2008年04月17日 更新
都はるみ、中村氏死後初コンサート「涙は家においてきました」

ステージを終えた都はるみは記者会見。憔悴しきった表情を見せた=香川県高松市(撮影・森本幸一)
歌手、都はるみ(60)が16日、香川県高松市の香川県民ホールでコンサートを行い、今月4日に自殺した公私にわたるパートナーで所属事務所代表の中村一好氏(享年60)の死後、初めてファンの前に姿を見せた。「涙は家に置いてきました」。時折声を詰まらせながらも、涙は見せず、渾身(こんしん)のステージを務め上げた。
◇
公私を支えた最愛のパートナーの死後、初めて立つステージ。はるみは気丈に歌い上げた。
1曲目「アンコ椿は恋の花」の後、あいさつしたはるみは「皆様、ようこそお越しくださいました…」と、しばらく言葉を詰まらせた。絞り出すような声で、「『アンコ−』は私を世に送り出してくれた曲。これまでたくさんの人の力を借りてきました。悲しいことばかり続きました。でも、私には歌を歌っていくことしかありません」。
「そうだー!」。客席からエールが送られると、「皆さんにご迷惑をおかけしてすみませんでした。涙は家に置いてきました。皆さんの元気と私の元気をぶつけ合って、最後までよろしくお願い致します」と深々と頭を下げ、「大阪しぐれ」など全22曲を熱唱した。
ステージで中村氏のことを具体的に語ることはなかったが、「花はあなたの肩に咲く」の前には「もう頑張るしかないので。私の肩にも花が咲いていいのかなと思うのですが、ちょくちょくくじけてしまいます…」。
時折、悲しみに暮れる複雑な心中をうかがわせる場面もあった。それでも涙は流さず、「私の取りえは本当に元気だけです。これからも元気に歌っていきます」。ラストは「好きになった人」。♪さよなら さよなら 好きになった人−。中村氏への思いとこれからの決意を込めたかのような、渾身のガッツポーズでステージを終えた。
終演後には報道陣に囲まれ会見。自殺した中村氏の悩みは感じていたか?という問いに「私にはわからなかった」といい、事務所の経営状態は「中村に任せていたのでわからない」と話した。
「普段、仕事の話しかしない」という中村氏との最後の会話は「レコーディングのスケジュールやこれから先のこと」。憔悴(しょうすい)した表情で、自殺について「絶対、私は事故だと思うんです。考えられない」と力を振り絞るように語気を強めた。
「中村さんは一生懸命やってくれました。私は後ろを振り向けませんので…」と、今にも泣き出しそうな、消え入りそうな声で話した。
★時折声詰まらせ…「出たくなかった」
中村氏の自殺後、初めての会見に応じたはるみだったが、まさに“蚊の鳴くような”声。質問に答えながら、言葉にならずに声を詰まらせることもたびたび。思わず「私はここ(会見)には出たくなかった」と漏らす場面もあり、いまだに残るショックと心の傷の大きさをうかがわせた。
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