2008年04月19日 更新
【国内男子】遼プロ劇場だ!スーパーイーグルで暫定首位!

最終18番でバーディーを奪った遼クンは、タイガー・ウッズさながらのガッツポーズを披露した(撮影・中島信生)

第2Rの9番でスーパーイーグルを決めた遼クン(右)は、加藤キャディーと笑顔で万歳(撮影・中島信生)
東建ホームメイトカップ第2日(18日、三重・東建多度カントリークラブ名古屋=7062ヤード、パー71)第1ラウンドの残りと第2ラウンドを行い、プロとしてツアー初戦の石川遼(16)=パナソニック=は通算7アンダーとスコアを伸ばし、日没サスペンデッドによる暫定ながら単独トップに立った。第2ラウンドを終えた中では、首位と1打差でスティーブン・コンラン(41)=豪州、さらに1打差で宮本勝昌(35)ら3選手が続いている。尾崎将司(61)は左手首痛で棄権した。
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空一面を厚く覆った雷雲を振り払うようなスーパーイーグルだ! 21ホールの“遼クン劇場”は第2ラウンドの9番(パー4)で、興奮のるつぼと化した。フェアウエー左サイドから残り166ヤードの第2打を7Iで振り抜いたボールは、ピン手前2メートルで着弾。2バウンドしてカップに消えた。プロとして国内ツアー初イーグル。割れんばかりの大歓声に応え、記念ボールを惜しげもなくギャラリーに投げ入れた。
「距離はピッタリで、いいショットでした。(入るところは)見えましたけど、信じられなかった」
最終18番ではピン奥6メートルを沈めてバーディー。タイガー・ウッズ(米国)さながらに右こぶしを力強く突き上げた。
快進撃を演出したのは、昨年12月の「日本シリーズJTカップ」からコンビを組む加藤大幸キャディー(24)だった。9番の第2打で、遼クンが構えた後ろに立ち「もっと左向いて」と助言され、アドレスを修正して劇的イーグルにつなげた。
「2日目は大切にしている」
昨年まではスコアを崩すことがあった2日目。鬼門といえるが、この日は的確な判断で突破した。その象徴が12番。「いいスイングができるのはどれだろうと思って4Iで刻んだ」。これまでなら1ヤードでもピンに近づけようとしていたが、“大人のゴルフ”でバーディーを取り、成長の証しを見せた。
緊張感いっぱいのデビュー戦はいつも以上に疲れるはずだが、16歳プロは元気いっぱい。食欲も旺盛で、前日の夕食ではどんぶり飯を何度もおかわりしたほどだ。
非凡な才能とスター性を発揮し、国内ツアーデビュー戦で暫定ながらリーダーズボードのトップに『石川遼』の名を刻んだ。早くも高まるプロ初V。昨年の「マンシングウェアKSBカップ」ではアマチュアとしてツアー初出場で優勝。今度は、1979年の「中四国オープン」で重信秀人が達成して以来となるプロデビュー戦Vを狙う。
「明日も幸運があるかわからないけど、粘り強くやり、自分のプレーに徹したい」。スコアが動く“ムービング・サタデー”で、高校生プロがさらなる爆発を見せる。
(稲垣博昭)
★遼トーク
――スコアについて
「まさかスコアを伸ばせるとは思っていなかった。本当に2日ともまぐれですね。出来過ぎで驚いています。これが実力と信じると後が怖い。明日、ガタッと落ちなければいいですね」
――9番はイーグル
「距離はピッタリで、いいショットでした。(入るところは)見えましたけど、信じられなかった。(ツアー)1試合目にできるとは思っていなかった。7Iで打ってホールインワンに近い感じですね」
――昨年までは2日目にスコアを落とすことがあった
「(この日も)どこかにそういう気持ちはありましたが、朝の練習で心配しなくていいと感じた。2日目は大切にしている。自分の実力以上のものが出た」
――3日目への抱負
「明日も幸運があるかわからないけど、このままいきたい。見に来てくれる人たちも期待してくれていると思うので、皆さんがすぐに帰らないように粘り強いプレーで、スコアを考えずやりたい。これ以上怖いものはないので、自分のプレーに徹したいです」
★父も褒めた
21ホールをロープの外から見守った父・勝美さん(51)は“鬼門の2日目”でスコアを伸ばした遼クンに「克服できた。(第1ラウンドの残り)3ホールはロボットでしたが、そうした悪い内容でスタートしたのに良かった。これでプロになってよかったと思うんじゃないかな。それはそれで喜んでいいと思う」と笑顔を見せた。残り2日間をどう乗り切るか、データを取りながら父も一緒に“プレー”する。
★雨でも大ギャラリー
2日連続の大雨にもかかわらず昨年より約200人多い2821人のギャラリーが詰めかけた。遼クンが投げた9番のイーグルボールをゲットした桑名市の会社員、水谷俊幸さん(36)は「会社を休んできました。びっくりしました。地面に落ちたのを拾いました。無欲ですね」。初めて見る遼クンに第1ラウンドの残りから付いてまわっての幸運に「どうしましょう。とりあえず大事にします」と興奮冷めやらない様子だった。
★同組藤田ビックリ「オーラがある」
4バーディー、3ボギーと出入りの激しいゴルフで通算1アンダーの藤田寛之は同組の遼クンに舌を巻いた。「1つ1つのショットのレベルが高い。十何年ツアーをやってきて、そういう選手はいなかった。タイガー・ウッズも出てきたとき、こういうイメージでしょ? ショットやスイングにオーラがある。このゴルフを続ければ優勝は近い」とべた褒め。自身については、「僕がナイスショットしても(ギャラリーから)拍手がなかった」と苦笑い。








◆遼クンと同組でまわった上田諭尉は5バーディー、1ボギー、1ダブルボギーの69で通算3アンダー
「遼が打ち終わるとギャラリーが動いて気になったけど、弟(キャディーの崇宏さん)が『気にするな』と励ましてくれた」