2018.1.31 12:00

モノクロとカラーの出会いから始まる純愛映画「今夜、ロマンス劇場で」/週末エンタメ

モノクロとカラーの出会いから始まる純愛映画「今夜、ロマンス劇場で」/週末エンタメ

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週末エンタメ芸能記者コラム
(C)2018 映画「今夜、ロマンス劇場で」製作委員会

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 2月10日公開の映画「今夜、ロマンス劇場で」は、女優、綾瀬はるか(32)と俳優、坂口健太郎(26)が初共演したロマンチックラブストーリー。モノクロ映画の世界から飛び出してきたお姫様と、現実世界を生きている助監督の奇想天外な恋を描いた切ないオリジナルファンタジーだ。

 監督への昇格を夢見ている青年・健司(坂口)が密かに思いを寄せるのは、人々の心から忘れ去られようとしているモノクロ映画のヒロイン、美雪(綾瀬)。誰も見向きしなくなった映画を劇場で毎日繰り返して見る健司の前に、雷鳴とともに現われたのは何とそのお姫様だった…。綾瀬演じるお姫様はモノクロのまま登場するのだが、色彩豊かな化粧と衣装のおかげで圧倒的な美しさを放ち始める。

 モノクロとカラーの出会いという設定にはワケがある。日本でテレビの本放送が始まったのが1953年で、この映画の時代設定となっている1960年はNHKと民放各局がカラーテレビの本放送を開始した年だ。娯楽の王者が映画からテレビに移行するというメディア環境の激変がヒロインのキャラクター造形に影響を与えているところが興味深い。

 ラブストーリーではあるが、ジャンル的にはタイムスリップものと呼んでもいい。現実世界と不可逆的な過去が交錯することで想像を超えた化学反応が起こり、矛盾を超克するどんでん返し的なクライマックスが期待されるところだが、登場人物のピュアな心象風景を優先したせいか、そのあたりはややシンプル。ふたりの恋の鍵を握るロマンス劇場館主(柄本明)の気になる過去も謎解きをするうえで重要な伏線であったはずなのにもどかしさが残る。

 とはいえ、同作が掲げた「綾瀬史上最高の美しさ」という基軸は貫徹されたようだ。とくにモノクロからカラーへと劇的に変化する際の綾瀬の恥じらいを含んだ表情は絶品。緑の草原に赤い傘を持ってたたずむ真っ青なワンピース姿の綾瀬も印象的だが、そんな色彩美をまとったお姫様が男社会の映画界をひっかきまわすシーンは痛快だ。映画への愛情あふれる作品となった。(鄭孝俊)

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