2008年04月04日 更新

【シネパラ】“清純”夏帆の大人への成長に注目!「うた魂♪」

合唱を通じて成長していくヒロインかすみ(夏帆、写真右)(C)2008「うた魂♪」製作委員会

合唱を通じて成長していくヒロインかすみ(夏帆、写真右)(C)2008「うた魂♪」製作委員会

 等身大の16歳の美少女女優、夏帆(かほ)のまぶしい魅力がつまった作品。彼女の中に秘められたもろさと強さのゆらめきに、遠い記憶を呼び起こされ、引き込まれた。

 夏の北海道。高校の合唱部でソプラノのリーダーを務めるかすみ(夏帆)は、天真爛漫(らんまん)な女高生。歌っている姿に自己陶酔するほどの自信家で、好意を持っている生徒会長から写真のモデルを頼まれ有頂天。だが歌っている彼女の写真は、目を見開き、口を大きく開けたコミカルなものばかりだった。プライドを傷つけられ意気消沈するが、代用教員や、不良グループの番長に、挫折を知ることの大切さを教えられ、ひとつ大人への階段を上がっていく。

 “青い果実”のひと夏の体験をきらきら描いたのは「タナカヒロシのすべて」の新鋭・田中誠監督。夏帆が演じる、自分の真の美しさに気づかない伸び伸びとした女高生を映し出し、胸をときめかせてくれる。

 もうひとつは魂のこもった歌の数々。夏帆らの合唱団は、MONGOL800「あなたに」、ゴスペラーズが書き下ろした主題歌「青い鳥」。ゴリ率いるヤンキー部員は尾崎豊の「15の夜」「僕が僕であるために」をフィーリングたっぷりに歌い上げる。また、薬師丸ひろ子が歌う尾崎の「oh my little girl」も“必聴”だ。猛特訓したという彼らの熱いハーモニーには、心が揺さぶられた。

(石山真一郎)

【一口メモ】

 原作は脚本家の栗原裕光さんが執筆した「あたしが産卵する日」で、平成16年の函館港イルミナシオン映画祭第8回シナリオ大賞受賞。夏帆を支える共演陣はガレッジセールのゴリ、石黒英雄、徳永えり、亜希子、岩田さゆり、ともさかりえ、間寛平、映画初出演のゴスペラーズほか個性豊かなキャストが集結した。