2015.9.30 11:00

【私の失敗(2)】羽川豊、こっそり大会に出場…見つけた先生が大激怒

【私の失敗(2)】

羽川豊、こっそり大会に出場…見つけた先生が大激怒

特集:
私の失敗

 実はゴルフにのめり込む前に、高校受験で失敗しているんです。進学校の足利高(栃木県立)の普通科を目指したけど駄目だった。それで足利工大付属高に入りました。

 ショックはありました。ただ、勉強に打ち込む気はなかった。いずれにしてもゴルフはやっていたと思います。どこの高校に入ったとしても、入学の直前には、靴工場だった実家がゴルフ練習場になっていたのですから。環境は人を変える。父(米豊さん)が立ち上げた練習場で、入学してから毎日5時間、700球は打っていたかな。

 友達はあまりいなかった。もちろん彼女もいなかったけど、そこは失敗とは思わないですね。とにかくボールを打っている方が面白かったから。高1の7月、ファーストラウンドは48、49の97。夏休みに入ってすぐ、パブリックの上武ゴルフ場でした。ハーフ30台が出たのは半年後。ゴルフが楽しくて仕方なかった。

 ゴルフ漬けの毎日で、腕を上げました。栃木のアマチュア大会で最も権威のあった「県知事盃」では、高3のときに2位に入った。ところがこの好成績のおかげで、学校の先生にひどく怒られることになりました。

 決勝大会は秋の中間テスト中。でもどうしても出たかったから、こっそり学校を休んで出場したんです。そうしたら優勝争いして2位。翌日、下野(しもつけ)新聞のスポーツ面のトップに大きく取り上げられた。「“ヤング”羽川2位」なんてね。これを見た社会科の先生が「何だ、これは!」と大激怒ですよ。「俺の授業に受からないと卒業できないからな! 留年だぞ!」と言われてしまった。

 まさか新聞に載るとは思ってもいなかった。でもよく考えたら、怒られるのは当たり前ですね。部活動でもないし。この夏の「日本ジュニア」で4位に入り、岡村誠男先生に声をかけていただいた専大への入学も決まっていたし、「留年はまずい…」と思いました。本当に大失敗。追試を受けて、期末テストもがんばりました。最近では大会出場を優先させてくれる学校もあったりするみたいだけど、まずは学生、ですからね。

 同級生が遊んでいるとき、僕はボールを打っていた。田んぼのあぜ道でアプローチ練習もしました。土日は父にパブリックコースに連れていってもらった。修学旅行も休んだ。今振り返ると、高校時代の知り合いは数人しかいないですね。でも何かに真剣に取り組むためには、何かの犠牲は払わないと。友達をたくさん作って遊んでいたら、練習も減ったはず。遊ぶ時間があるなら練習しよう、と思っていました。

 クラブのソール(底)がすり減り、番手を示す数字が消えるほど練習しました。新しいクラブは欲しかったけど、左用はなかなか見つからない。そこは諦めて、同じクラブで打ち続けました。

(紙面から)