渡哲也、初の外科医役!がん告知に全身全霊

2008.8.5 05:04

 俳優、渡哲也(66)がテレビ朝日系スペシャルドラマ「告知せず」(年内放送予定)に主演することが4日、分かった。キャリア43年の役者人生で初の外科医役に挑戦する。末期がんに冒された最愛の妻への「がん告知」をテーマに、家族の絆を描く感動物語。師と仰いだ故石原裕次郎さんをがんで亡くし、自身もがんを患い克服した渡は、壮絶な実体験を糧に、重みのある演技で視聴者を魅了する。

 渡演じる外科医、長谷川誠至は、患者にがん告知をした上で最期まで闘う治療を信条とする。が、妻の予期せぬ小腸がん発見に激しく動揺し、同じく医師を目指す研修医の息子とともに告知について苦悩する。

 「自分ががんになった経験は演技のプラスにはなりませんよ。裕次郎さんががんになった時の思いが、この撮影では生きている、と思います」

 直腸がんを乗り越えて俳優人生を歩み続ける“不屈の男”は、自らの葛藤や苦難よりも故石原裕次郎さん(享年52)の闘病生活を思い浮かべた。渡が社長を務める芸能事務所、石原プロモーションの先代社長、裕次郎さんは昭和62年、肝細胞がんで逝去した。

 「我々は裕次郎さんに告知しなかった。手術しても治らない状況を考えると、できなかった。僕は本当の女房に対しても告知はしないでしょう。死への恐怖心は想像以上に自分に迫るものです」

 それは、まぎれもなく17年前にがん告知を受けた、自身のリアルな感情だった。

 「昼間は人と接しているから元気だったけど、夜、病室で1人きりになると『俺が死んだら子供たちはどうなる?』とか自問自答していました」

 両者の哀切を知るからこそ「今回の役は倍、疲れる」と、妻に真実を告げられない医師役に、これまで演じた役以上に自分を重ね合わせていた。

 心優しい息子、涼役には3年前にNHK大河ドラマ「義経」で共演したタッキー&翼の滝沢秀明(26)。最期まで明るく振る舞う気丈な妻、十央子には初共演の女優、高畑淳子(53)が扮する。「渡さんも滝沢君も、きれいでドキドキする」と照れていた高畑だが、家族3人が談笑するシーンでは、アドリブで渡の手を握る大胆演技で、渡を驚かせた。

 「こういう夫婦、家族がいたらいいな、と視聴者の皆様に思っていただけたら」。渡は全身全霊で役にぶつかっている。

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