンが“師匠”ジャンボを圧倒!日本プロ開幕へ

「よ〜く見ておけよ」(ジャンボ、右)に、遼クンは「はい、師匠!」。きっとこんな会話が…=撮影・北野浩之

「よ〜く見ておけよ」(ジャンボ、右)に、遼クンは「はい、師匠!」。きっとこんな会話が…=撮影・北野浩之

 よしッ、学び取った! 男子ゴルフの今季公式戦初戦「日本プロゴルフ選手権」(群馬・レーサムゴルフ&スパリゾート、7127ヤード=パー72)は15日、開幕。プロ転向後、初の公式戦に臨む石川遼(16)=パナソニック=は14日、今大会最多の6度の優勝を誇る尾崎将司(61)らと練習ラウンドを行い、理想のアイアンショットを目に焼き付けた。“見取りげいこ”を終えた遼クンは、期待を膨らませて大舞台に立つ。

 本番に勝るとも、劣らない。濃密な18ホールを終えた遼クンのホオは紅潮していた。ジャンボ、尾崎健夫、川岸良兼。歴戦の実力者と練習ラウンドを回り、お金では買えない収穫と刺激を受けた。

 「ジャンボさんのアイアンショットは、想像よりもインパクトゾーンが長くてビックリした。すぐには無理でしょうが、少しずつ自分の中に加えていけたらいいですね」。ジャンボのアイアンショットに感嘆した。60歳を超えてもサビつかない正確なフェードボール。その瞬間を目に焼き付けた。

 さらに、3人の豪快なティーショットにも刺激を受けた。ロングヒッターとしての本能がうずき、第1打の飛距離はジャンボを圧倒。ラウンド前はスイングの切れに不満を抱いていた遼クンだが、「3人とも飛ばすので、ボクもつられて思い切り振ることができた。この流れで、本番では、もっと速い回転で打てれば…」と先輩と自らを対比させて、イメージを膨らませた。

 素直に、どん欲に。新たなテクニックを吸収しようとする遼クンの姿勢に、「師匠」ジャンボもお墨付きを与える。「ゴルファーに一番大事なのは予習と復習だが、遼はその基本的なことができている。ティーショットは曲がり幅が少ないうえに、あれだけ飛べばいくらでも(バーディー)チャンスはある。うらやましいな」。

 やるべきことはやって迎える今季最初の公式戦。「スイングのことだけを考えたい。自信があると思わずにプレーして、自然とスコアがついてくればいい」。開幕から3週連続で大会に出た後、1週間空けて今大会に備えてきた。“見取りげいこ”で芽生えた自信を胸に、ビッグタイトルを獲りにいく。

(片倉尚文)

◆遼クンとほぼ同じ飛距離だった元祖怪物の川岸良兼

 「オレは本気を出していないけどね。あれだけ振っているのにバランスが崩れないし、フォローも大きい。素晴らしい。ただ、最初は苦しんだ方がいい。最初からうまくいきすぎたら、オレみたいになっちゃう」

★異例の組み合わせ変更!川岸がジャンボ組へ

 開幕前日に、異例の組み合わせ変更がなされた。10番から午後12時26分スタート予定の中嶋常幸が背筋痛のため欠場となり、この組に変更されたのが、1番から午後12時17分スタート予定だった川岸良兼。ウェーティングの選手が欠場選手の組に入るのが通例だが、中嶋が尾崎将司、片山晋呉と人気選手と同組だったことで特別措置がなされた。千葉晃チーフトーナメントディレクターは「中継テレビ局との調整があり、調子が上がって成績もいい川岸選手に入っていただいた」と説明した。

★尾崎健夫が遼クンに体力UP助言「いまは若いから」

 初めて遼クンと回った尾崎健夫は、「クラブを振る筋力はついている。あとはアプローチ、パターだけだよ。それも、3年たてば大丈夫」と太鼓判。今後、世界の舞台を見据える後輩に、「体力だね。練習をし続けられる体力が必要。いまは若いから疲れをしらないけど、そのうち無理がたたってくると思う」と、体力強化をアドバイスした。

■ジャンボと遼クン

 昨年12月の「GMAプロ・アマチャリティーゴルフ」で、松坂大輔(レッドソックス)をまじえて、2人は初めてプレー。ジャンボの技術、ゴルフ観に心酔した遼クンは、今季開幕前にたびたびジャンボ邸を訪れて技術指導を受けた。今季から取り入れている低弾道のアプローチ、左足重心のパッティングはジャンボのアドバイスによるもの。2週前の「中日クラウンズ」の予選ラウンドで初めて同組でプレー。ジャンボのマーカーだった遼クンは、スコアの誤記入に気付かず、ジャンボの過少申告による失格を誘発してしまった。

■日本プロ選手権

 日本で最も古い大会。1926(大正15)年の第1回大会は6人によって行われ、宮本留吉が初代王者。31〜60年まではマッチプレー方式で開催された。ツアー選手権(7月)、日本オープン(10月)と並ぶ国内3大大会の1つで、優勝者には来年から5年のシード権が与えられる。大会最多優勝は尾崎将司の6度(71、74、89、91、93、96年)。今年は76回目で、これまで27都道府県で開催されてきた