2017.9.8 12:18

演出家、故青井陽治さんの人柄 30年来の友だった奥田瑛二さんは2年前の舞台卒業を“撤回”/芸能ショナイ業務話

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演出家、青井陽治さんの葬儀・告別式=東京・杉並区

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 1日に膵臓(すいぞう)がんでなくなった演出家、故青井陽治さん(享年69)の葬儀・告別式を取材した際のことです。縁の下の力持ちの青井さんの人柄をしのぶように元宝塚歌劇団の女優、一路真輝さんをはじめ、市村正親さん、小堺一機さん、渡辺えりさん、ラサール石井さん、鶴見辰吾さん、篠井英介さん、中川晃教さん…と300人を超える人が弔問に訪れました。

 青井さんと同世代の奥田瑛二さんが妻の安藤和津さん、娘の安藤サクラさんと弔問の列に並び、取材に応じてくれました。奥田さんは、青井さんが演出を手がけた1983年上演の「真夜中のパーティ」に出演。「芝居での陽の部分を解放してくれたんです。もう一つの表現の仕方をつくってくれた」といいます。その後もたびたび出演依頼が届くも「難役で。僕は七転八倒しているのに、(青井さんは)ニコニコで見ている状態で捨て置かれていましたが、愛情はたっぷりありました。友情と兄貴的な指導者であって、優しさと厳しさを兼ね備えた人でした」と30年来の友を紹介してくれました。

 それだけに「やりたい芝居がゴマンとあったと思う。カナダもイギリスもニューヨークも一人で乗り込んでいって、つかんでくる人でしたからね」とも。「舞台の道をつくってくれたのは青井ちゃん。(舞台が)嫌だなんていわないで、もう1回、板(舞台)の上に立ちたいな、と思いました」と2年前の舞台卒業を“撤回”していました。

 もう1人、取材に応じてくれたのが城田優さんでした。近年、「エリザベート」などでミュージカル俳優として活躍している城田さんが初めて演出をした2016年のミュージカル「アップル・ツリー」で、指南を受けたのが青井さんでした。

 ミュージカルの企画段階から青井さんは参加。「右も左もわからなくて手探りだったけれど、詳細に教えてくれました。青井先生のおかげで千秋楽を迎えられました」と振り返ってくれました。

 稽古場に連日、足を運んでくれた青井さんに「大丈夫ですか?」などと、ことあるごとに質問をすると、「城田君のやっている方向はすばらしいと思うよ」「城田君は感覚がいい。芝居をつけるのにリアリティーがある」と言われ、「糧になり、励みになりました」と演出家デビューの裏側を明かしてくれました。

 そして、「もっと、もっと果たしていきたかったであろう舞台やミュージカルへの思いや熱があって…。いろんなお話を聞くことができました。遺志を継げるように今度、舞台を演出するようなときは陽治さんに天国から見ていただけるようなすてきなハッピーな舞台をつくりたいと思います」と青井イズムの継承を約束してくれました。

 青井さんの戒名「遇劇院釋導陽(ぐうぎゃくいんしゃくどうよう)」は演劇を愛し、劇場を愛した人柄を表しています。棺に入れられた原稿用紙と鉛筆で、天国でも執筆活動をしてくれることでしょう。(くのいち)

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