2017.7.17 12:00

窪田正孝主演“僕やり” 初プロデュースの米田孝氏が人間の本質を問う

窪田正孝主演“僕やり” 初プロデュースの米田孝氏が人間の本質を問う

 撮影の合間に窪田正孝(右)と話し込む米田孝プロデューサー(カンテレ提供)

 撮影の合間に窪田正孝(右)と話し込む米田孝プロデューサー(カンテレ提供)【拡大】

 若手の実力派俳優、窪田正孝(28)がカンテレ・フジテレビ系ゴールデンプライム帯の連ドラに初主演する「僕たちがやりました」(18日スタートで初回15分拡大、火曜後9・0)。

 クズだけど必死に生きる若者たちの青春逃亡サスペンスで、主人公のトビオを演じる窪田が制服姿の高校生役に挑戦するのがみものだ。そのほか永野芽郁、新田真剣佑、間宮祥太朗、葉山奨之、川栄李奈ら“旬”の俳優陣がそろう。

 この青春群像劇を初プロデュースするのが、関西テレビ東京制作部の米田孝プロデューサー(36)。フジ系はドラマの視聴率が低迷し、若手のクリエイターが育っていないといわれるが、米田氏の話を聞いていると、一筋の光明が差し込んでくるようだ。

 「ハチャメチャな若者エンターテインメントなのだが、(原作漫画を)読み進めていくと人間の業が見えてくる。サスペンスやヒューマン、ラブはドラマを作っていく上での一つの手段だと思っている。結果的に人間のどうしようもなさ、心の中をのぞいてみたい。人間、一皮めくると・・・それを若者たちが演じることでむき出しになる」

 「窪田さんのお芝居は想像以上。座長として、これまで先輩との仕事が多かった中で、先輩にやってきてもらったことを後輩に返さないといけないと強く思っている。僕自身は前向きな性格なので(撮影が始まり)今のところ手応え以外何も感じていない」

 関西弁で熱く語る。2004年に入社。事業、大阪制作、営業とまわり、2年前に東京へ転勤となった。

 「キャリアとしては営業(6年半)が長かったので、生え抜きの制作者ではない。その分客観的に見られ、視野は広い方だと思う。せっかく東京へ呼んでもらったので道筋を作りたい。『やっぱり営業から来た奴はあかんな』と思われるのは嫌。反骨心みたいなものはあるし、自分たちが引っ張っていかないといけないと思っている」

 もともとの希望は「中学の社会科の先生」。入社前は「バリバリの報道志望」だった。ニュージーランドへ留学経験もあるが、9・11(01年)が起こり、「青臭いですが、社会を変えたい。日本の若者はこうならないといけない」などと思った。それが入社後、「番組作りはテレビ局の本質。自分なりの何かを表現したいとドラマ制作へ傾いた」と振り返る。

 一番好きなドラマは「北の国から」(1981年)。DVDで全巻持っており「教科書です」と言い切る。

 「黒板純君(吉岡秀隆)は人としてあるであろうどうしようもなさをすべて持っている。妹(中嶋朋子)はしっかりしているのにいつも逃げ出したり、10代後半には悪い仲間とつるんだり・・・そんな中に苦悩がちゃんと描かれている。『人ってこういうふうに生きていくもんやって』のが根底にある。形は違うけど、今回のドラマのトビオの人間くささに通じる。真っ当だけど、何事も“そこそこ”でいい今時の高校生の現実逃避、リアルさ。自分の中では1本の線でつながっている。人生を追う物語は人の心に響くと思う」

 「北の国から」は米田氏が生まれた年に制作された作品。時代を越え、世代を越え語り継がれる名作といわれるゆえんだ。

 また「リーガルハイ」、特にシリーズ2(13年)も挙げた。「古美門(堺雅人)のライバル、岡田将生さん演じる弁護士は正義の味方のような発言が多い。正論ぶったそんな正義の味方を古美門がやっつける。優等生ぶった方が正解じゃないんだというおもしろさ。人間のどうしようもなさをおもしろがりたい」と続ける。すべての話が今回の作品につながっているのだ。

こうも言う。

 「テレビは娯楽の王様ではなくなっているけど、でも時代をリードするのはやっぱりテレビ。インターネットは敵ではなく、相乗効果を狙い、共存共栄していく。親和性が高いテレビとのいい関係作りで未来を担っていきたい」

 「ほめられたことじゃないところに人間の本質がある」と太宰治作品に傾倒した「ちょっとネクラな」大学時代。自身が“そこそこ”世の中に期待しない若者だった。そんな三男を見続けた73歳になる父親が入社前に息子に伝えた言葉。

 「信念を持って仕事をしろ。軋轢も生むかもしれんが、まわりは『ああ、米田はこういう奴なんだ』とやがて思ってくれる」

 「尊敬している人を一人挙げろ」と言われれば、「間違いなく親父。何でもお見通しなんですよ」と笑う。家に帰ると、結婚7年目の妻とかわいい2人の娘が待っている。

 信条は「謙虚、前向き、自分らしく」。テレビの未来をまだまだ信じ、同期入社となる宣伝主任の女性とドラマを成功させるべく日々奔走している。

  • トビオ(窪田正孝=手前)は、朝帰りした蓮子(永野芽郁)、市橋(新田真剣佑)と遭遇する(カンテレ提供)
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