トム・クルーズ【拡大】
“トム×日本”といえば渡辺謙(53)らが共演した2003年公開の「ラスト サムライ」が有名だが、約10年の時を経て、トムが再び日本と“タッグ”を組んだ。
「All-」の原作は作家、桜坂洋氏(42)が04年12月に刊行した同名小説で、若者向けの娯楽小説を意味する「ライトノベル」と呼ばれる分野の作品。日本ではアニメの原作になるケースが多いが、日本を通り越してハリウッドで映画化されるのは史上初めてだ。
同小説は09年に北米で英語版を発売。北米で日本のアニメ、漫画作品などの出版、ライセンス管理を手掛けているビズ・メディア社(VIZ Media)が同年に脚本化した上でワーナー・ブラザースに映画化を持ちかけ、すぐに製作が内定したという。
日本の作品が国内で映像作品化される前に、ハリウッドで採用されるのは極めて異例のこと。しかも世界的に知られている小説ではないが、ビズ社CEOで同映画のエグゼクティブプロデューサーを務める福原秀己氏(62)は、「この原作には今までのハリウッド映画にはないネタが入っており、アメリカからみると新しく思えたのでは」と語る。
小説は戦争シミュレーションゲームに着想を得たバトル満載の物語。主人公はエイリアンとの戦いで命を落とすたびにパワーアップしてよみがえり、戦いを繰り返すという究極のバトルゲームの世界だ。配給のワーナー関係者は「バトルゲームは米国でも人気があり、受け入れられやすかったのでは」と話す。
福原氏は「原作は人間を書き込んでいる作品ではないが、トム・クルーズが演じることで人間ドラマの要素がどう入ってくるか期待しています」。映画化決定の報に驚いたという桜坂氏も「ライトノベルは本当にすごい! 映画を楽しみにしています」とコメント。“日本発”のハリウッド映画に期待は高まるばかりだ。
★桜坂氏「よくわかる現代魔法」
原作の桜坂氏は、2002年の第2回集英社スーパーダッシュ小説新人賞で最終選考に残った「魔法使いのネット」を改稿・改題した「よくわかる現代魔法」で03年12月にデビュー。同作は09年にアニメ化され人気を得た。元システムエンジニアで、コンピューターやゲームに造詣が深い。04年発表の短編「さいたまチェーンソー少女」で第16回SFマガジン読者賞も受賞している。
(紙面から)