2018.2.15 12:00

親子三代落語会で林家木久扇が孫のコタくんに送った究極のメッセージ/週末エンタメ

親子三代落語会で林家木久扇が孫のコタくんに送った究極のメッセージ/週末エンタメ

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週末エンタメ芸能記者コラム
“センター”はやっぱり、じぃじです!! 親子三代落語会で、ファミリーの仲むつまじさを客席に届けた林家木久扇(中央)、林家木久蔵(左)、林家コタ

“センター”はやっぱり、じぃじです!! 親子三代落語会で、ファミリーの仲むつまじさを客席に届けた林家木久扇(中央)、林家木久蔵(左)、林家コタ【拡大】

 『笑門来福』-。横浜にぎわい座の高座上に掲げられた額の文言通り、落語家の林家木久扇(80)一門が、笑いと福を担いでやってきた。今月9日。木久扇師匠の長男の木久蔵(42)、孫のコタくん(9)たちと開いた「傘寿記念 親子三代一門会」。会場がなごやかムードに包まれた。

 昨年10月19日に傘寿を迎えた木久扇師匠。記念落語会でひときわ光り輝いたのがコタくんだ。中入り後、親子三代が登場。まずは木久蔵が愛きょうたっぷりに古典落語「後生鰻」を、続いて、きれいな黄緑色の着物をまとったコタくんが「寿限無」を見事なまでに披露した。

 「じゅげむじゅげむ ごこうのすりきれ かいじゃりすいぎょの すいぎょうまつ うんらいまつ ふうらいまつ…」

 主人公の八つぁんに子供が生まれ、名前をつけてもらうため、ご隠居さんを訪ねる。縁起のいい言葉を全部紙に書いてもらう場面で、もともと「難しい字は読めない」というニュアンスの言い回しが入るが、コタくんは「漢字はだめですよ。読めませんから」と表現。それが実に子供らしく響き、客席から「まぁ、かわいいわね」と喝采の拍手が起こった。

 コタくんは2015年5月に高座デビュー。今回の親子三代落語会に向け、木久扇師匠が「寿限無を覚えさせようかと思っているんですよ」と話していたのが、昨年11月。父の木久蔵のアシストも大きかったとは思うが、驚くことに、この3カ月間で木久扇師匠が稽古をつけたのが、わずか3回だという。

 「私がしゃべったあと、テープを聞きながらノートに書き起こして、あとは自分でアレンジをしてまとめたようです。落語を覚えてくれたことが何よりうれしいですね。しかし、自分の初高座より緊張しました」

 コタくんの後、トリで新作落語「彦六伝」で沸かせた木久扇師匠は重ねて自分史を振り返った。

 昭和36年1月に前座になり、木久蔵として初高座(新宿末広亭)で披露したのが「寿限無」だった。コタくんにも落語家を目指してほしいとの思いから節目の落語会で自らの原点の「寿限無」を選んだのかと思いきや、熱く持論を展開した。

 「この先、落語家になるのか他の道に進むのか。それは強制してはいけないの。いろいろなことに挑戦して、自分がこれだと思った道に進んでほしいな」-。

 子育てならぬ、度量の広い“孫育て論”に深く感心。次回の親子三代落語会は未定だが、コタくんに「じぃじ(木久扇さん)との落語、楽しかった?」と聞くと、恥ずかしそうに「うん」とうなずいた。

 愛情に包まれたコタくんの未来。「寿限無」のように、たくさんの縁起のいい言葉=たくさんの選択肢を持って歩みなさいという、じぃじからのメッセージを受け、すくすくと育つ姿を見守っていきたい。(山下千穂)

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