来年以降の無期限活動休止を宣言したロックバンド、サザンオールスターズが24日、横浜市の日産スタジアムで事実上のラストライブとなる「真夏の大感謝祭 30周年記念LIVE」のフィナーレ公演を迎えた。ボーカルの桑田佳祐(52)は、激しい雨に打たれながら「サザンの屋号を一旦みんなに預けます。また、自信作を作って聴かせられるときが絶対に来るから」と涙ながらに再会を約束した。
「WE ARE SAS FAMILY!」
アンコールでメンバーが再登場する直前、スタンドに人文字が浮かび上がった。スタッフとファンが、メンバーに内緒で感謝の気持ちを表した。
「素敵な文字まで作ってくれて、泣かせるな。素敵な雨だな…」
心憎い演出に、桑田はうれし涙が止まらなかった。激しい雨を一身に浴びながら、あふれる涙を雨と一緒に何度もぬぐった。隣で、妻でキーボードの原由子(51)も、他のメンバーも、全員泣いていた。「30年前生まれてなかった人もいるでしょ。何世代も楽しめるサザンで本当に幸せです」。30年間の思いが、桑田の脳裏に走馬燈のように駆けめぐった。
デビュー以来、日本のロックを一身に背負ってきたサザンらしいステージだった。生ギターをかき鳴らしながら「YOU」を熱唱すると、オープニングからボルテージは最高潮に。「きょうでしばらく会えなくなるので、まぶたに焼き付けてもらいます」と呼びかけ、4曲目の「女呼んでブギ」から約50分、ノンストップで21曲をメドレー形式で畳みかけた。
冷たい雨がスタジアムを濡らしたが、総立ちの7万人は、かっぱ姿で何度も何度もステージに向けてこぶしをあげた。その熱気は、大粒の雨を吹き飛ばす勢いでメンバーたちを奮い立たせた。
腰痛で休養していたパーカッションの野沢“毛ガニ”秀行(53)も新曲「I AM YOUR SINGER」から途中参戦。「エロティカ・セブン」「マンピーのG★SPOT」では、露出度たっぷりのダンサーと桑田が戯れる、お約束のお色気演出で大いに沸かせた。デビュー以来30年間貫いた遊び心満載のこれぞエンターテインメントを見せつけた。
サザン史上最多の全46曲、3時間。最後の宴は、音楽の神様がサザンとの別れを惜しむかのような涙雨にも思えた。活動休止宣言の際、桑田は「皆さんにウソをついてもしようがない。これからはやりたいときに喜んでやらせてもらう」と正直な胸の内を明かした。
そして、この日改めて「また、自信作を作って聴かせられるときが絶対に来る。懐かしい曲がもっと楽しくやれるときがくる」と自分に言い聞かせるように語った。続けて「サザンの屋号を一旦みんなに預けます。預かってちょうだい」と最後は笑顔で手をふり、ステージを降りた。大型スクリーンに「つづく…」という文字を残して。