志尊淳「僕も『のぼせもん』です」下積み時代の小松政夫を熱演中

ヒューマン
“のぼせもん魂”で小松政夫を熱演中の志尊淳。プライベートでは町を散策することが多く「普通に声をかけられますけど、それはありがたいこと」と感謝=東京・渋谷区

 若手の人気俳優、志尊淳(しそん・じゅん、22)がNHK「植木等とのぼせもん」(土曜後8・15)で下積み時代の小松政夫(75)を熱演中だ。イケメンのイメージを覆す人情味あふれる演技で話題だが、役作りでは柔和な小松本人と台本のコミカルな小松とのギャップに苦悩。撮影で“ダメ出し”を受けながら「今は役者としての刺激を求めて突き進みたい」と飛躍を目指し奮闘している。(ペン・山内倫貴、カメラ・蔵賢斗)

 ドラマのタイトルにある「のぼせもん」とは、小松政夫の故郷・福岡の博多弁で「すぐに熱中する人」の意味。取材時、1日で約10媒体の取材に応じた志尊に疲れていないかと聞くと「全然大丈夫です。仕事に関しては僕も『のぼせもん』ですから」と笑いながら明かした。

 1メートル78のさわやかキャラで、2014年のテレビ朝日系「烈車戦隊トッキュウジャー」のトッキュウ1号役でブレーク。今年は菅田将暉(24)主演の「帝一の國」など映画4本、ドラマは「植木等とのぼせもん」など4本、さらに「春のめざめ」で舞台初主演を務める人気ぶり。多忙な生活だが、「今の仕事は、これまでの自分では考えられなかった世界を学ぶことができるというのが刺激的で、その刺激が疲れを上回るんです。だからプライベートも趣味も『仕事』って感じ」と元気いっぱいだ。

 現在は元クレイジーキャッツの植木等さんを題材にした山本耕史(40)主演の「植木等と-」に植木さんの付き人を務めた小松役で出演。昭和の高度成長期の活気あふれる雰囲気の中、師匠の植木さんを慕う小松の喜怒哀楽を豊かな表現力で体現している。

 「実際に生きている方を演じるのは初めて。大きな挑戦」と気合十分の志尊は、7月上旬の撮影前から徹底した役作りを敢行。原案で小松の自伝的小説「のぼせもんやけん」を読み込み、小松が付き人になる前、気の利く優秀なセールスマンだったことに着目。ドラマの冒頭で語りを担当する小松とも面会し「仕事への『のぼせもん』ぶりと、温厚で優しい性格に感激しました」。そのイメージをもとに「ただのひょうきん者でない、気遣いのできるまじめな青年という部分を表現したい」と演技プランを構築した。

 そして迎えた第1話の台本の読み合わせ。自身のプラン通りに読むと、監督から「それは小松さんじゃない」と“ダメ出し”された。監督からは小松にとって植木さんは“雲の上の存在”で、植木さんと対面した小松の緊張と感激を表現するため「セリフは裏返った声で」と修正され、指示通りに100メートル先に届くような大きな声でオーバーにやると、OKが。

 演技に対して真摯に向き合うからこそ「正直、そのときは『役を生きている』という感覚を得られなかった」と悩ましげな表情。その後は「ドラマの中に登場する小松さんと発想を変えてイメージを台本の中に収めよう」と考えを整理して撮影に突入した。

 現場では「小松さんのモノマネにならないように」試行錯誤を繰り返す中、疲労の影響で「普段はできない」というニキビがほおに2個できた。それでも「(メークで)隠さずに演じました。若者ならではの葛藤という意味では小松さんと重なるので」と前向きにとらえた。

 9月30日の放送回では「もぉ~、知らない!」とすねた“おねぇ口調”でズッコケるコントシーンも披露。女性ファンのイメージを覆す熱演だが「新しい自分をみせることができるのはうれしいこと。これからも目標は定めず、がむしゃらに突き進みたいです」。苦難の前でも志尊の“のぼせもん魂”は不屈だ。

★ところてんで減量

 志尊は中条あやみ(20)の主演映画「覆面系ノイズ」(三木康一郎監督、11月25日公開)や、大泉洋(44)と松田龍平(34)のW主演映画「探偵はBARにいる3」(吉田照幸監督、12月1日公開)にも出演。「覆面系-」では役作りのため約3週間で4キロの減量に成功。「ところてんを食べて空腹をしのいで、毎日10キロ走りました」と振り返った。

 一方、好きな女性のタイプを聞くと、「優しい人。今は忙しいこともあって、癒やされたいですね~」とホンネをのぞかせた。

志尊淳(しそん・じゅん)

 本名同じ。1995(平成7)年3月5日生まれ、22歳。東京都出身。読者モデルを経て、2011年にミュージカル「テニスの王子様2ndシーズン」で俳優デビュー。15年のTBS系「表参道高校合唱部!」、今年2~6月放送のフジテレビ系「きみはペット」(入山法子とW主演)など話題作に出演。趣味はスポーツで、剣道、野球、サッカー、総合格闘技などを経験。1メートル78。

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