2014.7.16 05:02(2/2ページ)

秋川リサ、壮絶介護を綴る…87歳認知症の母との日々

「お年寄りは元気なうちに家族と話し合って」と呼びかける秋川リサ=東京・大手町 (撮影・矢島康弘)

「お年寄りは元気なうちに家族と話し合って」と呼びかける秋川リサ=東京・大手町 (撮影・矢島康弘)【拡大】

 認知症で徘徊(はいかい)し、行方不明となる高齢者らの届け出は年間1万件近く。決してひとごとではない中、秋川が母との現実を1冊の本にした。

 東京都内で一緒に暮らす母が認知症と老人性鬱病のため、「要介護1」と認定されたのは2010年1月。その前後から無銭飲食や家の中での粗相、徘徊などの症状が表れていた。介護福祉士と共に面倒をみるうち、認定から1年後、母の部屋から見つかった日記にがくぜんとしたという。

 そこには未婚だった母が「娘なんて産まなければよかった」「面倒みてるからって偉そうに」など、30年に及ぶ秋川に対する悪口雑言が大学ノート7冊にあふれていた。母のスナックがつぶれて以来、15歳からモデルを始め一家を支えてきた秋川。2度の結婚、離婚を経験しつつ長男(28)と長女(27)を育てた自負も踏みつぶされる思いだった。

 しかも、母は病気の影響か、秋川の預けた数千万円の預金を通販などで使い果たしていた。徘徊の頻度も増え、最長17時間に及ぶことも。このため区役所やあらゆる知人を頼り、2年前にようやく埼玉県にある半官半民の特別養護老人ホームに入居させることができた。それまで毎月20万円前後の介護費用がかかったが、今は3、4万円でまかなえるという。

 「母は今、要介護3。私や孫と会っても『どなた?』…です。でも、男で苦労した人生を忘れた今は幸せかもしれません」と秋川は語る。そうした思いや介護を手伝ってくれた娘、ペットの犬への感謝の思いもつづっており、「在宅介護は素晴らしいと言う国会議員もいるけれど、現実はもっと悲惨」と訴える。

 この著書出版を機に、秋川は介護の現実をテーマにした講演会も開く。