最近のスポーツ紙、ウェブ、雑誌はもちろん、CMでも広瀬すずを見ない日はない、と言っても過言じゃないと思う。
公開中の「海街diary」では、4姉妹を演じた綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆と一緒に、まったく怖じ気づくことなく自然体で末妹を好演。逸材が揃う若手女優の中でも、確実に飛び抜けた1人になった。
先日、彼女にインタビューをした。「海街-」の公開前で取材や番組出演がひっきりなしの中、目の前に現れたすずは、まったく疲れを感じさせず、相変わらず透明感にあふれていた。
以前にも取材をさせてもらったことがあるのだが、同映画でカンヌ国際映画祭のレッドカーペットを歩いたせいか、堂々としたオーラを身につけていた。ちょっとしたことでお茶目に笑ったり、無邪気さは変わらないのだが、すごく自分の立ち位置を冷静に見つめていた。
今のブレークぶりを聞いてみると「うーん」と考えた結果、「スタート地点だと思っています」と答える。決して優等生な模範解答でなく、「お芝居に関して、デビュー前から個人的なレッスンを受けたとかないので、全く土台がないまま進んでいる感じもあって、自分としては、ちゃんと土台を作って、分かるようになってからやりたいな、というのもあって…」と人知れず、悩んできたことを明かした。笑顔で「こんなお芝居じゃやだ!って思うこともある」と語るように、天真爛漫に見えて、実はものすごく努力家でここから成長できなければダメだとストイックにスタートに立った自身を見つめていると思った。
実際、すずは誕生日に誓いを立てており、15歳の誕生日に仕事に集中するため、小中と8年間続けた大好きなバスケットボールをやめたという。16歳の誕生日には、「ちゃんといろいろ頑張ろう」と決め、その2カ月後に専属モデルを務めるファッション誌「セブンティーン」で単独表紙を飾り、今年1月期の日本テレビ系「学校のカイダン」で連ドラ主演に大抜てきされた。そして「海街-」が公開された今月、彼女は19日に17歳の誕生日を迎える。
取材当時、まだ目標を決めてないと照れ笑いしていたが、20歳になった自分を想像してもらうと「お姉ちゃんたちみたいになっていたい」と綾瀬、長澤、夏帆のようなスター女優の姿に思いをはせた。それは単純に夢見る少女の発想ではなく、「演技を頑張っていくと決めたら、いい意味でその立場にいることが当たり前にならないといけないと思います。また、そこから新しいスタートをやりたいから。そのためにも、17歳の今はその位置(お姉ちゃんたち)を目指すためのスタートにしようと思います」とあのキラキラな笑顔でハニかんだ。
「有言実行は楽しい」というすずの未来ノートは、きっと最大目標はなく、ひとつずつ宿題を乗り越える感覚なのだろう。そんな風に積み立てていく夢は、無限に大きくなりそうな気がする。
森光子、吉永小百合ら大女優と呼ばれる面々は、常に進化を求め、決して現状に満足しない。スタートの繰り返しができることが、大スターの才能なのかもしれないとも思う。
そんな大人びた発想ができるすずだが、プライベートは自然体のようで、「街でファンに気づかれる?」との質問に「ごはんを食べているときなんかは隠しようがないし、あの人、私のこと知ってるなと自分は分からないからこのままでいいかな」とどこまでもあどけない。
冷静さとナチュラルさの同居が、広瀬すずの魅力だ。(記者のきもち)