2008年05月03日 更新

【国内男子】遼クン、泣きっ面にハチ!?プロ初の予選落ち

 遼クン(右)が、ジャンボ(中央)と回ったプロ転向3試合目で、初の予選落ち(撮影・榎本雅弘)

 遼クン(右)が、ジャンボ(中央)と回ったプロ転向3試合目で、初の予選落ち(撮影・榎本雅弘)

 中日クラウンズ第2日(2日・愛知・名古屋GC和合C=6514ヤード、パー70)遼クン、泣きっ面にハチ!? 前日1オーバーの42位だった石川遼(16)=パナソニック=は3バーディー、4ボギー、1ダブルボギーで73と崩れ、通算4オーバーの70位で、1打及ばずプロ転向3試合目で初の予選落ちを喫した。また、ホールアウト後には同組だった尾崎将司(61)が遼クンのミスもあり、18番の過少申告で失格となった。遼クンの日本ツアー予選落ちは昨年10月のブリヂストン・オープン以来3度目。川岸良兼(41)ら3選手が通算6アンダーで首位に立った。

 転げ落ちるように、負の連鎖に沈んでいく。笑顔が消えて、表情がこわばった。遼クンがプロ3試合目で、初めて予選落ちの屈辱だ。

 「いろんな引き出しを持っていないと…。ボクの場合は1つしかないから」

 13番まで2バーディー、3ボギー。カットラインの2オーバーで迎えた14番。「バーディーを取りたい」と、力んだ第1打は左のOB。ここをダブルボギーとすると、続く15番(パー5)ではドライバーで2オン狙い。これも失敗して左の林へ入れてボギー。いっきに失速した。

 ドライバーで、できるだけグリーン近くまで運び、短いアイアンでピンを狙う。遼クンの組み立てはシンプルだ。だが、「(会場の和合は)直接狙うだけじゃなく、ピンと逆サイドに打っていくことも求められる。ボクには難しかった」と振り返った。

 さらに、ショックに追い打ちがかかった。会見の途中、日本ゴルフツアー機構の広報担当が、遼クンに耳打ちし、会見を中断。「うそっ〜」と声をあげた。初日に続き、同組で回ったジャンボの失格を知らされたからだ。

 ジャンボのスコアを記入するのがマーカーの遼クンだった。18番のジャンボはボギーの「5」だったが、それを見間違えて「4」と書いてしまったのだ。ホールアウト後に、これをジャンボが自分のスコアカードと照合、署名して提出するが、通算10オーバーで予選落ちが確実だったこともあって、チェックを怠ってしまったようで「過少申告」で失格となった。

 両者ともアテストを出た後に、競技委員が再確認していたところ、この間違いが発覚。ホールアウト直後、ジャンボは遼クンのプレーに、「好奇心旺盛な冒険者だな。でも、信念を持ってやっているのはいい」と称賛してコースを後にしたが、その後、まさかの失格の知らせが届いた。

 最終責任はジャンボにあるが、昨年末からジャンボの自宅を訪ね、アプローチやパットを教わった遼クンにとって、“師匠”を失格にしてしまったことに「ボクが悪いんです」と、恐縮するしかなかった。

 3週連続の予選通過はならず、「悔しい気持ちでいっぱいです。このコースは自分のゴルフを受け入れてくれなかった」。痛恨のダブルショックを受けた16歳は、ここでまた強くなる。

(冨士原憲昭)

★問題のシーン

ダブルショック。ジャンボのマーカーだった遼クンが、数字を間違えて記入。“師匠”を失格にしてしまった

ダブルショック。ジャンボのマーカーだった遼クンが、数字を間違えて記入。“師匠”を失格にしてしまった

 最終18番。ジャンボは2打目をグリーン奥のバンカーに入れ、3打目もグリーンには乗らず、4オン、1パットの「5」だった。ところが、マーカーの遼クンは間違えて「4」と記入した。アテストではジャンボが最終確認。16番で自身が「9」をたたいたのに対し、遼クンが「8」と誤って書いていたことを「ここ、違うぞ」と指摘したが、18番の間違いには気づかなかった。

 前日は、遼クンの15番の第3打が木の枝に当たり、折れていれば罰則の対象となる場面が競技終了後に問題となる騒動があったばかりだった。


■マーカー

 ストロークプレーで競技者のスコアを記録するよう委員会に指名された人。プロツアーでは通常、同伴競技者が務める。ラウンド後、マーカーはスコアカードに署名して競技者に渡し、競技者は自分のスコアを確かめ、スコアカードに署名して委員会に提出。提出後の変更は一切認められない。ゴルフ規則6−6(d)により、過少申告の場合はその競技者は失格となり、真実のスコアより多く申告した場合はそのままのスコアとなる

★遼クン予選落ちも…警備態勢変わらず

 遼クンの予選落ちに、主催者は「注目を集めていた石川遼選手が、決勝まで進めなかったのは残念ですが、決勝に残った各選手には存分に実力を発揮し、大会の歴史に残る熱戦を期待しています」とコメント。遼クンの出場に伴い、ギャラリーバスは22台増。トイレは4割増し。警備員らは昨年の98人から135人に増員して対応したのに…。遼クンがいなくなった決勝ラウンドでも、変更はしないという。