波瀾万丈の『遼劇場』は、イーグルで第1幕を終えた。一安心の幕切れに、主役の遼クンは両手を広げて、ギャラリーの大歓声に応えてみせた。
「パープレーでは回りたいと思ったけど、最後にイーグルでアンダーパーになるとは思わなかった」
最終9番(パー5)で残り261ヤードから3Wで放った2打目は、グリーン手前に落ちて転がりピン右奥6メートルに2オン。下りスライスラインを読み切った遼クンのイーグルパットは、ジャストタッチでカップに吸い込まれた。首位に5打差と、及第点で初日を終えた。
山あり谷ありのこの日、思いも寄らぬハプニングが起きたのは、15番(パー4)だった。ティーショットを右の林に打ち込んだボールは男性ギャラリーを直撃した後、林の奥へ。すると1人の女性ギャラリーがボールに近づき、あろうことかボールを拾い上げてしまった。慌てたスタッフや他のギャラリーが「ダメ〜!」と大声をあげて、注意。驚いた女性ギャラリーは元の位置にボールを置き戻した。
女性ギャラリーは「遼クンを見るのが初めてだったので、記念に持って帰ろうと思った」と説明。もし他のギャラリーが気づかず、女性がボールを持ち帰っていたら、ロストボールとして遼クンに1罰打が科されるところだった。後で聞かされ「えっ、本当ですか」と驚いた遼クンだが、ギャラリーのシャッター音にバンカーショットを邪魔され、怒りをあらわにした先週の「日本オープン」に続き、新しいファン層がまたも“騒動”を起こしてしまった。
逆に遼クンが魅せたのは、18番(パー5)だ。2打目をグリーン右手前の池に落としたが、ボールは池の浅いところで半分は水面よりも浮いた状態。「どうぞ、打ってくださいというところだった」と迷わず靴を脱いで素足になり、ウオーターショット。惜しくもグリーンには届かずにパーだったが、3950人のギャラリーを魅了した。
「きょう以上のものは明日できると思う。トップも伸びていないので、出遅れた感はない」
ホールアウトした遼クンは、明るい表情で力を込めた。優勝争いへ参戦を狙い、2日目以降はプレーでビッグサプライズをもたらす。(稲垣博昭)