2008年05月12日 更新

【国内女子】福嶋、母に贈る11年ぶり涙のメジャーV!

感涙の優勝。プレーオフ5ホール目で申を振り切った福嶋は、大粒の涙を流した

感涙の優勝。プレーオフ5ホール目で申を振り切った福嶋は、大粒の涙を流した

母のしず江さん(右から2人目)に、最高のプレゼントとなった。左から妹の浩子さん、福嶋、しず江さん、父の久晃さん(撮影・高橋朋彦)

母のしず江さん(右から2人目)に、最高のプレゼントとなった。左から妹の浩子さん、福嶋、しず江さん、父の久晃さん(撮影・高橋朋彦)

 ゴルフサロンパス杯最終日(11日、東京よみうりCC=6523ヤード、パー72)涙のメジャー奪取! 首位で出た福嶋晃子(34)は73とスコアを落としたが、通算4アンダーで並んだ申智愛(20)=韓国=とのプレーオフを制して今季初優勝(国内ツアー22勝目)。国内メジャーは97年の「JLPGA明治乳業カップ」以来、11年ぶりの3勝目で、今季の賞金ランクも首位に躍り出た。

 申智愛のボギーパットがカップに蹴られた。その瞬間、福嶋の目に大粒の涙があふれた。

 「こんなにうれしい優勝は久しぶりです。今夜は、ひと晩中、泣いていると思います」

 プレーオフは、絶体絶命のピンチが続いた。正確なショットで、すべて1オンした申とは対照的に、3度もグリーンを外した。

 粘りに粘った。1ホール目は右手前からピン1メートル、3ホール目はバンカーから2メートルに寄せた。4ホール目は右下のラフからピン左奥4メートルと微妙な位置についたが、ねじ込んでパーセーブ。驚異的な粘りが、相手の“根負け”を誘った。そして、5ホール目。申が1メートル足らずのパットを2度も外し、勝敗は決した。

 プレーオフの舞台、18番(202ヤード、パー3)は最も苦手だった。第3ラウンドまで、すべてボギーかダブルボギーで『通算4オーバー』。最終ラウンドで初めてパーをセーブしていた。

 「何度もあきらめかけました。申さんは本当にすきがなかった。“お願いだから勝たせて”という気持ちでした」

 97年の明治乳業カップ(現ツアー選手権)以来の国内メジャー優勝で『グランドスラム』達成に“王手”をかけた。「あとは日本女子オープンですね。やっぱり、頑張りたいです」。

 ここ数年は腰や足首に痛みを抱えてのプレーだったが、今季は「どこも痛くなくて、ゴルフに集中できています」。若手の台頭で「ベテラン」と呼ばれる立場になったが、パワーと経験、精神力では負けない。

 「賞金女王? まだ5月ですよ。次の優勝が先です」。新たな目標を掲げたとき、もう涙は消えていた。

(稲垣博昭)

★プレーオフ敗退、申は満面の笑み

 惜しくもプレーオフで敗れた申智愛は「きょうの試合は本当に面白かった。悔いはありません」と満面に笑みを浮かべていた。昨年の全米女子オープンで6位。3月の日本ツアー、PRGRカップで優勝と安定感抜群の20歳は「日本のコースは韓国より難しい。もっと練習してきます」と前向きだ。今週は韓国で試合があるそうで、今後の日本ツアー出場は未定。

◆76とスコアを落とし、通算イーブンパーで3位の張娜(中国)

「プレーオフに残りたかったけど、休み明けの試合だったから…。90点ぐらいだと思います」

◆通算イーブンパーの3位に終わった横峯さくら

「後半は凡ミスもあって、もったいなかった。(通算)アンダーパーで回りたかった」

◆通算4オーバーで8位の古閑美保

「きょうはディボット跡に入ったりして、ついていませんでした。ベスト10に入れれば納得ですけど、もうちょっといけたかな…」

★母は感涙

 この日は「母の日」。応援に駆けつけていた母・しず江さん(59)は「感無量です。感謝しています」と目頭を押さえていた。1月から約1カ月半、福嶋ら12人の選手が横浜市内で合宿練習を行った。このとき、食事面でサポートしたのが、しず江さんだった。「私にも言わないけど、もう1度、輝いてみたいんだと思います」と、長女の“完全復活”を願っていた。

■福嶋 晃子(ふくしま・あきこ)

 1973(昭和48)年6月29日、神奈川県生まれ、34歳。小学4年でゴルフを始め、88年の関東ジュニアを皮切りにアマチュア競技通算28勝。白鵬女子高卒業後の92年にプロテスト合格。94年のダイキンオーキッドでツアー初優勝を挙げ、今回が国内通算22勝目(公式戦3勝目)。96、97年は賞金女王を獲得。米ツアーでも99年のフィリップ招待など2勝を挙げている。昨年の賞金ランク11位(約5163万円)。得意クラブはSW。1メートル63、65キロ、血液型O