2018.6.12 10:00

寝た子を起こすパンダ飼育員の苦労

寝た子を起こすパンダ飼育員の苦労

特集:
女子社員コラム 言わせて系

 【女子社員コラム 言わせて系】東京・上野動物園のジャイアントパンダ、シャンシャンが12日に1歳の誕生日を迎えた。昨年12月に一般公開が始まって以来、私は何度もパンダ舎に足を運んできた。あまりのかわいさに、毎日でも会いにいきたいが、仕事をしているとそういうわけにもいかない。そんな私のお気に入りは、同園で配信しているライブ映像。パンダ親子の様子をリアルタイムで知ることができるのだ。

 最も好きなシーンは毎日午後4時すぎに、野外運動場にいるシャンシャンを飼育員が抱っこして室内の小屋へ連れていく場面。シャンシャンは木の上にいることが多いためなかなか下りてこず、ときには飼育員が脚立を使って捕まえるなど、ほほえましい“バトル”が見ものだ。そのときのエピソードを知りたくて先日、同園の担当者に聞いてみた。

 「そんな心温まるものではないんですよ」という意外な答えに、私は戸惑った。シャンシャンは眠っていることが多く、それを起こして移動させるわけだから、いかに驚かせないよう接するか、細心の注意を払っているという。「パンダは見た目がほのぼのしているのでね。でも真剣勝負なんですよ」。内情を聞いた私は、映像からは想像もつかない現場の苦労に頭が下がった。

 担当者は何度も「パンダも野生動物」と口にしていた。「かわいいだけではない」ということだろう。人間のように座り竹を器用に食べる愛くるしいしぐさから、私はその事実を忘れていた。

 野生のパンダは中国の標高1500~3500メートルの山深いところにしか生息していない。私が一生いくことはないであろう場所に住んでいる野生動物を、近くの動物園で見られるなんて、どれほど貴重なことかと改めて思い知らされた。担当者の「野生動物の成長を見てほしい」という言葉が忘れられない。(河野さや子)

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