2017.12.23 12:46

ジョンヒョンさん自殺の衝撃 韓国記者が緊急提言/芸能ショナイ業務話

ジョンヒョンさん自殺の衝撃 韓国記者が緊急提言/芸能ショナイ業務話

特集:
芸能ショナイ業務話
SHINeeのジョンヒョンさん

SHINeeのジョンヒョンさん【拡大】

 韓国の人気男性アイドルグループ、SHINee(シャイニー)のメンバー、キム・ジョンヒョンさん(享年27)が自殺した事件は、日本国内のK-POPファンにも大きな衝撃を与えた。遺書を全文公開した日本のメディアへの批判もネット上で飛び交い波紋を広げている。

 このような状況を見ていて思い出したのが、韓国の新聞記者が韓国で出版した単行本「10年後に死ぬことを決心したパパへ」(タサンブックス、2014年)だ。存在理由を見失って自殺を決心したある父親とその娘の姿を描いたフィクションだが、筆者である京郷新聞元東京特派員のユン・ヒイル記者は同著でこう記している。

 「新聞記者生活では多くの自殺を見てきた。自殺した人が残した遺書を読み、携帯電話に残されたメッセージも聞いてみた。大部分は残された人々への“愛”が込められていた」

 同著のエピローグでユン記者は「韓国は世界有数の自殺国家」と問題提起し、原因として社会的な関心の目を向けられない高齢層が自信を失っていること、ベビーブーム世代にあたる50代男性の経済的困窮などを挙げているが、とくに注目されるのは、韓国では精神科や心療内科の通院を忌避したり、そのような治療を受けている人に対する否定的な視線、またそれらをもたらす苛烈な「無限競争」が社会的雰囲気としてあることを指摘している。

 今回のジョンヒョンさんの自殺についてユン記者はサンスポの取材に「衝撃的で悲しい事件だ。遺書を読むと、華やかなスポットライトを浴びていた彼がどれほどの苦悩の中で生きてきたか分かる。苦悩の中にある個人にとって韓国社会は頼れる支えになっていないことを投影した事件」と話す。

 遺書の公開には方法や時期、周囲の人々への配慮をめぐってさまざまな議論があるが、ユン記者の著作で述べられているように、遺書の分析(もちろん個人情報への配慮は不可欠である)によって自殺者を取り巻く社会状況を直視することもできるだろう。

 「10年後に-」に登場する“パパ”は周囲の人を悲しませないように深慮して周到な準備を進める一方で、死に場所を求めて心身ともにさまようことになるのだが、最後に大きな救いが待っている。

 著者によると、同著は6カ国で翻訳・出版されており、中国では教師と専門家らが選定した「2016年影響力のある本100冊」に選定された。日本でも出版されてよい良書である。(K・T)

今、あなたにオススメ
Recommended by
  1. サンスポ
  2. 芸能社会
  3. 芸能
  4. ジョンヒョンさん自殺の衝撃 韓国記者が緊急提言/芸能ショナイ業務話