宝塚歌劇団の月組トップスター、瀬奈じゅんが9日、兵庫県の宝塚大劇場でのサヨナラ公演「ラスト プレイ −祈りのように−」「Heat on Beat!」の千秋楽を迎えた。退団を表明している瀬奈が、本拠地・宝塚に別れを告げた。
通常公演のあと行われたサヨナラショーでは、真っ赤な衣装の瀬奈が銀橋に登場し、「すべての愛」(2004年のコンサート「SENA!」より)を歌ってスタート。「あかねさす紫の花」(02年、06年)から「紫に匂う」を瀬奈が歌い、娘役3人が踊った。「Il Bacio」(08年「Apasionado!」)では次期月組トップに決まった霧矢大夢が女役となり、瀬奈と迫力のデュエットダンス。「ランベス・ウォーク」(08年「ME AND MY GIRL」)では瀬奈も客席に降り、ファンと一体となって盛り上がった。最後は客席の白いペンライトが揺れる中、「奇跡」(コンサートより)の合唱だ。
同公演では瀬奈のほか、遼河はるひ、音姫すなお、城咲あい、麻月れんか、羽桜しずく、麗百愛の計7人が退団。
黒紋付に緑の袴の正装で大階段を降りた遼河は、「14年間、光り輝くまっすぐな道を、前だけを見て走り続けてきました。充実した幸せな気持ちで卒業します」とあいさつした。
瀬奈は最後に大階段を、男役の正装でもある黒エンビ姿で降りてきた。真っ赤なバラの花束を抱えて現れたのは同期生の宙組トップ、大空祐飛だ。「神は乗り超えられる試練を与える、という言葉を信じて走り続けてきました。愛する宝塚を去るさびしさはありますが、12月27日の最後の日まで、残された宝塚人生の最後の試練を一緒に走って下さい。18年間、ありがとうございました」と笑顔で手を振った。
終演後の会見では、黒エンビ姿で大階段を降りたわけを、「舞台上では最後まで大好きな男役でいたいと早くから決めていました」と説明。
「宝塚は青春のすべて。悔いはありませんが、まだ、サヨナラの実感もわきません」と述べた。
退団後については、「結婚の予定はまったくありません。これまでは大好きな宝塚と歩むことが私のやりたいことだったので、これからはほかのやりたいことを見つけていきたい」と言ったあと、「まだ何も決まっていませんが、ファンのみなさんが喜んでいただく形で何かやりたいとは思っています」と芸能活動を示唆した。
大劇場の玄関前は約6500人のファンでぎっしり。黒紋付きに緑の袴姿に着替えて現れた瀬奈は、真っ赤なバラの花束で飾られたベントレーの黒のオープンカーに乗り、「究極の男役のあさこさん、夢をありがとう!」と叫ぶファンに見送られて去っていった。
27日から東京宝塚劇場公演が行われ、その千秋楽の12月27日付で退団となる。