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【軍事のツボ】Xboxで操作する米原潜潜望鏡の“落とし穴”

【軍事のツボ】

Xboxで操作する米原潜潜望鏡の“落とし穴”

潜望鏡の操作はXboxのコントローラーで行う。建造当初からゲーム機のコントローラーを使った初の原潜だ(米海軍提供)

潜望鏡の操作はXboxのコントローラーで行う。建造当初からゲーム機のコントローラーを使った初の原潜だ(米海軍提供)【拡大】

 3月に就役した米海軍の攻撃型原潜「コロラド」(水中排水量7800トン)の潜望鏡はちょっと変わっている。ゲーム機Xboxのコントローラーが流用されており、建造当初からゲーム機のコントローラーを使った初の原潜なのだ。これは操作性の向上とコストダウンを狙ってのこと。このように既存の市販民生品を流用することをCOTS(commercial off-the-shelf)といい、軍事の世界でも一般的になっている。コスト削減のほかにも利点は多いが、とんでもない落とし穴もある。

 コロラドはバージニア級攻撃型原潜の15番艦。同級は2004年から就役を始めており、仕様の違いによってブロックⅠからⅢまである。コロラドはブロックⅢの5隻目で、2015年3月に起工され、2016年12月進水。建造費は約27億ドル(約2940億円)。

 兵装は21インチ魚雷発射管4門、トマホークを6発装填(そうてん)できる円筒型垂直発射筒2基など。この円筒型垂直発射筒はブロックⅢから導入されており、ブロックⅡまでは1発ずつの垂直発射装置だった。まとめたことでコストダウンを図っているという。

 またバージニア級の潜望鏡は、「フォトニックマスト」と呼ばれるデジタルカメラを使った耐圧殻非貫通タイプ。光学式の潜望鏡ならば筒が船体を貫いているのに対し、貫通部分が少なくなるので、より水圧に対して有利になる。

 デジタル式の潜望鏡には、ほかにもメリットがある。潜水艦は敵に探知される危険性をできるだけ低くするため、できるだけ海面に出る部分の面積と時間を少なくしたい。この点、デジタル式ならば露頂させて短時間で一気に360度の画像を記録できる。そして操作は専用のジョイスティックで行うことで容易になり、高精細な画像が大型液晶モニターに映し出されるようになった。

 近年、兵器の価格はハイテク機器が増えたことから上昇する一方にある。バージニア級もコスト削減に大きな努力が続けられており、Xboxのコントローラー活用もその一環。

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  • コロラドのマスト群。右の2本がフォトニック・マストと呼ばれる潜望鏡(米海軍提供)
  • 3月に就役したばかりの攻撃型原潜コロラド(米海軍提供)
  • ベンフォールドの操縦室内部。ダメージコントロール関連のディスプレイなども汎用品だ(撮影・梶川浩伸)
  • イージス駆逐艦ベンフォールドのCIC内部。COTS化が進んでいることはディスプレーにもみてとれる(撮影・梶川浩伸)
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