2014.11.19 05:02

【独占秘話】加藤和也氏 母が亡くなったとき…深夜に自ら供花届けた健さん

1962年公開の映画「千姫と秀頼」での千姫役の美空ひばりさんと片桐隼人役の高倉健さん(c)東映

1962年公開の映画「千姫と秀頼」での千姫役の美空ひばりさんと片桐隼人役の高倉健さん(c)東映【拡大】

 高倉健さんは恩人の1人です。今年も含めて毎年、母の命日(6月24日)に必ず線香を送ってくださっていました。

 健さんは祖母(喜美枝さん)のことを「おふくろ」と呼んでいました。1981年に祖母が亡くなったとき、自宅にいの一番に駆け付け、火葬場まで付き添ってくださいました。棺が窯に入る直前、「私も入る」と取り乱した母をなだめてくれたのも、健さんでした。

 母が89年に亡くなったときは、健さんからの供花が一番に届きました。でも母の遺体が自宅に戻ったのは深夜。生花店が営業している時間ではないので、不思議に思っていました。すると電信柱の陰に健さんに似た人が見えた。まさか、健さんがお見えになっていたとは思いませんでしたが…。

 それから2年ほど後に母が眠る横浜の墓地へ行ったとき、参道の手前に高級車が止まっていました。こんな時間に珍しいと思いながら歩いていくと、夕暮れをバックに歩いてくる男性が。すれ違う際に「こんにちは」とあいさつし、顔を見ると健さんでした。

 驚く私に「元気か?」と声を掛けてくださり、私が「どちらへ?」とたずねると「君のうちのお墓だよ」と。「1人でですか?」と聞くと、「いつも1人で来るんだよ。お前も頑張れよ」と、私の手を固く握りしめてくださいました。

 そのとき、母が亡くなった深夜の電信柱の“影”が、健さんだったことを確信しました。健さん、心よりお礼を申し上げます。どうぞ安らかにお休みください。

(紙面から)