俳優、佐藤浩市(47)主演の映画「誰も守ってくれない」(君塚良一監督、来年1月24日公開)が、第31回モントリオール世界映画祭(21日開幕)のワールド・コンペティション部門に正式出品されることが1日、分かった。同映画祭では、1983年に佐藤の父で俳優、三國連太郎(85)が主演作「未完の対局」でグランプリを受賞。親子2代でのグランプリを目指す。
佐藤が自身初の海外映画祭で、親子2代グランプリの快挙を狙う。
今作は「踊る大捜査線」シリーズで知られるフジテレビの亀山千広映画事業局長(52)と、同シリーズ脚本の君塚氏が、「踊る」とはまた違う視点から刑事の姿を描く意欲作。殺人犯の妹(志田未来)を守る刑事(佐藤)の目を通し、現代社会が抱えている闇を浮き彫りにする社会派映画だ。
配給元の東宝が完成品を映画祭関係者に送ったところ、映画祭創設者のセルジュ・ロジーク氏が、完成度の高さに驚嘆。即決で出品を決定した。とくに佐藤の演技を「演技が光っていた。すばらしい俳優だ」と絶賛したという。
さらに、作品自体にも「描かれている問題は、日本に限ったことではなく、カナダや米国でも起きている普遍的なテーマ。難しいストーリーラインだが、説得力のある作品になっていて、登場人物の心の動きがヒシヒシと伝わってきた」と興味を持った様子だ。
同映画祭では、佐藤の父、三國が83年に主演作「未完の対局」でグランプリを受賞。88年の「利休」でも最優秀芸術貢献賞を獲得している。
佐藤がグランプリを獲得すれば、異例の親子2代受賞となる。同映画祭では一昨年に、奥田瑛二監督(58)の「長い散歩」がグランプリ、国際映画批評家連盟賞、エキュメニック賞の3冠を達成したばかり。今年も映画祭の顔、ロジーク氏の絶賛を受けての挑戦とあって、佐藤父子の快挙へ期待がかかる。
公式上映は31日。君塚監督は「少年犯罪やネットの暴走など、映画で描かれたテーマは日本だけのことではないはず」と世界の反応を楽しみにしている。