2008年04月20日 更新

【国内男子】29年ぶりデビューVいける!遼プロ首位で最終日

遼クンは3番グリーンで、ビジェガス(下、AP)のように“スパイダーマン”の格好で腹ばいになってラインを読んだ

遼クンは3番グリーンで、ビジェガス(下、AP)のように“スパイダーマン”の格好で腹ばいになってラインを読んだ

 東建ホームメイトカップ第3日(19日、三重・東建多度カントリークラブ名古屋=7062ヤード、パー71)有言実行だ! 今大会がプロとしてツアー初戦の石川遼(16)=パナソニック=は19日、通算6アンダーで手嶋多一(39)とともに首位に並んだ。同日に全選手が第2ラウンドを終えて通算7アンダーで単独トップだった遼クンは第3ラウンドも首位を堅守。今季の目標に挙げた「最終日最終組」を早くも決めた。20日は29年ぶり2人目のツアーデビュー戦優勝を目指し、手嶋、ドンファン(21)=韓国=とまわる。

 久しぶりの青空。レインウエアを脱いだ遼クンが8918人のギャラリーに披露したファッションは、最終日に着る予定の“勝負服”だった。

 「大事な日はきょうだ、と思ったので」

 プロ入りいきなりのツアー最終組に気合を入れた16歳は、最大瞬間風速10.6メートルの強風が吹き荒れる中で、耐えに耐えてトップの座を守った。

 「パターのおかげで耐えられました」

 パーオン率はランク55位の38.89%ながら、1パットのパーが実に8度。「ショットが乱れる中でパットが入ってくれた。でなければ80ぐらいたたいていた」。ショットにこだわる男がパットに救われた。

 オフに尾崎将司からパットの指導を受け、練習量も増やした成果を、天性の勝負強さでいきなり発揮。3度目の同組対決となった選手会長の宮本勝昌も「パッティングは、技術よりも入りそうな構え方をしている」と進化を認める。

 3番グリーンで見せたカミロ・ビジェガス(26)=コロンビア=ばりの“スパイダーマン”姿にギャラリーはくぎ付け。コースの移動中には観戦する子供と笑顔でハイタッチし、ラウンド後は子供限定の即席サイン会。12歳の前田大夢君は「あんなプロになりたい」と、あこがれのまなざしを向けていた。

 今季の目標だった「最終日最終組」を早くも達成。1979年の「中四国オープン」での重信秀人以来、29年ぶり史上2人目のプロツアー初出場初優勝に王手をかけた。

 「最後の3ホールまで粘って、残り3ホールは、今までで一番の攻めるゴルフをしたい」

 自身のブログに「明日はバーディーラッシュになりそうです。練習通りのスイングができるか、挑戦です」とつづった遼クンに、百戦錬磨の先輩プロたちは目の色を変えてくるはず。だが、宮本は「今週は仕方ない。この流れだと、彼は(勢いに乗ったら止まらない)タイガー・ウッズと同じだから。手嶋には『空気読めよ』って言っときます」と笑った。

 「バーディー、イーグル、バーディーで(締めれば)、4打差まで追いつかれても大丈夫です。優勝できる? はい、もちろんです」。青木功予選落ち、尾崎将司19位…。力強く優勝を誓った16歳プロは、偉大な先達も果たせなかった記録を作って和製タイガー・ウッズとなる。

(稲垣博昭)

◆首位キープにも遼クンの父・勝美さん(51)だけは渋面

「うまくかみあった。ただそれだけ。詳しくは言わないけど、やればやるほど悪くなっている。会見が終わったら即練習させます」

■遼クンフィーバーアラカルト

 ▼最多ギャラリー 気温20.5度の快晴に客足が伸び、3日目としては01年の8423人を抜き、過去最高の8918人が訪れた。昨年の4818人のほぼ倍
 ▼駐車場も満車 約5000台分確保していた駐車場は午前中には満車に。対策として桑名駅(JR・近鉄)から会場まで無料シャトルバスを30分間隔で運行。最終日も同様に運行する
 ▼HPダウン テレビ放送が遼クンのラウンドを最後まで中継できずに終了したため、日本ゴルフツアー機構のHPにアクセスが集中。放送終了後から約1時間半サーバーがダウンした
 ▼バッジばか売れ 今大会から登場した遼クンのサポーターズバッジ。午前8時から整理券を配って対応し、この日準備した150個が完売。断トツ人気で3日目まで計300個が売れた。追加発注され、最終日は200個販売される
 ▼賞金アップ 本大会の盛り上がりを受け、主催する東建コーポレーション株式会社は来年度の賞金総額を2000万円増額して1億3000万円にすることを決めた