2015.4.30 15:14

ポールが武道館に戻って来たヤァ!ヤァ!ヤァ!/芸能ショナイ業務話

ポールが武道館に戻って来たヤァ!ヤァ!ヤァ!/芸能ショナイ業務話

特集:
芸能ショナイ業務話

 「ヒサシブリ、ブドーカン!」。日本武道館で初めてライブを行ったレジェンドが、49年ぶりに凱旋公演を行った。元ビートルズのポール・マッカートニー(72)だ。

 音楽担当である記者は、幸運にも歴史的な瞬間に立ち会うことができた。紙面には掲載できなかったその時の様子をリポートしたい。

 開演2時間半前の午後4時。現場に到着すると、予想通り大勢のファンでごった返していた。武道館をバックに記念撮影する人、ポールを迎えるために長蛇を列を作る人-。さまざまな思いでその時を待っていた。

 午後4時半。ポールが手を振りながら車で会場入りすると、ライブが始まったかのような歓声が沸き上がった。

 その後、予定より1時間遅れの午後6時半に開場。「もしやまた体調不良では…」と心配したが、関係者に聞くと「海外での公演では、これぐらいの遅延は日常茶飯事」という。武道館公演が決定した際、ポールは「僕にとってはいつまでも大切な思い出の場所なんだ」とコメントしていただけに、リハーサル後、少し思い出に浸っていたのかもしれない。

 そして、予定より1時間25分遅れの7時55分に開演。会場内が暗転すると、割れんばかりの歓声が武道館を包んだ。ポールも何度も手を挙げて応え、ビートルズの「キャント・バイ・ミー・ラヴ」でスタートした。

 セットリストは、28曲中19曲をビートルズの楽曲で構成。基本的には今回の来日ツアーのセットに沿った選曲で、49年前と同じ楽曲は意外にも「ペイパーバック・ライター」「イエスタデイ」の2曲だけ。それでも今回の来日公演で初披露となる「ワン・アフター・909」や、ライブでは世界初披露となる「アナザー・ガール」を挟むなど、スペシャルな構成でファンを熱狂させた。

 そんなファンを第一に考えるスマートなポールが“頭を抱えた”シーンがあった。ライブ後半、「レット・イット・ビー」を披露すると、観客1万人がリストバンド式ライトを揺らし、場内が光で埋めつくされたのだ。ファンからのサプライズプレゼントに、さすがのポールも大感激。何度も両手を頭に置き、「ワォ! ビューティフル!」「みんな最高!!」と興奮気味に語っていた。

 思い出のステージを堪能したポール。「ヒサシブリ、ブドーカン」「ナツカシイ」と懐かしむ場面もあったが、決して懐古的なライブではなかった。ビートルズの初代ディレクターだった高嶋弘之氏(80)=元東芝音楽工業=も「昔も輝いていたけど、ポールは今でもスター。“懐メロ”じゃないんです」と、進化し続ける現役アーティストを絶賛。「72歳でおなかも出ていないし、非常にカッコいい。素晴らしいよ」と目を細めていた。

 後世に語り継がれるであろう武道館公演は約2時間に及んだが、記者は原稿に追われていたため、ライブを堪能することはかなわず…。

 「マタ、アイマショウ! シー・ユー・ネクスト・タイム!」

 その言葉が実現した暁には、休日を取って客席で見ようと心に誓った。(こっしー)