2017.11.2 12:00

林家木久扇・林家木久蔵親子会は笑いとぬくもりが詰まった極上空間/週末エンタメ

林家木久扇・林家木久蔵親子会は笑いとぬくもりが詰まった極上空間/週末エンタメ

特集:
週末エンタメ芸能記者コラム

 落語界で日本一有名な親子が、一体どんな笑いをプレゼントしてくれるのか。10月12日、横浜・関内ホール。興味津々で足を運んだ「林家木久扇、林家木久蔵親子会」は、最高級のエンターテインメントだった。

 「父がいつもお世話になっています。昨年、笑点の司会になりそこねました、木久蔵です」

 笑いの渦と拍手の波。“先発”した42歳の息子、木久蔵は本編前の“まくら”から、観客の心をわしづかみにした。

 「夏場に桂歌丸師匠とご一緒させていただいたとき、『あなたは、おとっつぁんと違って最後まで落語が披露できて、すごいね』って言われました」。入退院を繰り返す歌丸の近況も交えながら「きょうは、その褒められた落語を披露いたします」と、観客が爆笑している間に、上方落語「ちりとてちん」に鮮やかに入っていった。

 盛り上がる要素が凝縮された親子会。分析すると、木久蔵の高座では(1)父親ネタと(2)笑点ネタ。観客が期待する噺を軸にテンポよく進む。

 (3)まくらから本編へのスムーズな継ぎ目と、(4)「ちりとてちん」の話芸はもちろん描写も見事だった。「トク、トク」と男がゆっくり酒を飲む場面が何度も出てくるが、そのしぐさがあまりにおいしそうで、多くの観客がついつい一緒にのどを鳴らすほど。私も、ほろ酔い気分になった。

 その後は80歳の父、木久扇が“波状攻撃”で観客を刺激。まずは自らの師匠、林家彦六をものまねで描写した十八番の「彦六伝」で沸かせる。 衆院選前だったとあり、田中角栄、大平正芳ら昭和の大物政治家の声帯模写で成す代表作の「明るい選挙」へ。いにしえの男達がよみがえったかのような(5)ド迫力の芸に圧倒された。

 終演後、木久扇は「おかげさまで親子会は好評なんですよ。宣伝してね♪」と「笑点」でもおなじみの黄色い着物をヒラヒラ。そして「よく笑う人 人生の達人」との言葉を記者に贈ってくださった。そう。(6)気遣いも(7)宣伝も忘れないのだ。

 また(8)親子を支える敏腕マネジャーも木久扇の長女、佐久子さん。家族ぐるみのあたたかさが、より伝わってきた。

 親子会について木久蔵は「親孝行の場でもあります。父が元気でいてくれることへの感謝をし、父のモチベーションがあがることをどんどんしていきたいです。私は芸歴22年。まだまだです」。父の背中を追い求める(9)向上心と(10)謙虚さを忘れない姿も印象的だった。

 次回の親子競演は11月23日、島根県益田市のふれあいホールみと(午後1時30分開演)。引き続き、木久扇ファミリーの笑いとぬくもりが詰まった極上空間になりそうだ。  (山下千穂)

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